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山桜の紅葉 ニケと歩けば

毎朝お会いするご婦人。ゆっくりと散歩を楽しまれています。
少し前まではニケのことをワンちゃんと呼んでいましたが、最近ラジオ体操で会う知り合いに「ニケちゃんと会う?」と聞かれてそのうわさの風貌?から名前を知ったそうです。

名前を呼ばれて「おや!」と言うようなしぐさのニケは二人の歩幅に合わせるようにゆっくり歩きます。坂になると何度かそのご婦人の方を振り返って「大丈夫?」とでも言いたげです。
山も所々赤く紅葉して、自然の移り変わりを見せてくれます。

最近見なくなったイノシシたちはちゃんと山で冬眠用?のドングリを食べることが出来たのでしょうか?

各地で熊の出現・ガレージにいた子熊が駆除されたと聞いて何とも切ないですが、そこに住む人にとっては害獣でしかないのでしょう。

そのご婦人が指さした先、山の中腹に山桜の木があります。
彼女がこちらに引っ越してきた時からあった木らしいですが何度も台風や、地滑りでそのあたり、たくさんの木々が流されたそうですが、小ぶりであったのが幸いしたのか今でもそこにあると言われました。

毎日その桜を見て過ごすとも言われました。今は桜独特の深紅の葉っぱはどの木よりも存在を示しています。

去年より少し前かがみになって腰をかばうような歩き方は坂の街に住むお年寄りにとっては辛いことなのか、丁度いい運動なのか、痛い痛いと言いながらも毎日の習慣を諦めることはなさそうです。

途中で町猫に餌を上げるおばさんに会いました。10か所以上のポイントで待つ猫たちに朝晩届けているそうです。

「エサ代だけでも大変!」と言いながらもおばさんの来るのを待っている猫の顔がちらついてこちらも「もう止めた。」とは言えないそうです。

何ともない朝の様子はそれがいつも同じと思っているのは私たちだけでしょう。

山も川も姿を変えて、動物は春には家族を増やし、秋には山で冬支度をします。

静かな坂道を二人と一頭は朝の光が黒い屋根を照らし遠くの三宮の高いビルの窓をなめるようにして映っていくのを話の合間に見ながら、それはいつもの風景とこのひと時の散歩を楽しみます。

溝にいくつかのドングリ。孫娘が見つけたらきっと小さな手に包んで持って帰ったことでしょう。「年明けに帰ります。」とラインが来ました。

今日もいい日にしましょう!



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