大人の日本語ボランティア 4

今回はベトナム人の男女3人に
希望・願望の表現「~たい」を説明しました。
まず助かったのは、3人ともほぼ同じくらいのレベルで、
同じ内容を一生懸命学ぼうとしてくれたことです。

その中で気になることが2つありました。

①説明中のできごと

 自分の希望を伝えるときに「~ます」から「~たい」に変換する旨、
説明をしている時、どんなことでも「はい」と言っていました。
本人はあいづちとしての「はい」のつもりだったのかもしれません。
ただ、私の方は「分かっているのか?」と不安になりました。

はい、(理解しました)。
ではなく、
(なんとなく)はい。
と、軽い返事だろうなと推測しました。

日本語の特徴でもあるかと思います。察する。
日本語教育能力検定試験の聴解にも出題されそうな内容。

学習者:先生、チョコをあげます。
先生:甘いものはちょっと・・・(苦手なんだよな)。
学習者:どうぞ、食べてください。
先生:あ、ありがとう。

過去問であったように、カッコ内を察することができたらと
悔やまれるケース。そうは言っても、私の推測も
思い込みであって、間違って困らせるケースもあります。
日本語は難しいと思われる一因だと思います。
ただ、お互いにとってのベストを探るための作業だと思うので、
人が人を想うこの行為は、日本語の好きな部分です。

結局、プリント問題をしたり、行きたい、勉強したいなどと
会話していくうちに「わかりました」と言ってきたので、
「はい」は軽いあいづちだったのだなと感じました。
今日わかったことが定着してくれると嬉しいです。

②学習者のノートの中身

 ベトナムの方々は同じ機関で勉強をしているのか、
同じ教科書を使っていることが多いと感じます。
ある方は「先輩にもらった」とおっしゃっていて、
時々レベルに合っていない教科書で勉強しているのを見かけます。

今回、学習ノートと照らし合わせて勉強した方もいたので、
その中身を見ることができました。
なぜ?と思ったことはます形の「Vます」の記述。
英語圏ではないのに、なぜVで教わったのだろうか?と。
教科書にもVますと書いてあり、鵜呑みにしている可能性大。
SVOであったり、NはNですのように、
英語に一度変換しないと理解できないのが日本語?
教科書選びも今後を左右する大事なことのように思いました。
定型文・・・受け取る側が寛容であれば必要のない文だと思っています。
定型じゃなくても笑って済ませられる日本社会がいいです。
ひらがな、カタカナ、漢字、アルファベット、いろんなものをくっつけて
表現できる自由な日本語が好きです。
Chào ございます。もいいです。
「何それ?分からないから教えて」と笑って言いたいです。
「朝のあいさつは、おはようございます、ですよ」というのが日本語教育なら、発展がない日本語になってしまいそうです。

そうは言っても、現実で必要なものは定型文や敬語。
学習者の希望に沿って教えていくのが大事だと思います。
自分の考えと相反する日本語の仕事、
覚悟や気持ちの整理が必要そうです。

















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