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ショートストーリー風エッセイ④「サムライジャパンについて」

 ここ近年、日本代表と名のつくスポーツチームに日本人が少なくなった。ジェンダーや偏見の話をするわけではない。そもそも、日本国内に日本人が少なくなったのは事実だ。街を歩いていても、「hello」やら、「ニーハオ」やら、日本語では無い挨拶が当たり前のように飛び交っている。

 野球日本代表が「サムライジャパン」と呼ばれていたことを知る日本人は数多くいる。街頭アンケートでも知っているが90%と注目度が高い。いまだに日本人が江戸時代のお侍さんみたいに着物を羽織って、ちょんまげをしている、と思っている外国人は大多数いるそうだ。「野球+侍」組み合わせもさることながら、その愛称は非常に響きがよい。ただ、そこまでサムライを名乗るなら実際のところどこまで似ているのかは気になるもの。もし、試合中外野フライを落球した場合、本家のように城主とも言える監督から切腹を強要されたのだろうか。

 命がけでスポーツをしたと言っても、負けたとしても死ぬ必要はない。命まで取られることはない。スポーツに、大切な命を捧げてはいけないのだ。真の「サムライジャパン」とは、スポーツマンシップであり、日本人が大切にしてきた「潔さ」や「誇り」ではないだろうか。時には諦めも必要だ。

 それにしても、野球日本代表の新名称「フレンドジャパン」とはあまりにも緩すぎないか。

【了】








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