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移りゆく日々の、ささやかな幸せを拾い集めるようなnoteを作りたい。

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最近の記事

隠れ家な本格派。

みんな、生きてる? と、新卒の同期たちに安否確認したくなるような、てんやわんやな毎日。 日中一人っきりで外回りをする不安、詰めの甘い自分への落胆は尽きない。 大人の階段を一段一段、登っていることを実感する日々である。 そんな中、毎日のランチタイムには全ての雑念から逃れて、ごはんだけを楽しむ。 最近、密かにお気に入り認定したお店がある。 通りに備えられたチョークボードをよく読まなければ素通りしてしまいそうな、 ビル二階にひっそりと店を構える、本格中華料理店。 一見ちょっと強

    • 四角いバターを、そのままで。

      知らず知らずのうちに、食べものに味のコントラストを求めるようになったのは、いつからだろうか。 ショートケーキには、コーヒーを。 こってりラーメンには、ねぎの薬味をたっぷりと。 まろやかなプリンには、パリッと表面をカラメリゼして。 「甘い」お菓子というだけで手放しに歓喜できた子供時代から一変、ひとつの味覚にぬるま湯の如くどっぷり浸かっていられることは、限りなく少なくなった。 これを「大人の味覚」と称するか。はたまた、飽きっぽくなったと分析するか。 そんな疑問も頭を擡げるな

      • 店の在り方は、店主の生き方。

        お仕事にてようやく独り立ちを果たし、 ひとりで車を運転して街に出るようになり早2週間。 そんな私の昼食はというと、 もっぱら、家から持参する手作り弁当。お財布にやさしい。 とは言っても。 地元を飛び出して都内で働いている関西人としては、 車を走らせながら目に入る数々のお店を前に、 「せっかくだから美味しいものを食べておきたい」精神を はたらかさずにはいられない。 お仕事の引き継ぎを行なった先輩方からも、 「ここの料理が絶品」だの「ここは一人で入りやすい」だの 有力グルメ

        • 大人の味覚と、遊び心。

          三軒茶屋の本屋さんにて、ときめいたお話。 人がぽつりぽつりと入ってきては、思いおもいの一冊を買ってカフェスペースで読みふける。 本のセレクトにセンスが光る、ゆるやかな時間が流れる本屋さん。 私も、これと決めた一冊とともに席に着く。 注文したのはサンドイッチとドリンクのセット。 ドリンクは、悩んだ末にクリームソーダに。 お姉さんの控え目な「お待たせしましたー!」とともに登場した、 その名も『たそがれクリームソーダ』。 セットで頼んだにもかかわらず、主役級な可愛らしい格

        隠れ家な本格派。

          前世はきっと、ロールキャベツ系男子。

          ほら、美味しそうでしょ。食べたくなるでしょ。 と主張してこない控え目なお料理の隠れた魅力に気づいてしまうと、 途端に心躍ってしまう、ということがある。 そんなお料理の代表格みたいなオムライスに出会ってしまった、 昼下がりの商店街。 下町の人々で賑わう通りの片隅、階段を登ってふらっと入った軽食喫茶。 喧騒を抜け出して昭和の空気に飲まれる。 オーダーしてしばらく待つと、 きちっと丁寧に卵に包まれたオムライスが登場。 ぴったりと薄く広げられた卵に、プツッとスプーンを入れると

          前世はきっと、ロールキャベツ系男子。

          フードエッセイスト、と名乗りたくて。

          こんにちは。あるいは、こんばんは。 フードエッセイを書き始めました、cocoです。 日ごろ、食べものに救われている、 と言うと少し大袈裟だけれど。 灼熱の真夏日の救世主、コンビニアイスバーは、 かぶり付いた途端スーッと染み渡って、クタクタな私を生き返らせてくれる。 ホッとするような泣きたくなるような、変わらない実家の味が無性に食べたくなる日がある。 はたまた、特別な日に食べにいった、ちょっと背筋が伸びるような回らないお寿司屋さんの味も、きっと一生忘れられない。 ちょっ

          フードエッセイスト、と名乗りたくて。