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私が出産したその日に妹は自殺未遂をした

私が息子を産んだその日、妹は私と母のラインをブロックした。

その後、遺書を書いて自殺未遂した。

連絡がつかないと慌てる母に妹の旦那から連絡があり、こう言われた。

「彼女は手のかかる姉のせいで幼い頃から苦しんでいた。彼女が死んだら困る。僕が見ているから、今はそっとしておいてほしい。」

今日はそんな話をつらつらと。


遊べない妹の苦悩


兄弟姉妹でよく聞く話に、親は平等でなかったという言葉が出てくる。

兄にばかり手をかけたとか妹ばかり優先されたとか、どこにでもある話だろう。

無論うちにもそれは当てはまって、私は妹からよく批判されていた。

「お姉ちゃんは好き勝手やれていいね!」

「私がどんな思いをしたか知らないくせに」

確かに妹がどんな思いをしたかは分からないし、私のせいで迷惑を被ったり寂しい思いをしたのは間違いないのだろうと思う。

妹はそんな姉の背中を見て育ったからか、遊ばないのではなく遊べない子に育った。

手を抜きたくても加減が分からず、息抜きの仕方も知らず、遊ぶという概念を理解できない。

固定概念が強く、融通が効かない。

いい意味でも悪い意味でも、真面目一辺倒。

妹は私のように好き勝手生きたくても、生きれない。

自分が許せない、許さないからである。


親のせいなのはいつまでか


2ちゃんを見ても、親が悪いとか親のせいだと言っている人はいくつになってもいる。

私もそう思うときはあって、いろいろな経験をして自分次第だと考えるようになった。

確かに教育や育児、人格形成の論文には親や環境の影響の話がよく出る。

特に勉学や才能を発揮する場では、よく言われることだろう。

しかし、他人から見たら幸せな親と環境があったとしても、それは確率の問題に過ぎない。

割合が多い話であって、絶対ではないのだ。

そしてその言い訳が許されるのは、成人するまでだろう。

私は人より早く長く反抗期があり、振り幅がとても大きかった。

その分やり過ぎてしまったこともあるが、あの頃の経験は無駄でなかったと思う。

対して妹はこれと言った反抗期がなかった。

なかったというより、反抗などしていられなかったのかもしれない。

私が少年院に入ったとき、妹は17歳だった。

多感な時期に母と2人、姉は少年院となれば反抗などしていられなかったのも分かる。

しかし、いつまでそう言うだろうか。

私も少年院に入ったのは結果的に親のせいだと思っていた。

離婚に母との不仲が巡り巡って、こうなったのだと。

でも最初の結婚と離婚を経験して、親や家庭環境のせいではないと実感した。

男を見る目がないのも母のせいだろうか。

育った環境が違えば、もっとマシな結婚生活を送れていたのか。

それはいい学校を出て大手に就職し、世間がいう順風満帆という形なのか。

それとは程遠い生活を送ってきた今までは、親に責任があるのか。

違う。

全て私の問題だ。

妹はまだそれを分かっていない。


子どもがいるから幸せとは限らない


私は全く子どもを持つ気はなかった。

今のパートナーの前にお付き合いしていた人は、およそ6年一緒にいたが、中出しをしたことは1度もない。

お互いに「お金稼いで自由に暮らせばいいよね」という感じで、子どもの話になったこともなかった。

だが、今のパートナーとは当たり前のように中出ししていた。

妊娠が分かるまではっきり話し合ったことはなかったが、なんとなく産み育てるだろうと思っていたからだ。

そして妊娠、出産に至った。

私個人的には、子ども=幸せではない。

確かに自分の子は可愛いし、成長を見てるのは楽しい。

笑顔を見ると幸せな気持ちになるし、出会えてよかったと思う。

けれど、時々それをかき消すレベルで嫌いになる。

意思疎通は取れないし、時間の自由はなくなった。

ごはんの立ち食いにも毎日シャワーが浴びれるわけじゃないことにも慣れたが、ストレスであることには変わりない。

「これがひとりだったら」と思うと、全てが様変わりしたと実感する。

きっとこれから先、悩みは変われど彼が自立するまで本当の自由はない。

人として、女として、子ども=幸せでないと私は思った。

しかし女性は特に、結婚や出産に重きを置いている人が多い。

妹は典型的なそのタイプで、子どものいない妻は最低だとすら思っている。

そもそも結婚は出産のためではないから、私はその考え方に同意できない。

お互い死ぬまでのパートナーとして交わす約束が結婚であって、出産ありきではないだろう。

それに妹がまさに今経験しているように、家族や兄弟姉妹がいるから幸せとは限らない。

独身の方が性に合う人もいれば、家族あってこその人もいる。

その固定概念が自分の首を絞めていることに気付かない限り、妹は子どもに依存するのではと思ってしまうのだ。


姉なりの精神病の妹への接し方


私は妹に一切連絡をしていないし、こちらからする気もない。

面倒だし喧嘩もしたくないし、妹にしか乗り越えられない問題を私が背負うつもりはないからだ。

母はなにがあっても死ぬまで子どもを心配しているだろう。

経過報告は母から聞けばいいのであって、姉が口を出すべきじゃないと思っている。

もしも仮に今、妹が自殺したら、私はそれを大人しく受け入れる。

悲しいけれど、それも妹が選んだ道だ。

この世は決して生きやすい場所ではないし、死にたい気持ちが分からないわけじゃない。

世の中には仕方のないこともたくさんあるのだと、それが事実だから。

同じ環境、同じ親の元で育っても、価値観が同じわけじゃない。

見ている世界も見てきた世界も、私と妹はまるで違う。

どちらがいい悪いではなく、お互いを尊重して生きられたら姉としては幸せだ。


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