知ると得する会計学3 第2章

こんにちは!
今回も管理会計 第七版(櫻井通晴)を読んでいきます。
第2章では、企業の価値創造についてと業績評価方法の簡単な紹介がされています。

企業の価値創造について、というのは前章でも少しだけ触れました。この章の特に面白い部分は、企業が生み出す価値について、日本とアメリカの両視点を用いて説明がされていることです。それぞれ簡単に紹介したいなと思います。

企業が創造する「価値」って?

古典派経済学では「価値」は「労働」によって規定されていました。いわゆる労働価値説です。生産過程がものすごく単純だったからこんなことが言えたんですね。その後、地代や資本金なども価値の構成要素として見られ始めていった、というのが昔の話ですね。

では、現在企業が創造する「価値」とはなんでしょうか。そしてどのように測定するのでしょうか。ちなみに答えは1つではありません。

まずどのように測定されるかですが、大きく3つ筆者は提示しています。

1つが株価総額による、価値の測定です。心理的要因でも簡単に変動する株価の時価総額を企業価値として良いのかという問題があります。しかし、後述する「顧客価値」を図る指標としては有用なのではないかと微弱ながら思います。

2つ目が、利益による測定です。会計的には客観的ですが、経営者の意向も反映されることが多いので浸透はしていない状況です。

3つ目が、DCF法です。この方法が、最も広く使われているのではないでしょうか。将来の期待キャッシュフローを現在価値に割り引いたものです。難点としては、経営者によって発せられる収益予想に恣意性が含まれる、ブランドなどの無形価値を評価することが出来ない、等が挙げられます。特に管理会計ではここのところが重要な問題です。なぜなら、キャッシュフローによって測定される「経済価値」以外にも、「企業価値」を構成する価値をも可視化することが求められるからです。

企業価値を生み出す

筆者は、企業価値の源泉を4つ示しています。

1つ目が、先程の「経済価値」です。キャッシュフローや営業利益などの増大から見て取れます。

2つ目が、「顧客価値」です。いわば顧客満足みたいな話で、便利な商品を適正値段で売ることで高められる。

3つ目が、「社会価値」です。ステークホルダー(利害関係者)によって与えられる社会的な価値です。

4つ目が、「組織価値」です。こちらは、従業員や経営者などの内部のステークホルダーによって評価される価値です。

この部分については、筆者独自の調査によって明らかにされた内容なので、興味ある人は読んでみてください。

責任会計制度

これからの章で説明される、責任会計制度について簡単に触れられています。簡単に言うと、何を見て業績評価をするのかという話です。大きく3つ挙げられています。「原価センター」「利益センター」「投資センター」です。前2つはわかりやすいと思いますが、投資センターはたとえばROIが基準になるということです。

終わりに

話はより管理会計っぽくなってきましたが、まだ実用性が見られない印象ですよね。卒業論文の方も進めているので、最近忙しいですががんばります笑


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