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断るのもホスピタリティ

過去記事の「自分に対するホスピタリティ」とも通じますが、本当に相手を慮るのであれば、お断りする事がホスピタリティという事も少なくありませんよ、というお話をしたいと思います。

特に「自分とは感性や価値観が合わないな」と感じるお客様に対しても、何とか気持ちよく長いお付き合いを続けていく前提でアプローチしている、という方に是非ともお目通しいただきたい内容です。

さて、上記のような努力を続けた場合、あなたは確実に疲弊します。その結果、提供するサービスのクオリティが下がってしまうかもしれません。それ以前に、あなたが心からお手伝いしたいと考えている他のお客様と全く同じ真心とクオリティで、苦手なお客様に対しても変わらぬサービスを提供していると断言できるでしょうか。そしてそれは、あなたのサービスを求め、あなたを頼りにしてくださっている相手に対して誠実な態度と言えるでしょうか。

そうです、全力でお手伝いできないと感じる顧客を抱える事は、仕事の質が低下するばかりか、相手に対して非常に失礼な、ホスピタリティを欠いた行為でもあるのです。

更に、あなたとはマッチしないそのお客様は、別のサービサーから歓待を受ける事ができるかもしれないのに、その機会を奪っているとも言えるでしょう。

仕事熱心で優しい人ほど、自分の好みでお客様を選ぶような事をするのは良くないと罪悪感を抱くかもしれません。しかし、より良いサービスを提供するためであり、相手のためにもなる選択だと考えていただきたいのです。

また、自分はプロとして感情を完璧に消し去り、平等にサービスを提供しているという自信をお持ちの方もおられるかもしれませんが、無意識下まで確実にコントロールできていると断言できますか?一番怖いのは無自覚的にお客様が失敗する方へ誘導しているケースです。特に指導的要素を含む業種の場合は注意し過ぎるという事はないでしょう。

このように、相手に合わせる事だけがホスピタリティではありません。お客様は一瞬だけ嫌な思いをしてしまうかもしれませんが、中長期的にはお断りするのが最良の選択という事も十分に有り得ます。残念ながら、不毛な関係の構築に時間を浪費しても、誰も幸せにはならないのです。

すぐに関係を整理するのは難しいかもしれませんが、自分に提供できる最高のサービスと、お客様が受け取る事のできる最高のサービスの両方を、常に考えていたいものですね。

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