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【読書レビュー②】宮部みゆき「理由」

こんばんは。PisMaです。

本日も宮部みゆきの「理由」を読んでいきます。
情報量がとても多く、内容をかいつまんだ第二章の要約がメインです。なるべく簡潔にまとめられる様頑張ります。

二章からは「荒川の一家四人殺し」の経緯がわかってきます。

舞台はヴァンダール千住北ニューシティ。
バブルの始まりの頃から建設予定が立ち始め、合成染料製造会社ニッタイの土地をパーク建設という建設会社が買いつけて建設した高級マンションです。
東西両タワーからなる永住型分譲マンションは、期間中に全て買い手が決まる大人気な物件でしたが…中には人がなかなか居付かない、いわゆる縁起の悪い物件も。ヴァンダール千住北ニューシティ・ウエストタワー二〇二五室。
後に「一家四人殺し」の事件が起きる物件です。


その日は平成8年6月。
日付が2日に変わったような時間。


酷い雷雨のなか帰宅してきた、ウエストタワー二〇二三号室に住む葛西美枝子の証言から始まります。
自室の階に向かうためエレベーターを待つものの、なかなか自分のいる階へ辿りついて来ない。夜も遅いし、非常階段で手っ取り早く登ってしまおうかと考えたところでエレベーターがやってきます。エレベーターの中に乗り込むと、足元に血溜まりが出来ているのを発見。
ここだけで結構怖い気がするのですが、発見した葛西美枝子はなかなか冷静で「誰か怪我人が居て、それを運び出すためにエレベーターが遅れたのだろう」と考えます。

自分の部屋のある階に着き、部屋へ向かう途中で二〇二五号室の玄関の門扉に血痕がついているのも確認。うっすら遠くから救急車のサイレンの音が聞こえることも手伝って、「怪我をしたのは二〇二五号室の人だな」と推測立てました。そして美枝子は、二〇二五号室の半開きになった扉の奥で人影を確認したと証言します。
この証言は今後どんな意味を持ってくるのでしょう。

ところ変わって別の視点、ウエストタワー一二二五号室。救急車を呼んだ佐藤義男一家。
長女彩美が窓を覗いたところ、目の前を落ちていく人間が通り過ぎたと言う。若い男。
義男は落ちてきたであろう頭上を確認したものの、手がかりになることは何も見つけられなかった。世帯主の義男は一階の植え込みまで降り、警察を管理人の佐野と待つこととなります。

救急車は呼んだもののまだ一一〇番をしていないというわけで、「飛び降り自殺があった」という名目で管理人の妻が通報することに。
5分程度でパトカーが到着。だいぶ早いなと感心した義男でしたが、警察はなんとも突拍子のない発言をします。

「通報があったのはこちらですね?喧嘩で怪我人が出ているようですが。」

あっけに取られ、飛び降りだと伝えると警官たちは動揺した様子でひそひそと仲間内で相談をしている様。

手違い。

一一〇番通報は、この夜に2件届けられていたのでした。
ざわざわとマンション内が動揺が広がるなか、なぜ2件の通報があったのか原因を探っていくと…葛西美枝子の証言から、二〇二五号室に未だ異常があることに警察は気付きます。
二〇二五号室の住人は小糸夫妻。夫の信治、妻・静子、息子・孝弘から構成される三人家族です。
警察が管理人と共に二〇二五号室へ向かうと…そこには年配者の死体と、頭を割られて絶命している男女の死体。
管理人は死体が小糸夫妻かと尋ねられますが、顔が見えないため釈然としません。
死んでいる人は誰なのか。一体誰がこんなことをしたのか。何も明確なことがわからないまま、管理人は不安な気持ちのまま警察の指示を聞くのでした。


捜査がここから始まっていくのですが。
誰もこの3人が、小糸夫妻とは全くの別人だということは予想だにしていなかったのです。

時間に違和感のあるエレベーター。
どこから落ちてきたのか分からない死体。
喧嘩の通報をした謎の電話。
そして、まるっと取り替えられた二〇二五号室の住人。
「荒川の一家四人殺し」のはずなのに、1人描写少なくない?という私の読み間違いの可能性。

謎が謎を呼ぶ展開ですが、続きはまた今度。

お相手は黄緑の魔女PisMaでした。
隣人が取り替えられている恐怖。

おやすみなさい。

PS.植え込みに落ちていった落下死体のことを忘れていました。落下死体と部屋にあった3人の死体で4人殺しですね。恥ずかしいです。

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