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「団塊の世代」と「Z世代」で性格に違いはないらしい

「団塊の世代」と「Z世代」で性格に違いはないらしい
ハンブルク大学の研究

巷では、「最近の若者はなっとらん」やら「老人は頭が固い」なんて、世代による区別が行われている
生まれた時代で性格に違いが出る、という話だが、研究ではそれは違うらしいことが判明した

4732人の1956年~2012年までの性格を調べた
対象者の中で一番古い生まれは、1883年生まれ
一番新しい人は1976年となっている
年齢は19歳~91歳と幅広く扱っている

性格についてはビッグファイブで診断を行った
ビッグファイブは、協調性、外向性、開放性、誠実性、神経症傾向の5つから性格を診断する
科学の世界では信憑性が一番高い性格診断
(昔の人のデータは時代遅れなので、昔の人の性格は現代のビッグファイブに合うように再診断している)
50年以上の期間の性格を調べて、性格による違いを明らかにした

性格診断の結果、世代による性格の違いは確認されなかった
つまり、昔の人も今の人も性格が違うということはない
なので、今の若い人も大人になれば、「最近の若者は~」と言うようになる
今の老人も昔は、「老人は頭が固い」と言っていたということだ

ただし、完全に昔と今で性格が一致しているかというと、そうでもない
昔に比べて今の人は、協調性と神経症傾向が低く、外向性のレベルが高かった
今は昔に比べて、一人でも生きやすくなっているため、協力する必要がないのだろう
また、通信技術やSNSの発達により、見知らぬ人と会話する機械が増えたため、外向性が鍛えられたのかもしれない

また、教育を受ける期間が長いほど、協調性が低く、開放性が高かった

しかし、これらの性格特性も、年を重ねると差が縮まっていた
どうやら、社会に出ると荒波に揉まれて性格が変化するみたいだ

今では高校卒業や大学卒業が当たり前になっている
つまり、教育期間の長さがわずかな性格の差を生み出した
だが、社会に出れば、楽しい経験、苦しい経験などを経て、最終的には似通った性格になるようだ

結局のところ、世代による性格の違いはない
団塊の世代とZ世代でスマホの使い方をテストしたら、後者が圧倒的に勝つだろう
これは、単純に触れている時間が長いからだ
あくまで技術の差である

世代による技術の差はあっても、性格の違いはない
技術の違いと性格の違いをごっちゃにしてはいけない
性格の面では、100年前から何も変わっていないようだ

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参考文献
Acting Like a Baby Boomer? Birth-Cohort Differences in Adults’ Personality Trajectories During the Last Half a Century
https://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/09567976211037971

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