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シンプル イズ ベスト?

シンプル


 タイトルのシンプルは日本語にすると、簡単。簡素。私はシンプルが好きです。服は基本パターンが3つくらいあって、その繰り返し。かばんは、財布、スマホ、鍵がちょうど入るサイズのもの。考え方も明確で短くあらわされるのが好きです。
 
「人生は死ぬまでの暇つぶし」
「夢・ミッションをかなえるために人生はある」
「人に喜んでもらうことこそ、人生である」

 
いろいろな本を読み、いろいろな人生哲学のような言葉に出会ってきました。シンプルな言葉で明確で伝わりやすいです。非常に影響されやすい私は、その本を読むたびに「その通りだ!それこそ人生だ!」と思います。
 
シンプルとは短く簡潔で明瞭なので、他の人に伝える際には、非常に有効です。だから本の言葉はシンプルですし、キャッチーで流行するのもシンプルなものです。noteの記事もシンプルな考え方でシンプルな文で伝える人の記事は分かりやすいです。(だから私の記事はわかりにくいと思いますよ笑)
 
そして、明確だからこそ行動判断も的確で、一点集中で取り組むことになり、結果がでやすいです。例えば、夢をかなえるために人生があると思う人は、夢の実現のために必要なことは良いこと、必要でないことは悪いことという判断をします。常に「夢の実現に近づくか」という一点のみで考えればよいからです。
 
ですが、シンプルは明確がゆえに、白黒はっきりしすぎる面もあります。
 
私はすぐにシンプルな言葉に影響され、それこそすべてだ!と思いますが、一方で違う本に出会うとすぐに変化します。本当にその時その時でそれこそすべてだと思えるのです。そして、また変化する・・・。そんな繰り返しです。
 
なぜそんなにころころ変化すると思いますか?ちなみに私だって全部が全部「その通りだ!」となるわけではありませんよ笑。今まで生きてきた経験を振り返りながら、確かにそうだと心から思った時だけ「その通りだ!」と思います。
 
それは、「人生はシンプルではないから」というのが私の結論です。どうです?シンプルでしょ?笑
 
嫌なことがなくて、好きなことだけしているときが幸せーって思う場面があるし、目標に向けて努力しているのが充実しているって思う場面もあるし、誰かに喜んでもらえてうれしいなーって思う場面だってあるからです。
 
例えば、仕事でミスしたり苦手な仕事ばかりしたりしているときは、仕事なんてなくて一生趣味だけしたいなって思います。
 
努力してある程度その努力が報われる結果が出た時、目標に向かってがんばるっていいなーって思います。
 
こちらが助けてあげて「ありがとう」と笑顔で言われたとき、人のために何かするっていいなーって思います。
 
人生にはいろいろな出来事があり、いろいろな経験をします。うまくいくときもあれば、微妙な時もあるし、苦しいときだってある。いろいろな気持ちが渦巻いているはずなのです。影響されやすい私は、シンプルな言葉に出会ったときにその言葉がぴったり当てはまる経験が蘇り、「確かに!」となるから「その通りだ!」とすぐに思ってしまうのだと思います。
 
これがいいのか、悪いのか笑。いや、それもいいときもあれば悪いときもあるのでしょうね。
 

思考へダイビング


なぜ私は経験をしたときに、いろいろな気持ちが渦巻いてしまうのか。それをもうちょっと深く考えてみます。そうです。私は深く考えちゃう人なのです。ちゃんと沖縄でダイビングの免許も取りましたし笑。
 
大谷選手は「もっと野球をうまくなる」という目標をぶれずに行動しています(きっと)。イチローさんだって選手時代は同じだと思います(きっと)。大谷選手だってイチローさんだって、いろいろな出来事があるはずです(きっと)。でもぶれません。徹底しています。だからこそ圧倒的な結果を残しています。
 
私は今、中学校内で居場所づくりの支援員をしています。前職は小学校担任でした。同じ教育現場で、同じ先生という職ではありますが、悩むことが圧倒的に増えました。それを単なる職種や経験年数の違いと決めるには程遠いくらい違います。
 
教員になりたての頃、私は小学校教員として子どもと接していました。何をそんな当然のことを言っているのかとお思いかもしれませんが、しばし読み進めればご理解いただけると思います。
 
小学校教員としてかかわっていたので、基本的には「先生」というレンズで子どもを見ます。それは、いろんな出来事を「先生」としてどう考え、どう行動するかということです。
 
第一の転機は、自分に子どもができたときです。自分の肩書に「親」が加わったことで、担任している子どもをみるときに、「保護者」というレンズが加わります。レンズが加わると当然見え方も変わります。見え方が変わると、関わり方が変わります。
 
いくつか例を挙げると、まず子どもの呼び捨てをやめ、「苗字+さん」にしました。忘れ物の対応を2段階にしました。宿題を少量かつ明確にし、代わりに自主勉強を励行しました。等々。
 
そのころから、少しずつ保護者からの反応も良くなりました。それは保護者目線で子どもを見ることができるようになったからだと思います。
 
そして第二の転機。これは今の居場所づくり支援員になったときです。ここに来る生徒は不登校傾向がある子です。もっと子ども目線でいうと、教室にいるのが苦しくなった子です。
 
いうなれば、「不登校支援員」のレンズ。これは大きかったです。なぜなら、私も学校が嫌だなーって思っていた時期もありますが、なんだかんだ私は登校し続けた人間です。自分には経験のないことなので、新しいレンズとなりました。
 
不登校支援員をして、学校が苦しくなってしまう子の気持ちや状況、そして苦しくなってしまってからの気持ちや状況の一端を知ることができました。それにより、「不登校支援員」というレンズが加わり、表立って意見を言わない子どもたちの視点で考えることが可能に。
 
だから今、私は子どもを見るときに、「教員」「保護者」「不登校支援員」というレンズを通してみます。「教員」が強くなることもあるし、「保護者」が強くなることもある。当然「不登校支援員」が強くなることもある。3つのうち、2つが強くて交じり合って見えるときもある。
 
そんな風にレンズが複数あると、同じ事象を見ても異なる理解・異なる解釈になるときがあるのです。レンズはいつも一定ではなく、関係性や体調、前後の出来事でも容易に変化します。だから、その時その時でシンプルな言葉への反応がコロコロと変わるのです。
 

子どもは子ども

 
今肩書で、3つのレンズがあると書きましたが、現実はもっともっと複雑です。肩書に経験が入り混じります。
 
先生にたたかれた経験。いじめを受けた経験。部活がうまくいかなかった経験。バイトで鬼のしごきを受けた経験。学級崩壊をした経験。顧問を受け持つ部活で一勝もできなかった経験。子どもが入院した経験。子ども出血が止まらず救急車にのった経験。発達障害と認定された経験。子どもが登校をしぶった経験。
 
これらの経験から感じた気持ち、想いがレンズに変化を与えます。子どもの見方がいろいろ入り混じって見えるようになります。目の前の事実・現象だけでなく、その背後の気持ちを考え出して、本当はありもしないことまで考えてしまうことも。いうなれば、乱視で子どもがぼやけて見える感じです。
 
肩書は急には変わりませんが、経験は日々増えていきます。月並みな表現をすると、一日として同じ日はないから、子どもの見え方も一日単位で変わってくることもあります。
 
これがいろいろな言葉に共感する理由でもあり、一日単位で言葉の感じ方が変わる原因です。
 
今は私の例をあげましたが、これはみなさんにも当てはまるはずです。みなさんもこれまでの肩書や経験から物事を解釈しているはずで、それは一人一人違います。だから、ある言葉や考えが響く人もいれば響かない人もいる。自分が響くからみんな響くともなりませんし、私が響かないから響く人がいないとも限らない。
 
なんか当たり前のことを言っているように思えるかもしれませんが、これは大人だけではなく、子どもにも当てはまります。そう、あなたのお子さんも。
 
子どもは当然、肩書がなければ、経験も少ないです。だからあまりにも楽観的で突拍子もないかもしれません。
 
だけど、それは経験が少ないから仕方ないのです。勉強の大切さは大人になって身に沁みますが、それは大人になって勉強しとけばよかったと思った経験をしたから、そう思えるだけです。だって実際、勉強大事っていうのは知っていたのに、子どものころ勉強しなかったでしょう笑(勉強していた方すみません)。
 
幽霊を見たことない人に幽霊の存在を証明することができないように、車を運転したことない人に縦列駐車の難しさは伝えられないように、太陽が回っているのではなく、地球がまわっていると信じてもらえないように、人は経験していないことをなかなか信じ切ることができません。
 
まとめです。あ、私は親御さん向けに基本記事を書いていますので、子育ての話をします。
 
子どもは子どもなりに経験から物事を考えています。逆にその経験からしか物事を解釈できません。何度も言います。子どもは経験から物事を解釈しています。だからまずは、大人の正論を言うのではなく、子どもの考えを聞いてください。そしてそれを受け止めてください。子どもの経験ではそれがベストなのです。
 
アドバイスはいいですが、あくまで提案としてです。最終判断でどうするかは子どもがしてください。その結果がどうであれ、経験として新たな考えの養分になってくれるはずです。それを人は成長と呼びます。
 
その繰り返しが、シンプルではない人生を生き抜く力となることと思います。
 
最後までお読みいただきありがとうございました。何かの参考になれば幸いです。素敵な一日をお過ごしください。

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