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最低限のプロットのつくり方・中編

最低限のプロットのつくり方・中編です。

前編はこちら。



プロット最初の一歩

前回ご紹介したように、物語は「問題を解決する過程」です。

典型的な長編は四章構成で、章の終わりに問題が解決し、次の章に進みます。

ですので、長編では4回、「問題とその解決」が起こるわけです。


図で見るとわかりやすいでしょう。

盛り上がっているところが、問題を解決する地点です。

4つの問題解決


プロットづくりの最初の一歩は、この4つの問題を考えることです。

問題を決めるだけで、物語のおおまなかな流れは決まってしまいます。


例を交えながら、どう考えていけばいいか見ていきましょう。


話の流れをざっくり考える

最初に話のネタをAIに出してもらいます。

あまり詳細を出してもらってもやりにくいので、主人公だけ出してもらいました。

ユウジ:若き野心的なシェフ。世界中を旅して料理の腕を磨いてきたが、故郷に戻り自分のレストランを開きたいと考えている。

ChatGPTの出力


なるほど……まずは話の流れをざっくり考えてみましょう。

単純な話にしたいので、最後に店を開いて終わりでいいと思います。

その後の店の繁盛ぶりなどは、エピローグで処理すればいいでしょう。


この話は、店を開くのがゴールです。

ですから作者の仕事は、店を開くことを邪魔して主人公をゴールさせないことです。

その邪魔が「問題」ですね。


主人公の性格に起因するような問題、また周りの人間が起こす問題、環境による問題などを適宜混ぜて、店を開くのを邪魔しましょう。

主人公はその邪魔(問題)を乗り越えて、最後に店を開くのです。

これでおおまかな方向性は見えたと思います。


問題を考えていく

では、具体的な問題を起こして主人公を邪魔していきましょう。

4つの問題はだいたいこんな感じで考えるといいです。

  1. 最初      :ちょっとした問題

  2. 中間地点    :できればちょっと大きめの問題

  3. 3つ目     :そこそこ大きな問題

  4. クライマックス :すごく大きな問題


1.クライマックスから考える

どこから考えてもいいですが、私はだいたいクライマックスから考えます。

クライマックスは、なんでもいいので、舞台を大きくしてしまうのが簡単です。


詳細は後で決めるとして、とりあえず最後は料理大会にしてみましょう。

店を開くための資金がないため、料理大会で優勝してお金を作る、といった感じにすればいいと思います。

  • クライマックス: 料理大会で優勝し、開店資金を得る


2.中間地点の問題

ところで、資金もないのに店を開きたいなどと言いだすのもおかしい気がします。

おそらく、ある程度の開店資金を貯めていることでしょう。


ですから、どこかの時点で騙されて、資金を奪われてしまうのがよさそうです。

すると、最後に大会に出る理由もはっきりします。


中間地点はわりと大きめの問題が起こった方がいいので、ここでお金を騙し取られることにしましょう。

  • 中間地点: 信用していた人物に資金を持ち逃げされる


3.最初の問題

最初の問題は小さな問題で構いません。

たとえば、どこかのレストランに入ったら、有名な料理評論家が料理に難癖つけているところに出くわすとか。

主人公が評論家の間違いを指摘して、店の主人に感謝される、といった程度で充分です。

  • 最初の問題: 料理に難癖つけていた評論家を論破する


この評論家が、悪役としてずっと出てきてもいいですね。

資金を持ち逃げされた事件も、この評論家が裏で動いていたとか。


4.3つ目の問題

最後は3つ目の問題です。

資金を持ち逃げされ、主人公は無一文になり、自暴自棄になります。

おそらく、彼を見かねて声を掛けるのは、最初のレストランのご主人でしょうね。

主人公は渋々、そのレストランの住み込みバイトとして厄介になるとか。


ここは、主人公の成長に繋がる問題が起こるといいかもしれません。

たとえば、常連客に「ぜんぜん美味しくない」と言われてしまうとか。

そこで何か気づきがあるとよさそうです。

  • 3つ目の問題: 料理にダメ出しされ、自分の間違いに気づく


ひとまずまとめると

さて、ここまでで、ひとまず4つの問題を考えました。

まとめるとこうですね。

  1. 最初の問題:  料理に難癖つけていた評論家を論破する

  2. 中間の問題:  信用していた人物に開店資金を持ち逃げされる

  3. 3つ目の問題: 料理にダメ出しされ、自分の間違いに気づく

  4. 最後の問題:  料理大会で優勝し、開店資金を得る

4つの問題


これだけでも、おおまなか話の外形がわかったと思います。

ですが、問題と問題の間に、理屈が通っていませんよね。

これらの問題がどう繋がっているかがわからないのです。
(決めていないので当然ですが)


ですから次の作業は、問題と問題の間を繋げることになります。

間に理屈を通すことで、問題同士をなめらかに繋げていくわけです。

すると、プロットはより詳細になっていきます。


さて、今回はここまでです。

次回は間を繋げて、理屈の通った滑らかなプロットにしてみましょう。


今回のまとめ

「最低限のプロットのつくり方・中編」でした。

  1. 4つの問題を考えるのが最初の一歩

  2. 話の流れをざっくり考える

  3. 1つずつ問題を考えていく

    1. クライマックスから考えるのがオススメ
      とにかく舞台を大きくするのが簡単

    2. 中間地点は大きめの問題を起こす

    3. 最初の問題は小さくていい

    4. 3つ目の問題はそこそこ大きめに

  4. 4つの問題を並べるだけで話の外形は定まる

  5. 次は問題の間を繋げていく

そもそも4つの問題を出すのが難しい方もいると思います。

それについては、別の記事で考えてみてもいいですね。

次回は間を繋げてプロットを滑らかにしていきます。

それではまたべあー。

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