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Vol78  NPS(R)と相関が強いブランドイメージは?

                            (2023年6月)

金融ソリューションチームコラムの第78弾をお届けいたします。

今回のコラムでは、顧客評価指標のNPS※1(推奨意向)とブランドイメージの関係性について、分析した結果をご紹介いたします。

皆さまの中で、以下のお悩みはないでしょうか。
・NPS※1評価を毎年測定しているが、そもそも企業の収益や企業イメージUPにつながっているかわからない

NPS※1が上昇すると、どのようなブランドイメージに寄与するのか?
また、「どのブランドイメージ項目がNPSに寄与するのか?」を弊社自主企画調査の「金融METER(R)」※2「ブランド戦略サーベイ」の2つの調査から紐解いていきます。(今回のコラムでは、2つの調査概要の説明は割愛させていただきますが、詳しく知りたい方はメール文下のURLからご確認いただく、または、弊社担当者にご連絡ください)

▼分析内容
「金融METER」※2と「ブランド戦略サーベイ」の両方で測定している金融機関36社について、利用者の金融機関に対するNPS(推奨意向)※1と利用者の以下ブランド5項目の相関を分析しました。

①購入・利用意向(企業の製品・サービスを「購入・利用したい」と思うか)
②自分必要度(企業は、あなたにとって「なくてはならない」と思うか)
③独自性(企業の姿勢や製品・サービスなどから、ほかの企業と違う「独自性」を感じるか)
④愛着度(企業の姿勢や製品・サービスなどから「愛着」を感じているか)
⑤プレミアム(ほかの企業と価格差があっても、製品・サービスを「購入・利用したい」と思うか)

※対象の業態は、都市銀行、信託銀行、ネット・流通系銀行、地方銀行、証券会社、生命保険会社です

▼分析結果
全業態の特徴をみると、NPSと最も強い相関は③独自性(相関係数:0.69)ですが、業態別で違いがみられました。

業態別で高い相関(相関0.7以上)をピックアップすると、以下の結果となりました。
<業態別>
都市銀行<4行>:④愛着度(相関係数:0.94)、①購入・利用意向(相関係数:0.79)
信託銀行<5行>:③独自性(相関係数:0.75)
ネット・流通系銀行<7行>:⑤プレミアム(相関係数:0.70)
証券会社<7社>:①購入・利用意向(相関係数:0.82)、②自分必要度(相関係数:0.83)、③独自性(相関係数:0.83)
※生命保険では、NPSと強い相関の項目は見られませんでした

▼結果の解釈
都市銀行では、日常利用が浸透しているため、愛着度=身近さがポイントとなり、信託銀行、証券会社では、独自性=差別化がポイントになるかと考えます。

金融機関はサービスの特性上、なかなか差別化が困難となりますが、いかに顧客にとって、「その企業でないといけない」のかの理由がつくことにより、企業の評価にも影響が生じてまいります。

毎年顧客評価を測定していると、どうしても指標の数字の変化を追ってしまいますが、指標の変化が何を意味しているのか、どういう影響があるのかを
あらためて把握することも重要と考えます。

今回の相関項目は一例となりますが、今後も皆さまのお力になれるよう分析を進めてまいります。
ぜひ、指標との関連性について、現在ご検討されていることがございましたら、ご意見いただけますと幸いです。

また、6/27にインターナルブランディングに関するセミナーを開催いたします。ご興味ありましたら、ぜひご参加いただけますと幸いです。
詳細お申込みは以下でご確認くださいませ。
https://service.nikkei-r.co.jp/seminar/brand_id42

【金融METER】※2
https://service.nikkei-r.co.jp/service/finance/meter

【ブランド戦略サーベイ】
https://service.nikkei-r.co.jp/service/bss/brand-strategy

※1 Net Promoter(R)およびNPS(R)は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。
※2 金融METER(R)は、日経リサーチの登録商標です。
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日経リサーチ 金融ソリューションチーム finsol@nikkei-r.co.jp
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