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みどりのゆび/モーリス・ドリュオンを読んだときチトの頭で考えたこと

あんまり純粋な物語なので、いまわたしのこころのなかは、チトが入っていった雲のように柔らかで白くて清潔まっさらです。
なんだかシーツかお布団の宣伝みたいですね。

挿絵の花が活き活きと美しいこと、人の姿があいらしいこと、そして『子どもには冒険物語だけでなく、このような本や、例えば星の王子さまのように、詩的な物語も必要である。』という訳者の言葉が心に残りました。
詩的な本、すてきだなあ。

マクドナルドとか、幻想文学が、時々、本棚に並んだたくさんの本の中にあると、そう、チトの種のように、機を見て力強く芽吹く。それは冒険物語のような実在の高揚感ではなく、空想の高揚感です。
詩的な本は子どもに想像力を与え、冒険物語は子どもの想像力を伸ばし、またその繰り返しで、子どもは想像力を豊かにし、創造力を得るのだと思います。

本棚はその人の人生や人格を表すので、とても好きで、また、気を遣っています。あまり機会はないけど、よその人の本棚を見るのも好き。

チトが天使なら、ムスターシュおじいさんはチトに道を示す神様だったのかな、とも。戦争で美しい庭を壊された経験がそのことを暗喩している気がします。

しかし、読んでいる間にチトのことが大好きになったので、冒険物語好きとしては、大きくなったチトとみどりのゆびの、冒険物語も読んでみたかったなあ!

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