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芸人時代、ゲイバーで乱闘に巻き込まれた話


芸人時代、僕はよく新宿2丁目のゲイバーに行っていた。
そこのママ(ゲイ)と仕事で仲良くなり
そのお店によく足を運んでいた。

そのママの名前は"猛虎"(もうこう)さんと言う。
字の如く身長は175センチくらいだが
体重は100キロを超える、見た目も厳ついギリギリ人間として認知できる方だ。

元々は総合格闘技をされていて
そこからプロのパティシエもされている
オールマイティーゲイである。

ただ、中身は凄く女の子。
僕にも優しくしてくれていたが、
本人曰く、僕はタイプじゃない。
と言われたので良い関係を築いていた。

人に振られて小さなガッツポーズをしたのは
あの時が最初で最後だろう。

猛虎さんの店には良く女の子を連れて行った。

カウンター席が数席だけで
その椅子の後ろはほぼ壁なので凄く狭いが
その狭さと、猛虎さんが連れの女の子を
めちゃくちゃ飲ませてくれるので僕からすると
都合がいい。

その日も1人の女の子を連れて行った。

いつもの様に女の子に猛虎さんが
テキーラを飲ませる。

僕も合わせて一緒に飲んでいて
女の子が酔っ払ってくれるのを待つ。

ただ、想定外の事が起きた。

女の子がめちゃくちゃ酒が強い。

ショットでレモンティー飲んでるんか?
と、疑うほど全く酔わない。

結果、先に僕がギブアップしてしまい
お持ち帰りなどは程遠い結果になってしまった。

それを見て不憫に思ったのか
猛虎さんが

「お店閉めて締めのラーメンでも食べに行こっか」

と、提案してきた。
僕は言われるがまま、
僕、猛虎さん、女の子と
他のカウンターに座ってたムキムキのゲイの人の
合計4人でラーメン屋に向かった。

朝4時の新宿2丁目をベロベロの4人で
騒ぎながら歩いていた。

持ち帰りこそはできなかったが
酒も飲んで楽しくワイワイしていた。

ムキムキのゲイの人が道端に座り
工事現場のポールを頭から被り、
それをみんなで笑って
女の子がその姿を携帯で撮ってワイワイしてると

「笑いもんちゃうぞコラァ!!!」

突如、怒鳴り声が聞こえて1人の男が寄ってくる。

なんだなんだ。と焦っていると
写真を撮ってた女の子の携帯を奪い
思いっきり地面に叩きつけられた。

完全に絡まれた。
絡んできた男はベロベロに酔っ払ってる
腕がタトゥーまみれの色黒の
しっかり怖い見た目の兄ちゃんだ。

これはやばい。
とりあえず謝ってこの場を離れた方がいいか、、

そう考えていると、

「テメェなにすんだよコラァ!!」

うちの猛虎さんがブチ切れたのだ。

中身は可愛い女の子の猛虎さんじゃない。

総合格闘家のめちゃくちゃ男の猛虎君になった。

そのまま猛虎さんは相手の男に掴みかかり
相手の男も負けじと対抗する。

ただ、猛虎くんは
元総合格闘技の選手で体重も100キロを超える
超ヘビー級の人間だ。

そこらのチンピラでは絶対勝てない。

案の定、猛虎くんは相手を地面に叩きつけ
馬乗りになりパウンド地獄。

さすがにこれは止めないとマズいと思い
めちゃくちゃ怖いが止めに入った。

ただ、猛虎くんの攻撃は止められない。

これは1人で抑えるのは無理だと思い
さっき、ポールを頭に被ってたムキムキのゲイに
助けを求めようと視線を送った。

一応ムキムキだから止めに入ってくれると
一旦落ち着くだろうと思ったが、

そのムキムキのゲイは
僕の連れの女の子にしがみついて泣いていた。

後々聞いたら自分がふざけたせいで
喧嘩になったのが悲しくて泣いたとの事。

こいつは、女になるんかい。

ゲイの人の土壇場で
男か女になるのかのスイッチさ謎である。

「とりあえず、泣かんと止めてくれ!」

僕は猛虎さんを必死に抑えながら
ムキムキのゲイの人に助けを求める。

今は君の男の部分に用があるのだ。
女の部分は一旦抑えてくれ。

そう願っていると、
猛虎さんとチンピラの喧嘩は落ち着いた。

ひとまず、猛虎さんを落ち着かせる為に
目的のラーメン屋さんに向かった。

道中、猛虎さんは鼻でフンフン言いながら
まだアドレナリンが出まくっている様子

完全に猛獣である。

とりあえずラーメン屋に付いて
少し落ち着いた猛虎さんと、連れの女の子と
まだ泣いてるムキムキのゲイで
ラーメンを頼んだ。

ラーメンを食べながら
ずっと黙っていた猛虎さんが急に泣き出した。

「ごめんね。みんなごめんね。」

泣きながら僕達に謝ってくる。

「いやいや、なんで泣くんですか
 ちょっとやり過ぎかもですけど守ってくれて
 ありがとうございます!」

泣いてる猛虎さんを慰めると

猛虎さんが返す刀で僕達に言った。

「あのチンピラ絡んで来たのは私のせいなの」

え?酔っ払って向こうが絡んできたんじゃないの?

僕達の頭には大量の「?」が浮かんでいる。

次の猛虎さんの一言で僕はずっこけた。


「あのチンピラね、、元カレなの、、」


衝撃。
どうつっこめば良いのかも分からない。

ていうか、
元カレがなんで絡んで来た?
あと、
元カレをあんなに良くボコボコにできたな。
あと、
元カレをボコボコってあんま聞かないワードだな。

色んな疑問が浮かんだ。

どうやら、しっかり聞くと
その元カレもゲイの方らしく

僕達が連れのゲイの人を
ポールを被らせて写メ撮って笑いモノにしていたのを、
嫉妬も含めて見かけた元カレがブチ切れてきたらしい。

なんとも複雑な相関図だ。

驚き過ぎて何も言えない僕らに
更にずっと泣いていたムキムキのゲイが口を開く

「猛虎ちゃん、じゃああの元カレ私に紹介してくんない?」

どんな神経してんねん。
まさにその言葉がぴったりだ。

「それはごめん。」

猛虎さんが断った。
いや、嫌なんかい。

もう心でツッコミが止まらない。

「ちぇっ」

ちぇっ。って言いやがった。
大人のゲイが「ちぇっ」っていうの初めて聞いた。


てか、大人が「ちぇっ」って言ったが
まず初めて聞いた。


こんなカオスな夜はこうして幕を閉じた。

それから3日後

猛虎さんから1通のLINEが来た。

内容を見ると
「あのチンピラの元カレとヨリ戻しました♡」

そこに写真もついていた。

猛虎さんがチンピラの顔に
ガーゼを貼って手当をしている写真だった。


うん。。。
良かったね、、、、?


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