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エッセイ『平成生まれの怪獣少年』2 ~昭和ライダー集合ショー~

前回の記事にて、大まかにこのエッセイの目的について執筆しました。
今回からは、しっかりと、本題にあたる「平成生まれの怪獣少年」というテーマについて、お話をして頂きたいと思います。
ちなみに、折角なので、なるべく押し入れの奥からアルバムを引っ張り出してきて、これを参照しながら極力年数なども正確に振り返ります。
(なんか、昭和ライダーの雑誌用ピンナップみたいな表情とポーズの写真も見つかったので、こちらは折角だからサムネに!)

とりあえず、今回は、『仮面ライダー』について、2000年の『仮面ライダークウガ』が開始する前の幼少期について、お話しましょう。
最初のテーマからして、いきなり怪獣じゃないんですが、この点はご容赦ください。
今多くの特撮ファンが持っている誤解みたいな物や、「なんでこの世代がこれを知っているの?」といった疑問に答えられる内容も語っていく予定なので、興味を持って頂けたら幸いです。

平成一桁でも昭和ライダー世代?

さて、1995年(平成7年)の3月に生を受けた筆者の場合、5歳の時に『仮面ライダークウガ』が始まるわけですが、同時に5歳の時までは『仮面ライダー』シリーズの空白世代に直面している形になります。
案外、その年にも物心というのはついているようで、その空白期間についても語りきれないほど多くの思い出が記憶の中にありますね。

……まあ、あまり仮面ライダーについて知らない方の為に、この「空白世代」について説明すると、1994年に映画作品の『仮面ライダーJ』が公開されてから、2000年の『仮面ライダークウガ』が放送されるまでの間って、実はライダーシリーズは新作が作られなかったんですよね。

ぶっちゃけてしまうと、シリーズ自体が、「終わった後の物」と認識されていた形になります。

……こんなディスるみたいな文章をあえて入れてしまいましたが、これは、別にマイナスの意味ではありません。
シリーズの新作が作られない状態でありながら、多くの人に間違いなく知られていて、愛されている。ちびっこの私には、そんな仮面ライダーに対して安心感のような物があったのです。
いってしまえば、メーカー品質保証ですね。

これをもう少し後の世代の話でたとえると、『ウルトラマン』のシリーズが、『ウルトラマンメビウス』(2006)~『ウルトラマンギンガ』(2013)の9年ほどのテレビシリーズ空白期間の中でも、キャラクター展開が途切れず、子供に認知されて愛されていた事にも状況が似ていると思います。
間に様々な展開は勿論ありましたが、まるで空白期間なんて嘘のように、今現在、ウルトラマンは子供たちのヒーローのままですよね。
ウルトラマンゼロの展開、『ウルトラマン列伝』という番組や、玩具・グッズ展開といった堅実な企業努力の成果もとても大きいのですが、もっと根本にあるのは、積み上げてきた歴史と、元の作品の良さのお陰でしょう。

もはや、ウルトラマンと仮面ライダーに関しては、多少の空白期間があっても、その世代の子供にはウルトラファン、ライダーファンが生まれてくる存在なのだと思います。
前の世代はウルトラマンや仮面ライダーの影響をテレビで語りますし、お父さんやお母さんも子供にあげるプレゼントを迷ったら、とりあえずウルトラマンや仮面ライダーの玩具を与えたくなる。きっと、この二つのシリーズはそういう作品なんですね。
要は、テレビシリーズ新作は多くの新しいファンを生む機会ですが、そうでなくてもファンの子供は必ずいるくらいのブランドになっているのです。
私も、子供の頃は、新しい仮面ライダーの登場を待っていながら、同時に、1号~Jというレジェンドの活躍を繰り返し見るのがめちゃくちゃ好きだった思い出があります。

……というワケで、90年代のライダー空白世代のファンの多くは、新作がないので、歴代ライダーを振り返るような再編集VHS、あるいは歴代ライダー本編のVHSや再放送での本編、テレビ絵本や雑誌展開、ヒーローショー、玩具展開などで仮面ライダーと触れ合いながら、いつかの新しい仮面ライダーを待っていたor勝手に考えていた形になると思います。
こちらは後に語ると思うのですが、リアルタイム世代向けのバラエティ番組や展開なども多々あったので、その中で1号やV3の姿を見て来た子供もいるでしょう。
仮面ライダースナックが、「仮面ライダーチップス」という形で1999年に復刻していたのを買ってましたし、一種の昭和特撮ブームみたいにガチャポンやトレーディングカードなどの展開が多かったのも触れていました。
特に1999年~2002年くらいは、やたらガチャポン・食玩のラインナップがマニアックだった記憶がありますね(初期の各怪人がいたり、ショッカー戦闘員のラインナップが豊富だったり)。
この辺の感覚も、『RX』~『真』『ZO』『J』の空白世代とはまたちょっと違うのでしょうし、同世代でも違うかもしれないのですが、私に見えていた『仮面ライダー』という作品は、こんな感じです。

とにかく、新作こそなくとも、既存の仮面ライダーだけでめちゃくちゃ大好きなシリーズでしたし、5歳までに熱中していた分、これから始まる事になる『仮面ライダークウガ』(2000)よりも、むしろいまだに昭和ライダーの方が思い入れが深いタイプのファンである気がします。

仮面ライダー大集合ショー!

この空白世代の頃、東武動物公園で『仮面ライダー大集合』のショーを見た記憶があります。我が家のアルバムの画像を添付しますが、どうやら1997年11月3日のショーのようです(私は当時2歳ですね)。
これは、1号、2号、V3といったレジェンドは勿論、当時の最新作であるJまでの仮面ライダーがほとんど勢揃いするショーでした。
ただ、(記憶では)多分RXが主人公で、BLACKは登場せず、この頃にあらゆる媒体でよく省かれる(ちゃんといる場合もある)シンも、そういえば登場していませんでしたね。
(できれば、シンとドラスの人形についての思い出なんかも、後でどこかで語れたらと思います。上の方の画像を見ればわかると思いますが、自転車のカゴの中にシンの人形が入っていないのには、ちゃんとした理由があります。)

閑話休題。

当時、映像作品の中では、1号~RXの仮面ライダーは集合した事があるのですが、ZOやJはそれより後なので、1号たちと一緒に集合はしていませんでした。
なので、子供心になんと豪華でレアなショーだと思って目に焼き付けていたのだと思います。

あとは、ウルトラマンのショーは大抵最新のウルトラマンと数名の昭和ウルトラマンを引っ張って来る形だったので、正真正銘のヒーロー全員集合ショーって珍しかったと思います(シンはいませんでしたが)。

ショーの内容自体はほとんど覚えてないのですが、満身創痍なオリジナルキャラクター(画像にも映っている黄色いマフラーをつけて半分顔を露出させた銀色の甲冑の戦士です)がいて、ライダーと交流の末にヒーローとして死亡する内容だったんじゃないかと思います。
この頃から、仮面ライダーは孤独で死別や戦いにドラマのある作品としての印象がすごく強かったのでしょうね……。


あと、全ライダーが一人ずつ登場する……という場面では、『仮面ライダースーパー1』の映画で使われた『九人ライダー永遠に』(歌:水木一郎、こおろぎ'73 /  作詞:赤井圭 / 作曲・編曲:菊池俊輔)が流れ始め、ここで盛り上がったのも覚えています。
何しろ、こっちは2歳ながらもガチのライダーファンでした。
ライダーが出てきても、「あの仮面ライダー誰?」って事には絶対にならないので、順番にステージや客席のどこかからライダーが出るたびに、「ああ、あのライダーだ!」って感じです。

がんばれー、仮面ライダー!!

この画像でうちの母親の直筆コメントがある通り、「かっこよかった」っていうのがストレートな感想でしたね。
今、ファンの視点から見ても、画像の仮面ライダーはアトラクション用にしては随分綺麗ですし、ライダーマンもスリムだし、スカイライダーが旧スカイライダーなのが新鮮だし。

……で、なんで2歳の時の事をそんな色んな事を細かく覚えてるかっていうと、これは流石に、家族がビデオカメラで録画してくれていたお陰ですね。
録画内容はかなり飛び飛びでしたが、たまたま、後になって見返しました(ちなみに、クライマックスではそこかしこからライダーが出てくるせいで、カメラが全然ライダーを撮れてません)。
あと、さっき言った『九人ライダー永遠に』ですが、子供が聞いてもめちゃくちゃ適当な歌詞で、そのお陰で歌いやすくて小さい頃はよく口ずさみました。
昭和ライダーの順番さえ知っていれば誰でも歌える歌ですよ。

1号~2号~V3~ライダーマン(オー!)
Xアマゾンストロンガー~
スカイライダースーパー1~♪

加えて、子供はそこから先の歌詞を勝手に「ZX~BLACK RX~」と改変して替え歌にするんですよね。
元の歌を知っている人は、そこから先を次以降の順番に歌ってみてください。ZOあたりで強引になり、龍騎あたりで歌が終わると思います。

そんなこんなで、空白世代でも、そんな豪華なショーでテンションが上がった思い出が存在しています。

こんなところで、思ったより長くなったので、今回は、「仮面ライダー 空白期の思い出①」とさせていただきます。
次回もまた、空白期のキッズの思い出話をちらほらとやってから、いずれ、『クウガ』以降の話や、その他の特撮の話もしましょう。

今後の予定ですが、上記したシンの人形の思い出などのほか、クウガ編に入ったら、「子供の目に、あの『クウガ』がどう映ったのか」というテーマもやります。あれを見た大人の視聴者の方には気になったでしょうが、そこは悪い意味で燃えないように気を付けます。

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画像は幼少期の私の思い出の写真なので、無断転載はなるべくご勘弁を。

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