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【雑記】ウクライナ戦争、3年目に突入

こんにちは、ニコライです。今回は【雑記】です。

今日は2月24日、今年もこの日が来てしまいました。2年前の今日、プーチン大統領が「特殊軍事作戦」を宣言し、ロシア軍がウクライナへと侵攻を開始しました。戦争は長期化するだろうと予想していましたが、今年でいよいよ3年目に突入してしまいました。昨年から始まったウクライナの反転攻勢は膠着状態に陥っており、戦争はまだまだ長引きそうな雰囲気です。

最近の変化といえば、欧米諸国で盛んに「支援疲れ」が叫ばれるようになったことでしょう。ハンガリーでは表立ってウクライナ支援反対を唱えるオルバン政権が樹立しましたし、米国でも、新しいウクライナ支援案に共和党が反対し、支援が先送りになってしまっています。

こうした中、「ウクライナは現状で妥協し、ロシアと停戦すべし」という声も高まっています。こうした意見は支援国だけでなく、ウクライナ国内でも聞かれるようになっており、最近の世論調査では、「平和のために領土を諦めてもよい」と回答した人19パーセントと、これまでの2倍近くに増えています。戦争の長期化に伴い、国内外で厭戦気分が広がっているということでしょう。

しかし、それでも僕は、世界はウクライナを支援し続けるべきだし、ウクライナは妥協するべきではない、と思います。

第一に、現状で停戦した場合、ロシアはさらにつけあがる可能性が高いからです。1938年、ナチス・ドイツがチェコスロヴァキアからズデーテン地方を割譲したとき、英仏は非難はしたものの制裁を加えなかったため、国際社会はドイツを止められないとヒトラーは判断し、その後のポーランド侵攻につながりました。もし現状のラインで停戦した場合、ロシアも同じように考え、周辺国へさらなる戦争をしかけるだろうことは十分に考えられます。それはウクライナへの再度の侵攻かもしれませんし、国境を接する別の国に対する侵略になるかもしれません。そもそも、今回の戦争自体が、2014年のクリミア併合で味をしめた延長にあるのですから。

第二に、現状のラインで停戦したとしても、ロシアの占領下に入った地域に平和が訪れるとは考えづらいからです。2022年3月には、ロシア軍占領下のブチャ民間人に対する組織的虐殺が行われましたし、ウクライナ人の子供たちがロシアへと拉致され、洗脳教育を施されているという話もあります。そして、忘れてはならないのは、ロシアはそもそも「非民主国家」だということです。先日亡くなったナワリヌイのように、これまで反体制活動を行って暗殺された人は数知れませんし、政府に目をつけられた団体は徹底的に弾圧されます。占領下のウクライナ人の行く先は、決して明るくありません。

第三に、武力による国境変更が認められれば、それは世界にとって、そして日本にとっても不利なことだからです。領土紛争分断国家は世界中いたるところに存在します。もし、停戦によってロシアの占領地域が正式にウクライナから放棄された場合、そうした世界の紛争当事国がロシアに倣え武力行使に訴える可能性は十分にあります。もちろん、日本もそうした領土問題を抱える国だということを意識しなければなりません。僕はうかつに「台湾有事」だとか「次は北海道だ」とかいうつもりはありませんが、日本もリスクを抱えることになるということは頭に入れて置いたほうがいいと思います。

そして、第四に、ウクライナの勝利はロシアを変える可能性があるからです。先ほども述べたように、ロシアはプーチンが独裁者として君臨し、言論弾圧が行われ、反体制活動家は平気で暗殺される「非民主国家」です。選挙は行われても不正だらけ、野党候補には当局から嫌がらせが行われ、そもそも出馬さえ認められないケースがしばしばです。つまり、正攻法でロシアを変えるのはほぼ不可能なのです。しかし、もしロシアがウクライナに敗れれば、どうなるでしょうか。やや楽観的過ぎる見方かもしれませんが、アフガニスタンでの敗退がソ連崩壊のきっかけのひとつとなったように、プーチン体制は国民から一気に見放され、瓦解するかもしれません。

では、私たちに何ができるのか。寄付などの支援とともに重要なのは、ウクライナを忘れないことだと思います。目まぐるしく変わる世界情勢によって、ウクライナでの戦争はアッという前に過去の出来事になってしまっている感があります。こうした流れに抵抗し、ウクライナの話題を積極的に出し、ウクライナに関する書籍を読み、風化させないことこそが最大の支援ではないでしょうか。

一日も早い戦争の終結、ロシア軍の全面撤退、占領地域の解放を願います。

Слава Україні!(ウクライナに栄光あれ!)

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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ウクライナの歴史については、下記のマガジンでまとめています。よろしければご覧ください。


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