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映画館で隣の少年に欲情した話【後編】

【前編】はこちら

 さて、ようやく現在に戻ってきた。
 場所は例の大ヒット怪獣映画が上映されている映画館。

 隣には中学生らしい二人の少年……そしてわたしのすぐ横に座っているのは、細面で色白の中性的な少年…………………………

 画面のなかでは元特攻隊役の元美少年子役だった俳優が、有名怪獣と初対面してビビりまくっている。

 そういえばこの俳優……子役の頃はヤバいくらいかわいかったなあ。

 肌が白くて女の子みたいで……日本国中のショタが彼に夢中だった……わたしも含めて……

 そうそう、わたしも中学生だった頃は……あの本屋でおっさんにおちんちんを触られた頃は……そしてまだ高校生だった頃も……画面のなかの俳優が子役だった頃みたいに……そしていまわたしの隣に座っている少年みたいに………………色白で……………………中性的で…………
 

 はっ……わたしは自分がゆるく勃起していることに気づいた。
 しかしわたしくらいの映画好きで、わたしくらいの気合の入った変態となると、頭のなかでよけいなことを考えながらも映画に集中することはたやすい。
 
 画面の中で辛くも怪獣王から逃げおおせた元有名子役演じる主人公は、戦後間もない焼け跡だらけの日本に引き揚げ、乳飲み子を抱えた元美少女・現美女女優扮するこじき娘と出会い、あばら家で暮らし始める。


 ……ところで話がそれるが、これをお読みでアノ映画をご覧になった諸兄のご意見を伺いたいのだが、あの二人はあのあばら家暮らしでヤってたのかね?
 そりゃヤってたよな?
 子どもが寝たあととか。
 そうでないと不自然だよな?

 ま、それはどうでもいいが、とにかくわたしは映画にしっかり集中しながらも、隣の中学生少年に対するけしからん妄想を募らせていた。

 言っておくが、これ以降書くことは妄想だ。あくまで、妄想だ。
 現実ではない。
 現実に行うと、犯罪だ。
 自分が罪に問われるだけではなく、被害者の心に消せない爪痕を残す。
 だから、これは決して現実ではない。

 ※注)ここからは妄想!!!


 画面では元子役美少年俳優が、京都出身の個性派俳優船長と若手俳優、そして国民的北海道ドラマの息子役をやっていた俳優らとともに粗末な木造船に乗り、機雷除去の仕事についていた。

 そこで現れる有名な怪獣王! 

 回収した機雷を武器に巨大怪獣と戦う登場人物たち……

 ちらりと横を見る。
 隣席の中学生少年……わたしはその少年を心のなかでリュウノスケと呼ぶことにした……リュウノスケは登場人物たちのピンチに息を飲み、画面に魅入っている。

 リュウノスケの下半身は、ダウンの上着で覆われていた。
 
 爆音と怪獣王の咆哮(有名な話だが、これはコントラバスの弦をゴム手袋で擦った音らしい)で劇場が満たされる。
 ちらりとリュウノスケの顔を見た。
 やはり息を吞みながら、画面に見入っている。
 
 画面からの光が、リュウノスケの蒼白い横顔を様々な色に染めた。
 
 ほぼ無意識の行動だった。
 わたしと少年を隔てている手すりの下から、手を伸ばす。

 少年の下半身に掛けられているダウンの下に忍び込み、さらに手を進めた。
 わたしの手の甲が、少年のズボンの太ももに触れる。

 びくんっ……

 リュウノスケが身体を震わせた。
 彼が履いているのは、チノクロスのパンツだった。

 画面では怪獣王の口のなかで機雷が爆破していた。
 また、ちらりと横目で少年を見る。

 少年は画面のほうを見つめながら、唇を開いていた。
 その唇が震えている。
 気づいたのだろう……悪意を持ったわたしの手の接触に。

 昔のわたしと一緒だ。悪意は手の感触で伝わる。
 少年はちらちらとわたしの横顔を見ているようだ。

 わたしはガン無視を決め込んで、大画面を見ていた……あのエロ映画館のじじいのように……

 画面では怪獣王が復興したばかりの銀座を破壊しつくしている。
 ヒロインの元美少女現美人女優がピンチになったり、助かったり、またピンチになったり……え、そうなの? こんな感じでフェードアウトするの? ……美人女優。

 少年は居心地悪そうに(そりゃ悪いに決まってるわな)窮屈な座席のなかで腰をよじる。
 はっきりと抵抗しないのは……わたしが不気味すぎるからだろうか。
 それとも隣の友人に知られるのが恥ずかしいのだろうか。

“そやでえ……大人しゅうしときやあ……そうせんと友達にバレて恥ずかしい思いすることになるでえ……”

 わたしは完全に高校生のとき、ポルノ映画館にいたあの変態じじいと同化していた。
 理性は完全に吹き飛び、どうかしているどころではない。

 わたしは手を進めた……さらに彼の太ももを這い、その奥へ。
 びくんっ……びくんっ……とリュウノスケの身体が震える。

 が、リュウノスケは、ちら、ちらっ、と隣の友人に目をやる。
 一緒に来ている友達のことを気にしているらしい。

“ふふふ……せやでえ、気づかれたら恥ずかしいでえ……大人しゅうしとり……すぐおっちゃんが気持ちようしたるさかいに……”

 ダウンの下のリュウノスケの股間を、くるり、と撫で上げる。
 びっっっっっくん! と席の上で跳ねるリュウノスケ。
 
 その直後、はっとして左隣の友人のほうを見る……気取られていないか、気にしているようだ。

 そして、ちらりとわたしのほうを見た……わたしはガン無視をして、大画面を見ている。

 悲しみに暮れる元子役俳優の姿……そして大怪獣の掃討作戦に向ける会議へ。
 画面では、某国民的北海道ドラマで息子役をやっていたが最近はダルな演技で大活躍のあの俳優……元超巨乳系グラビアアイドル女優の漫画家ダメ夫を演じたドラマでの彼の演技は素晴らしかった……作戦を説明している。

 わたしは何度も、何度も、ダウンの下でリュウノスケの股間を撫で上げた。

 そのたびにびくん、びくん、とリュウノスケの身体が跳ねる。
 ちらりと横目でリュウノスケを見る。

 彼は映画どころではない様子で、頬を真っ赤に染めているのが暗いなかでもわかる。

“人に触られんのん、はじめてやろ……気持ちええかあ? ええのんかあ?” 
 
 身体を跳ねさせ、ダウンの下で腰をよじる以上の抵抗をしないリュウノスケの気弱さにつけこみ、わたしはさらに凌辱の手を進めた。

 股間に指を這わせ、チノクロスの布をかきわけ、ジッパーに手をかける。
 はっ、としてリュウノスケはわたしの顔を見る。

“このくそじじい、正気かよ?”

 たぶんそんな顔をしているのだろう。
 しかしわたしは画面を見て、敢えて無視をする。
 
 画面では元子役俳優が元飛行機整備士にボコボコに殴られていた。
 
 そして熱い演技を繰り広げる俳優たちを眺めながら、一気にジッパーを降ろす。

「ひっ……」

 エモいシーンが展開するなか、わたしは鍛え上げた早業でリュウノスケのズボンの中に指を滑り込ませ、ボクサーショーツ(すでに湿っていた……)の窓にも指を這い要らせる。

そして……

 ※注)あくまで妄想です!!!


 リュウノスケのペニスを引きずり出した。

「あっ……やっ……」

 さすがに身をよじるリュウノスケ。

「なんだよ?」
 
 小声で隣の友人が言った。

「……なっ……なんでもないっ……」

 もっと小声でリュウノスケが答える。

“そやでえ……わしみたいなキモいおっさんにおちんちん弄られてるなんて、友達に知られたら恥ずかしいわなあ……大人しゅうしとくんやでえ……これからもっともっと、気持ちようしたるさかいなあ……”

 そこから……わたしはダウンの下に露出したリュウノスケのペニスを、好きなように、思うがままに弄りまわした。

 画面のなかでは……戦闘機が用意される。
 日本国民有志が怪獣王掃討のために出撃する。

 “お前ら若い奴らに日本は任せた”みたいな胸熱なシーン。

 元子役俳優が駆る戦闘機が飛び立つ。
 手に汗握る怪獣王と船舶との激しい戦闘…………

 その間、時には激しく扱き、一気に追いつめると焦らすように指を遊ばせ……
 わたしはリュウノスケのペニスを翻弄する。
 彼の若茎はわたしに弄ばれ、どんどん粘液にまみれていった。
 
 くちゅくちゅくちゅくちゅ…………
 
 リュウノスケの意思に反して溢れる蜜が、淫らな音を立てる。
 が、クライマックスの大音声がすべてをかき消している。

「……んっ……はっ……うっ……はっ……ううっ……んんっ……くっ……」

 リュウノスケの熱い息遣いが聞こえてくる。
 画面のなかは最高潮だ。

 怪獣王を戦闘機で攻撃して海に追い込む元子役俳優。
 ついに作戦が決行される。
 果たして作戦は成功するのか…………?

“ほれほれ、我慢するんやでえ……映画館のなかでイってまうなんて、そんな変態みたいなことしたらあかんでえ……さすがに友達にも、匂いでバレてまうからなあ……ほれ、ほれ、ボク、イきそうなんやろ? ……どこまで我慢できるかなあ?”

 こちらもクライマックスだ。
 リュウノスケのペニスを握り直し、一気に責め立てる。
 
 ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ…………

 爆音のなかでも、わたしだけにはその音が聞こえるような気がした。

「あっ……あっ……ううううっ……くっ……や、やあっ………あっ……んんんっ!」

 わたしの手の上に手を重ねてくるリュウノスケ。
 あと数回ほど擦れば、リュウノスケのペニスは爆発するだろう。
 
 そこでわたしは、ぴたりと手を止めた。
 はっ、と顔を上げてわたしを見るリュウノスケ。
 わたしははじめて彼の顔をちらりと見て、唇を歪めた。

 映画は大団円……詳しくは書かない。
 まだ観てない人もいるだろうから。

 エンドロールが上がり、その後ちょっと付け足しがあって(だからこれから観る人は最後までちゃんと観よう)劇場が明るくなる。

 リュウノスケは友達を残して、慌てて席を立つと、ダッシュで劇場を出ていった。

「えっ……? おいっ?」

 残された友達がリュウノスケを追う。
 
 これから……リュウノスケはトイレに駆け込み、個室に飛び込んで、そして…………
 わたしは映画にもリュウノスケにも大いに満足して、悠々と劇場を後にした。

 
 しかし……良かったね「ゴジラ-1.0」!! 観てない人はぜひ!!!

良かったよ!

※注)あくまで妄想です!!!
   そこ!!!  通報しない!!!


↓こんなのでももう一度最初から読みたい人はこちら。


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