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若林正恭さんへ

表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬 を読んで 


私はテレビをあまり見ないので、若林さん(こうお呼びすることをお許しください)をオードリーのピンクの人じゃない方の人、としか認識がなかったです。

若林さんがどのようなお考えをお持ちでどんな方なのかまったく知らずに本を手に取りましたがほんの数ページで、まいった、すみませんでした、となりました。

若林さんはお勉強をされています。家庭教師をつけて社会のしくみを知ろうとなさってます。まずこれにやられました。

格差や貧困。競争。新自由主義という人間の作ったシステム。疑問を家庭教師にぶつけ、秩序を立てて深く考えていらしゃいますね。

「先生、知ることは動揺を鎮めるね!」「若林さん、学ぶことの意味はほとんどそれです」ここからキューバーに行くわけですが、ここまでですでに若林さんという人物に惹きつけられてしまいました。

若林さん あなたは人見知りなんですね。キューバでの人との係わりの奮闘ぶりに心を打たれました。

苦手意識があっても自分から近づこうと努力していらっしゃいます。ガイドさん、エダジマとの交流やアイスランドでの日本人との関わりを正直にお書きになられ楽しく読みました。

思索もいいですが、海外での人との係わりが私は好きです。下手な英語であっても。

英語もあまり通じない、スペイン語でしたね。私はスペインに行く機会があり日本人は私たち夫婦ふたりという状況でしたので行く前に私たちもスペイン人の家庭教師にきてもらいました。簡単なスペイン語を習いました。結局、オラ!しか使わなかったですが。

キューバといえば 私はヘミングウェイとゲバラですが若林さんはそれほどゲバラ愛ではないのですね。私はゲバラ好きです。夫が元革命家なので感化されてしまいました。本も読みましたし映画も観ました。

ゲバラの目が「命を使っている」と書かれてました。若林さんは「命を延ばしている」と。

この表現なるほどなと思いました。私も命は使っていなくって、伸ばしています。私は命使えるのかな。これからどう生きるのかな。

お父さまのお話に心が動かされました。私も同じ時期に父を亡くしてます。お父さまが亡くなる前に食べられたパフェ。

私の父はメロンでした。父ももう何も食べられない状態でしたが母が最期に食べたものと同じメロンを食べるんだ、と言い出しました。ああ、父も最期とわかっているんだなと涙したのを思い出し、パフェで泣いてしまいました。

若林さんのお父さまを思う気持ちと私の父の思い出が重なりました。同じ2016年春です。

若林さんがご覧になったキューバーやモンゴル、アイスランドに触れることができ私も少し世界を覗けた気分になりました。

本を読むということは、その人を知ることでもあるんですね。私はあなたを知ることができました。

人見知りで、ちょっと面倒くさいぐらい思索される真面目な方。

そうそう 私の教え子にも若林さんと同じ世界で頑張っている子がいます。土佐兄弟と言います。ゆうきくんも恥ずかしがり屋さんでした。若林さんと同じ中央区出身です。

若林さん お笑いの方が書いたものだからと思って読書に臨んですみませんでした。他にも著書がおありなんですね。読んでみたいと思いました。もっとあなたを知りたいと思いました。

若林さんの今後のご活躍を応援しております。テレビで拝見するたびドキドキになってしまいそうな予感が致します。

読んでいただいてありがとうございました。

note公式 おすすめ 392  (2020/11/30 06:05)

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