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新入社員にも届け!何かと聞くけどCXって実際どうなの?「CXデザイン」の全体像と重要性やポイントをまとめてみたよ!

みなさん、こんにちは!Goodpatchの服部(@machori616)です。

突然ですが、マーケティング業界やデザイン業界の新入社員のみなさん!ご入社おめでとうございます!
また4月からマーケやプロダクト開発、CSなど新しい部署に配属されたみなさん、もう慣れましたか?

そろそろ研修期間終わり(新入社員のみなさんは)、各々最前線へと送り出されていっている感じでしょうか?ボクも数十年前に経験しましたね。

さて、世間ではChat GPT がざわつかせている中ですが、今日はみなさんも業界的に避けては通れない2000年くらいからジワジワ重要度が増しているCX(カスタマーエクスペリエンス)デザインについて、自分の頭の整理として書いておければと思っております。

あっここに書かれていることが全て正しいワケではなく、あくまでCXデザインの全体像を知るキッカケとしてお役に立てればなと、先輩に聞かれた時の足しになればよきかなと思っております!w それではどうぞ!

CXデザインとは?

まずはじめに、「CXデザイン」の概要から見ていくと
CXデザインとは、ユーザー体験を重視した商品やサービスの設計・提供に焦点を当てたデザイン手法のことです。CXとは、Customer Experienceの略で、顧客が商品やサービスを利用する際に得られる全ての体験(購入前〜購入後のあらゆる体験)を指します。CXが良いと顧客満足度も一般的には向上し、リピート購入や口コミによる拡散も期待できると言われています。

CXデザインの簡単なイメージ

 CXデザインとは何か?

従来のデザインにおいては、見た目や機能性を追求することが中心でしたが、CXデザインでは顧客目線に立ち、顧客が抱える課題を解決することが優先となります。顧客が何を求め、何に困っているかを分析し、商品やサービスを利用する際に抱く感情や体験を可視化し、そのニーズに合わせて商品やサービスの全体を設計することが重要になってきます。CXデザインを取り入れることで、顧客が心地よいと感じる商品やサービスを提供することができ、企業の収益向上にもつながると言われています。

同じような言葉で「UXデザイン」というモノもありますがこちらは主にプロダクトにおけるユーザーの体験の質を上げるという位置付けにはなります。

CXデザインが重要な理由

CXデザインが重要な理由は競合が激化する中で、みなさんもお気づきだと思いますが自社の特徴を出したり他社と差別化したりすることが難しい状況になっています。。(🥺)そんな中で、顧客の満足度を向上させることで、ビジネスの競争力を強化することができます。

顧客が商品・サービスに満足していれば、その商品・サービスをリピート購入する確率も上がり、さらには口コミで周囲の人にその良さを伝える。なんてこともあります。また、顧客にとってわかりやすく、使いやすい製品やサービスを提供することができれば、企業のブランドイメージを強化することもできたりします。つまり、CXデザインは、ビジネスの成長に欠かせない要素であると言えますね!
ちなみに、顧客体験が良ければ、平均で顧客は4.5倍の支払いをするという結果も出ているようです。
CXデザインという言葉の前にUXデザインっていうのも重要だよね。ってどこかで聞いたけどそれとの違いはどこにあるの?という方は詳しくは下記のbtraxさんの記事も合わせて読んでみると理解が深まるかと思います。

CXデザインを導入するメリット

以上のように、CXデザインを導入することでビジネスに様々なメリットがあるため、積極的に導入していくことが重要だと言われてます。

CXデザインの施策について

ここまでの情報でもCXデザインに力を入れることが結果的に企業の成功に近づくことがわかりましたね!では、ここからは一般的にCXデザインに取り組む上でどんな施策が必要になってくるのかをサクッと紹介できればと思います!

顧客と繋がり・知る(発見・定義)

CXデザインのプロセスの第一段階は顧客と繋がり・知ることです。この段階では、顧客とのコミュニケーションを重視し、顧客のニーズや要望を理解することが目的となります。具体的には、以下のような方法で行うことも多いですが案件に応じて変化してくるでしょう。

  1. 顧客インタビュー:顧客に直接意見を聞き、要望や不満点を把握する

  2. フィードバック:既存のサービスや商品についての顧客からのフィードバックを集め、改善点を把握する

  3. アンケート調査や市場調査:顧客のライフスタイルやトレンド、競合情報などを分析し、顧客のニーズを把握する

  4.  顧客のデータ分析(NPS調査、9segs分析など)

  5. ペルソナ・カスタマージャーニーマップの作成・再整理

顧客と繋がり知る段階での成果物は、顧客のプロファイルや、ペルソナやCJMの再設計、サービスや商品のざっくりとした改善案や要求などが上がるでしょう。
顧客のニーズや意見を収集し、顧客が直面する問題を発見・定義することが全てのスタートに。

あらゆるタッチポイントのCXを考えデザインする

CXデザインの中でも特に重要なのがデザイン(広く捉えると設計という意味のでデザインもあるし表層としてのデザインという意味もある)のフェーズです。CXデザインにおいては、デザインする対象が製品だけでなく、店舗やECサイトの体験、プロダクトのUIや決済体験、コールセンターなど、ほんと多岐にわたります。そのため、デザインのフェーズは非常に重要な役割を果たします。

あらゆるタッチポイントがCXの対象となるイメージ

デザインを行う際には、ユーザーの視点を常に意識することが大切です。ユーザーが求めるものやペインやゲインに着目し、そこからサービスやブランド、プロダクトなどの顧客接点における改善点を発見し、デザインしていくことが必要です。さらにCXの場合は自社のBFC/SFCの棚卸し・可視化など自社の業務に関しても理想的な体験を描いておくことが必要です。

また、定性的な声はもちろんのことコロナ禍を経てまたオフラインでの行動が戻ってはきているので、販売チャネル(店舗、ECなど)のデータ、アプリのデータ、既存顧客のデータなどそれらの一見バラバラに見えるデータを統合し、そこから、お客さま一人一人の心理と行動を変える鍵となる体験を発見する。ということも難易度は高いですが、すでに実践している企業もいますよね。

デザインフェーズでは一度作って終わりということではなく、常にユーザーとのコミュニケーションを重視し、ユーザーからフィードバックを受け付けられる環境なども構築し耳を傾け、さらなる改善を行っていくことが必要でCXデザインを実践することで、ユーザーが求める最高の顧客体験を提供することが成功の鍵になってきます。

デザインしたものをデリバリーする

CXデザインデリバリーでは、製品やサービスが最終的に顧客に提供される時点を指します。

デリバリーにおいて重要なのは、製品やサービスが顧客ニーズに適合しているかどうかや顧客にとって価値があるものかどうかをチェックします。そのためには、顧客のフィードバックを集めることが欠かせません。

また、デリバリーの段階では、製品やサービスの使い方に関するトレーニングやサポートを提供することも重要です。SaaSビジネスでいうカスタマーサクセス的な意味合いですね。
製品やサービスが使いづらい場合や、想定されていた効果を得られない場合には、顧客が不満を持ってしまうことがあります。製品やサービスが提供された後も、顧客からのフィードバックを収集し、その内容に基づいて、製品やサービスを改善していくことが求められますので製品やサービスの維持や改善に向けたプロセスの確立も重要です。

サービスを改善していくアジャイルな開発プロセスの構築
著作者:katemangostar/出典:Freepik

顧客と向き合うサポート体制も整える

CXデザインの施策ではデリバリーしたものをそのままにはしておきません!顧客が製品やサービスを使用する過程で問題が生じた時に、問題を解決するためのサポート体制も顧客がサービスを選ぶ上で気になるポイントであるからです。

具体的には、比較的小規模からできるところだとFAQページの作成やSNSを通じたカスタマーサポートやチャットサービスを使ったケアなどが挙げられます。大きな施策ではカスタマーサクセス組織を新たに立ち上げたり、専用のアプリやLINEアカウントを開発しそこでのサポートも提供される場合もありますね。

 FAQページ事例/HISのFAQページ

HISラクスルなどFAQページを充実させて顧客対応品質向上を図っていたりしますね。
これらのサポート体制があることで、顧客が製品やサービスを安心して利用できる環境が整い顧客との信頼関係を築いていくことで、より選ばれ安いブランド、サービスとなっていくのでしょう!

CXデザインの具体例

なかなかの文字数になってきてしまったのでここからは控えめにいくとして昨今、CXデザインに力を入れている企業もたくさん出てきました。ググればいっぱい出てくるので代表的かつ身近なところで、みんな大好きスターバックスをご紹介


スターバックスのCXデザイン

スターバックスのCXデザインされているなーという部分を挙げてみると

店舗におけるインテリアやサウンド
全世界に展開するスターバックスの店舗には、それぞれ異なった雰囲気があります。コーヒーを楽しむだけでなく、ゆっくりと寛げる場所としても機能します。店舗の内装は、どこにいてもスターバックスだとわかるブランドイメージを重要視し、シックでモダンなイメージが定着しています。また、店舗内で流れる音楽も独自のプレイリストが用意されており、顧客がよりリラックスできるよう配慮されています。
どこにいても同じ心地よい体験が提供されるというのはまさにCXデザインですね。

店舗体験を高めるアプリ設計
専用のアプリをダウンロードすることで、商品の注文や会員限定の特典が受けられるようになっています。アプリ内でメニューをカスタマイズできる機能や、最寄り店舗の情報やストア内での待ち時間が確認できる機能、受取時間を確認して店に向かえば、カウンターですぐに受け取ることができるMobile Order & Payなど顧客にとって使いやすい機能が取り入れられています。

以上のように、StarbucksのCXデザインは、店舗やアプリなど、商品だけでなく、お店に来た顧客が快適で居心地の良い場所になるよう、様々な工夫がされています。

他にもCX向上に取り組む企業として有名なのは丸亀製麺NIKEニトリ星野リゾートなどあげればキリがありませんが、いずれにせよ顧客にとっては、店舗であろうとECサイトであろうと、同じブランドであることには変わりないのでチャネルやタッチポイントを横断した統一的なCXとは何かを模索し実践している企業は強いですね。

CXデザインを取り入れる際のポイント

「CXデザインがサービスやブランドの提供価値向上に良さげである。」ということはなんとなく理解できたところで、実際にCXデザインを取り入れようとする際、どんなところに気をつける必要があるのかをおさらい的な部分も多いですが挙げてみたいと思います。

1. 顧客目線で考えることが重要

顧客第一!

CXデザインを導入する際には、サービスの利益向上!、内部コスト削減!という目線も必要なのは確かではありますがやっぱり顧客目線で考えることが必要です。企業の都合の要件定義でサービスやプロダクトを構築しても、顧客が使いづらい場合は意味がありません。
顧客の視点に立って商品やサービスを設計することが必要です。

2.プロトタイプを作成しユーザーテストを実施

顧客が求めている商品やサービスを設計したら、プロトタイプを作成して顧客に試してもらいましょう。どんなに優れたデザイナー、クリエイターでも顧客の真意は顧客しか分かりません!
このプロトタイプテストを通じて、仮説ベースで設計したものが正しいのか機能は使われるのかなど顧客の反応を把握し、改善点を洗い出しサービスやプロダクトを顧客が欲しいと思うモノにしていきましょう。

3.継続的に改善を重ねていくマインド

CXデザインに限った話では、ないですがプロダクトやサービスの設計・デザイン・開発は継続的なものであると捉えられています。つまり、顧客ニーズは常に変化していくため、その変化に合わせデザイン、機能も常に改善していく必要があります。めげない気持ちも重要です!

4.1〜3を考慮したスケジュール設計

従来のサービス開発、プロダクト開発とは異なり世に出る前に顧客と向き合う必要が出てくるため、少し作る前段階でのタスクが多くなるのケースも多々あるかなと思います。これらCXをよくするプロセスも考慮したリリース計画を立ててあげることも気をつけてみておく必要があるかなと思っております。スケジュールがタイトすぎると実施メンバーへの負担も増え思ったようなアプトプットが出ない可能性もあるので、最大限の力が発揮できるスケジューリングを心がけましょう。

5.CX全体デザイン(設計)が難しい場合は、部分最適からでもOK

CXデザインを実施していく中でもちろん理想的な進め方としてはチャネルやタッチポイントを横断した統一的なCXとは何かを検討し実践することが望ましいと考えられています。
ただその場合だと、部署横断でプロジェクトを進める必要が出てきて部署連携が壁になったり、部署がない場合予算はどこから捻出するのか?など大きな組織であればあるほど動きが遅くなってしまうケースもあります。
その場合はCXデザインの思想は意識しつつ、自分が管轄している範囲から顧客と繋がり向き合うところからスタートしプチCXを改善・最適化する部分最適でも良いと思います。
その効果がやがて他の部署にも派生し全体最適にもつながっていくでしょう。(もちろん予算・リソースがあれば、最上流からゴリっと着手する手もありますよ)
実際Goodpatchにも顧客体験(CX)の向上をトータルで支援する案件も増えてきているので、CX領域でお困りの方がいらっしゃれば是非是非ご相談ください!


 CXデザインがもたらす可能性は我々次第?

最後にますます注目度や発展が期待されるCXデザイン界隈ですが可能性はもしかすると我々次第なのかもしれません。
今後の可能性について少し考えてみると以下のようなことが挙げられるかもしれません。

1. エクスペリエンスの個人化

顧客にとって最適な体験を提供するために、CXデザインには個人化が求められます。Chat GPT をはじめとしたopenAIや機械学習などの技術を駆使し、顧客が利用する時間帯やデバイス、過去の行動履歴などを分析し、最適な情報を提供する新しい手法が出てくることが予想されます。

2. マーケティングとの融合

CXデザインがもたらす可能性として、マーケティングとの融合が挙げられます。マーケティング施策の企画・実行の際、CXデザインを活用することで、より効果的な施策の立案が可能になります。
すでに、CX向上ツールKARTE(カルテ) などを活用してマーケティングの目線で取り組んでいる企業も多数出てきてますね。

3.データドリブンなアプローチ

CXデザインは、データ分析と組み合わせることで、より効果的なアプローチが可能になってきています。今後、CXデザインの分野では、より多くのデータを収集し、それを分析して、より優れたエクスペリエンスを提供するための設計が求められるでしょう。

Medalliaのようなカスタマーエクスペリエンス管理システムも出てきてます。

4.ブランドとの一体化

CXデザインは、ブランドの価値を伝えるための重要な手段の一つでもあります。今後もCXデザインの分野でも、企業のブランドメッセージやアイデンティティを考慮しながら、すべての顧客タッチポイントでブランドの価値を、一貫して表現する設計力と表現としてのクリエイティブを生み出す必要がありそうです。

UX、CXの先にはBRANDがある

最後に

対応領域が広いCXデザイン、まだまだ可能性を考えれば出てくるかと思います。それだけこれからの時代になくてはならない概念でもあり手法でもあるCXデザインって本当に奥が深い〜ですね。

さて少しはCXデザインの全体像が掴めたでしょうか?

Goodpatchでは事例でも紹介したように顧客の体験設計(UXでもCXでもBXでも)を通じて、クライアントビジネスの成長をサポートしていますのでぜひご興味のある方は、こちらからお問い合わせください!

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