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【令和バブル?】日経平均株価が上昇しているニュースを見て心がざわついている時に読む話

年明け以降、急上昇していた日経平均株価が、今日2月22日に35年近く前の1989年12月28日の大納会で付けた史上最高値を更新した。
しかし多くの人は、株価上昇の実感がないようだ。
今日は、日経平均株価最高値更新のニュースを聞いて、心がざわついた時に読む話。


ドル建て日経平均

最初にご紹介したいのが、ドル建ての日経平均株価だ。実は、ドル建ての日経平均株価は、既に2021年1月にバブル後高値を抜けている。
ドル建ての日経平均のバブル時の高値は、273.06(1989年12月27日)だ。ドル円レートは、142円10銭だった。
一方で、2021年1月13日に273.91ドル(2021年1月13日)を付けて、バブル後高値を抜けている。その時の円建て日経平均は、2万8456円59銭、ドル円は、103円89銭だった。
そう考えると今の「円建て」の日経平均株価の上昇は、単なる「円安の調整」ということになる。ちなみにドル建て日経平均の高値に、今のドル円レートの150円を掛けると、約41000円になる。おめでとう日経平均4万円越えだ。

日本企業は、大半の日本人とは無関係

日経平均株価急騰のニュースに対して「庶民の生活実感からかけ離れている」という話もよく耳にする。実際に、日本の2023年第四四半期のGDP(速報値)が年率換算でマイナス0.4%になったというニュースが流れた。また2023年の実質賃金もインフレに追いつけず、マイナスになっている。

しかしこれもよく考えれば当たり前だ。
特に日経平均に採用されているような大型株の多くが、海外生産、海外販売を行っている。おまけに株主の半分は外国人投資家だ。
要は海外で作って海外で売って、利益の半分は外国人の手に流れている。そう考えると、株に投資してない殆どの日本人とは「無関係」ということになる。ちょうどインバウンドで観光地が幾ら潤っても、普通の日本人には関係ないのと同じだ。
更に今回の株価上昇の主役は、東京エレクトロンやアドバンテスト、ユニクロのファーストリテーリング、ソフトバンクGなどの大型値嵩株がけん引している。一般の日本人とは、猶更無関係だ。

ちなみに日本企業全体の海外生産比率は二割程度だ。円安とインフレでむしろ生産コストが上がって苦しんでいる所が大半だろう。

年金は恩恵

ただ唯一、全日本人に関係することがある。それは「年金の運用」だ。GDIPは、ポートフォリオの25%を日本株に投資している。日本株が上昇すれば、年金の原資が増えることになり、国民年金や厚生年金などの公的年金の寿命が延びる。これは全国民にとって朗報だ。
また日本株で利益を上げる投資家が増えれば、所得税などの税収も増加する。

全員が儲かるわけではない。

良く誤解している人が居るが、1980年代のバブルの時にも、全ての人が儲かったわけではない。むしろ世の中には怨嗟の気分が充満していた。
当時も、多くの「真面目なサラリーマン」たちは、地価の急激な上昇で「夢のマイホーム」が買えなくなっていた。都心どころか、宇都宮や高崎でもマンションは、高値の華になって居た。
そして、地上げで儲けた金で高級車を乗り回す「中卒の地上げ屋」たちと、夜の街で地上げ屋に群がる女たちを一般の人たちは冷ややかな目で眺めていた。
日銀の三重野総裁が、異常なまでの執念でバブルつぶしに走り、政府が地価税を導入し、バブル崩壊を暫く放置したのも、こういった世論が背景にあったことは間違いない。
今回の株価上昇や地価の上昇についても同じことが言えるだろう。

リスクを取らなければ取り残されるだけだ。

メディアやSNSを眺めると、訳知り顔で今回の日経平均高値更新を批判的に語る識者が相変わらずいる。
ただリスクを取らなければ、リターンは得られない。評論家気取りで批評しても、行動しなければ結果はついてこない。それは今回も同じだ。そして幾ら株価が上昇しようとも、日本経済は、少子高齢化と人口減少の影響を受けて縮小していく。
結論はいつも同じだ。リスクを取らなければ、リターンはない。行動しなければ、取り残されるだけだ。



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