おすすめ度　★★★★☆

話題の本

2年ほど前から性教育に関して勉強していて、子どもにもしっかり教えるようにしている。
娘は小学生になる前から子どもがどうやってできるか知ってるし、子どもたちと生理・妊娠・出産のエピソードも共有している。
性的な質問もタブーにしていないので、子どもたちからバンバンされている。

話しにくいことや知識が足りないところは、本を積極的につかう。
この一冊もそのひとつで、特に同意にフォーカスした一冊になっている。

性的同意に限らず、同意は相手とのコミュニケーションを取る上で重要なものだ。
同意が自分を守り、相手を尊重する大切なものだということをわかりやすく説明してくれている。

この本を読むべきは大人のほうだ

他の子供向け性教育の本でも、知らない人に嫌なことをされたら「いやだ！」っていっていいんだよ、とか、自分の体は自分のもの！レベルの同意の話はでてくる。
しかし現実的に難しいことも多いと思う。
経験的にも「同意」を蔑ろにされることは多い。特に女性として生きていると。

結論から言うとこの本も、現実との乖離はまだ大きい。
でもそれは、現実の方に問題があるからだ。
大人たちが同意の重要性を理解していないからだ。

嫌よ嫌よも好きのうち、とか
見てほしいから短いスカートはいてる、とか
笑って受け流すのが大人の女だ、とか。

最近は堂々と言う人も減ってきたけれど、そんな旧時代の考え方の大人こそ読ませたい。
ここまでわかりやすく書いても理解できないのなら、ほんともう…さっさと滅びろって思う。

そこまでいかなくても、「同意が大事ってのはわかるけど現実的には難しいよね」と諦めている私のような大人にも、間違っているのは現実だと気づかせてくれる。

同意には練習が必要

具体的な同意の仕方も書いてある。
「相手の気持ちをよく聞く」「自分がどう思っているかはっきり言う」などシンプルな書き方だ。

とはいえ、うまくいかないことも多々あるはずだ。
だから、練習が必要とも書いてある。

同意は一日にしてならず。
日々自分や相手を尊重し、同意をとるように心がける。
まずは自分を変えていかないと、周りを変えることも難しい。

嬉しかったこと

子どもたちも本を読んでいた。
小1の娘には、読めない漢字も多くて（全部にフリガナがあればよかったのに。それはちょっと残念ポイント）一人で読むのは大変そうだった。
基本は一緒に読んで、漫画やイラストが楽しかったので気に入ったらしい。

小5の息子は、感想を聞かれるのが好きではないので静観していたのだけど、本を持ってソソソとそばに来た。

「あのさ、お母さんって結構こっちのタイプだよね、いいよね」と言ってくれたのだ。
え…嬉しい…！

日頃から、子どもに自分で考えて決めるように促していたし、意思を尊重するように心がけてはいるけれど
実際はうまくやれないことも多いし、怒って従わせてしまうことだってあるのに…
そう思ってくれてるんだ〜うれしい〜♪♪♪

何よりわざわざ私のところに来て、それを伝えてくれる気持ちが嬉しい。いい子や、いい子に育ってくれたなぁ。ありがとう。