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N中等部の授業紹介①「21世紀型スキル学習」って何?

こんにちは、N中等部「ネッ中note」です。
今回は教育関係者から見学希望者から多くご質問をいただく、N中等部の代表的コンテンツ「21世紀型スキル学習」の学術的背景や授業形式をご説明します。

N中等部ではPBL(プロジェクト型学習)の授業の中で、「21世紀型スキル学習」を実施しています。
周囲の仲間との協働や緊張する場面でのメンタルの整え方、アイデアの発想法などを学ぶことができるワークショップ型授業で、生徒から非常に人気の高いプログラムです。
この記事では、21世紀型スキル学習の元となる考え方や概念についてお伝えします。

「21世紀型スキル」とは

変化の多い世の中を生きるために必要なスキルは、例えば経済産業省の「社会人スキル」や文部科学省の「生きる力」など多様な種類が存在します。
学校法人角川ドワンゴ学園はその中でもWHOの提唱する「ライフスキル」とATC21の「21世紀型スキル」を合わせたものとして、学園としての21世紀型スキルを定義しています。


感情対処スキルや意思決定スキル、創造的思考や市民性などさまざまなスキルを元に授業コンテンツ「21世紀型スキル学習」を独自に制作し、ワークショップ形式で日々実施しています。
代表的なものとして「Collaboratory」「Mindnaut」「Everythink」の3シリーズありますが、それ以外にも演習型の「SOWZO」や「QAIKETSU」などが存在します。
※授業シリーズ名は全て弊学園による造語です

● 21世紀型スキル学習 Collaboratoryについて

Collaboratory(コラボラトリ)は、21世紀型スキルの中でも「対人関係スキル」や「効果的コミュニケーションスキル」を学ぶコンテンツです。主に他者との協働の中で発揮できるスキルを学ぶものであり、N中等部の1年目において重点的に学びます。
各回のテーマはSST(ソーシャルスキルトレーニング)を元に構成され、学習方法としてはWSA(ホールシステムアプローチ)やワークショップデザイン論を参考にしています。
各項目の詳細な説明はここでは省略しますが、授業の内容については学園ブログをご覧ください。

<Collaboratoryの主要テーマ>
・見る、聞く、話す
・アサーション
・リーダーシップ
・合意形成
・ファシリテーション など

(授業スライドの例)
リーダーシップの授業では、先頭に立つだけではない「自分なりのリーダーシップ」を考え実践

【参考文献】木村 充・舘野泰一・松井彩子・中原 淳(2019)「大学の経験学習型リーダーシップ教育における学生の リーダーシップ行動尺度の開発と信頼性および妥当性の検討」『日本教育工学会論文誌』43巻,2号,pp105-115

● 21世紀型スキル学習 Mindnautについて

Mindnaut(マインドノート)は感情対処やストレス対処スキル、そしてポジティブ心理学などを学ぶコンテンツです。
主に自己に関するメタ認知能力向上を目指すもので、N中等部では1年目〜2年目の生徒が主に受講します。

元となっているのは主に認知行動療法の発想ですが、Mindnaut自体は療育のプログラムではありません。
あくまでも生徒それぞれが自身のネガティブ/ポジティブな内面に気づくことを目的としています。
またポジティブ心理学のプログラムは、セリグマンのウェルビーイング理論を背景としています。

自己の内面について取り扱うため、授業はワークショップ形式ではありますが他者との協働ではなく内省によって情動を深く掘り下げていきます。

<Mindnautの主要テーマ>
・怒り
・不安
・PERMA(ポジティブ心理学)
・ストレングス(強み)  など

(授業スライドの例)
強みの授業では、ポジティブ感情を抱くきっかけとなる「強み」に気づき活用する方法を考える

● 21世紀型スキル学習 Everythinkについて

Everythink(エブリシンク)は批判的思考や創造的思考など、「思考」をテーマにしたコンテンツです。
先述したWHOによるライフスキルやATC21による21世紀型スキルのどちらにおいても重要視されており、さまざまな思考法を学習します。

特にデザイン思考とアート思考という2種の思考パターンについては、単発のスキル学習だけでなく実際にアイデアを発想し形にする応用型プログラムまで幅広い形態で実施しています。
直近ではデザイン思考を応用し「異世界プロトタイプ」のコンテンツを実施しました。

思考に関して取り扱うため、授業はワークショップ形式の特性を生かし周囲とアイデアの交換やフィードバックをし合いながら学習を進めています。

<Everythinkの主要テーマ>
・アート思考
・デザイン思考
・創造的思考
・批判的思考  など

(授業スライド例)
「デザイン思考」は他者への共感が発想の原点になるため、
相互の協働と個人のプロトタイプ作成を繰り返しながら発想する

【参考文献】ティム ブラウン(2019) . 『デザイン思考が世界を変える〔アップデート版〕イノベーションを導く新しい考え方』 . 早川書房  .

 21世紀型スキル学習のその先へ

21世紀型スキル学習はさまざまな学術領域を元に制作されており、内容の1つ1つが企業研修など社会人が受けることも可能な内容のコンテンツになっています(それぞれのプログラム監修者はこちらをご参照ください)。
ただし21世紀型スキル学習はあくまでも単元学習のようなもので、人生のあらゆる場面における役に立つツールを得るためのコンテンツです。
ツールを溜め込んだだけでは「適切に使用できるかどうか」はわかりません。

真に重要なことは、そのツールを必要な場面で活用できること、ツールを活用するための「自分のプロジェクト(=やりたいこと)」をもっていること、だと考えています。
このような発想から、自分のやりたいことを自由に発想し実際にやってみる授業=Tansaque(タンサク)を2022年度の通学コースで実施しています。
このコンテンツの詳細は次回のnoteにて詳しくお伝えする予定です。

21世紀型スキル学習の前身でもある、21世紀型ライフスキルプログラムに関する資料が経済産業省の「未来の教室」ページに掲載されております。
コンテンツの参考文献等がご覧になりたい方は、ぜひこちらをご覧ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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