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「君主論」3.いかに生きるべきかというのは

 マキャヴェリ「君主論」中の名言と自分の思うところ、その3です。
 
(3)人が現実に生きているのと、人間がいかに生きるべきというのは、はなはだかけ離れている。・・・・人間いかに生きるべきかを見て、人が生きている現実の姿を見逃すものは破滅するのが落ちだ。自分の身を守ろうとする君主は、良くない人間にも成りえることを学ぶ必要がある。
 
 
 人いかに生きるべきかを書いた本はいくらでもある。アドラーは、人は全て横の関係であり、縦の関係などありえない、と述べている。会社は社長も管理職も平も全て横の関係、それぞれが役割分担をして組織として機能しているのだが、自分が支配していると勘違いしている経営者が多い。学校の先生と生徒、家庭の親と子供もしかり、お互いを尊重する横の関係が基本なのである。ところが、基本は基本、残念ながら、心からそう思っている社長、先生、親はいない。
 
 私も現役時代、社員がみな横の関係であるべきとは知っていたが、現実がかけ離れていることも知っていた。結果、自分は全員横の関係だと思っている・・・・ふりをしてきた。普段は横の関係が如く振舞う。自由に意見を言ってもらうし、反対意見を真摯に聞く、自分の感情は表に出さないなど、我慢の日常だ。
 
 しかしながら時に、人事において、ある社員を明確に左遷させることも、何度かやった。理由は色々あるが、本音は人心の引き締めだ。結果は上手くいった気もするが、あの人事は失敗だと思う人もいたかもしれない。おまけにあの社長には、ある程度の反対意見を言った方が評価される、と考える社員が現れ、かたちばかリの反対意見を言う人も出て来た。何とも難しい。
 
 世に言う、理想と現実、本音と建て前・・・・であろうか。

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