尾道を散策
2000年から2年間、広島県福山市に単身赴任していた。
その間、月に一度金曜日の夜、妻が横浜の自宅から
暇つぶしと監視(?)を兼ねて福山に来ていました。
横浜の自宅の食卓の上に1万円を置いておき、
大学生の二人の息子は、それで2日間過ごしていたとか。
監視下の土日は、ゴルフなどお断りして、
敬意を払って旅行、散策で歓待(?)です。
福山から電車で20分程度の尾道は格好の散策地、
旧い街の風情を色濃く残す好きな町です。
平地が狭く、駅の南側は、若干の広場、商店街などもありますが、
直ぐに瀬戸内海を臨む岸壁です。
駅の北側は、小高い山が迫ります。
頂上には千光寺がありますが、派手な朱塗りで、好みではありません。
山に登る傾斜地に、南北に伸びる坂道と、
それを繋ぐ小道が縦横に走り、
いずれも、人がようやくすれ違える狭い道幅です。
その小道沿いに、旧い木造の家が並び、
こんなところに、と思うのですが、人の住む現役の住宅です。
何十年か、時間が止まっているようです。
かつて、映画のロケに使われたのも、さもありなんです。
遊歩道を東に歩くと、眼下に天寧寺と称する旧いお寺が現れます。
大屋根の本殿と三重塔が並び、
塗装の剥げかかった旧い木目が印象的です。
周りの深緑との調和が素晴らしく、いくら見ても飽きません。
お寺の向こうに細長い尾道の街が続き、
その先が瀬戸内海、幅百メートル余りの尾道水道です。
小さな連絡船が正面の向島に汽笛を鳴らしながら、行き来します。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?