振り返る日々
天気予報は冬型の気圧配置
少し北風が強くなる今日が
強い日差しと冷たい風で
木々を軽く揺らしている
空を流れる雲の波は
過ぎた日を思い出すのにあまりある
開け放った窓から見えた景色を
幾度積み重ねれば明日がくるのか
誰かが思い出を語るとき
私もまた過去を振り返る
後悔と無力感の波の上に
取り戻せるものはなにもないのに
初めて結ばれた朝や
暑さの中漂った日の夜
思い出は美しくなりすぎるから
残された者の自責だけが浮かぶ
高熱にうなされているかのように
いつも美しく現実はつきつけられる
そのたびに口をつぐむしかなくて
ただ時間だけが過ぎ去っていった
言葉を紡いでもそうしなくても
戻れない道の上を歩いていく
それくらいしか償う術がないんだ
残念ながら
木枯らしが胸を撫でていく
枯れないかなしみをなぐさめるように
ひとところに留まらない空の下で
私は俯いたままのエゴを握り締める
(2023.11.14.12:49)