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多士済々(たしさいさい)

 昨日の高校有志15名の同期会は、個性豊かな多士済々の集まりだった。
 
 場所は御徒町の吉池食堂、当家から20分程、偶にランチに行くことがある。12時から2時間半、飲み放題付きのコースで5000円だからまあまあ・・・・安いかな。部屋はなんと、掘り炬燵式和室、足のしびれが恐い当方は、途中歩くために何回かトイレに立つので、不安はあるが、何でもない顔をして端の席に座った。
 
 乾杯後、先ず、今年2月に急死したH君の葬儀、奥様のご様子などの報告があり、改めて献杯した。H君は東大卒の警察官僚、それなりの地位まで登った人、何の前触れもなくまさに突然死だった。昨年7月にこの会で会った時は元気溌剌、改めて先のことは分からないものだとおもいつつも、突然死は本人にとっては理想だな、と不遜な事を思った。
 
 暫し自由歓談後、席順に各自がそれぞれの近況報告することになった。この集まりは多士済々、いずれも(当方を除き?)自己主張が激しく、なんだかんだ口を出すので聞いているだけで面白い。
 
 女性の参加者は2人、1人は夫殿とともに皮膚科の開業医、1人は専業主婦だが、夫が某大企業の元幹部。その専業主婦は、近々豪華客船クルーズで世界を回ることにしている、部屋は最上のスイートで、費用は5千万円、と淡々と普通に喋る。何人かが大声で反応して喧喧諤々だった。
 
 引続きそれぞれの近況報告が続くが、話題の大半は病気の話だ。この数年、自分がいかに病気と闘ってきたかを大きな声で面白おかしく自慢(?)する。
 
 中に大学の土木科卒で大手の○○組に入社し、世界各国の土木事業を手掛けてきた人がいる。奥様はタイ人で、本人も普段はタイに住んでいるが、最近前立腺癌が発覚、急遽東京に一時帰国し、全摘出手術を受けた。そのあたりの状況をこれまた大声で元気よく報告するが、ステージⅣだったらしく、この後が心配ではある。
 
 最後の1人手前、私の順番となった。皆さんの話題が殆ど病気の話なので、そのあたりは省略してその次の話をします、最近は遺言書作成と相続税の相談で税理士事務所に行き、その時のための準備を進めている、更にどう死ぬかを考えて、出来る限り楽に平穏に逝くための準備も考えている、といった話をした。皆さんそれなりに興味があったようで、大きな声で質問がいくつかあった。

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