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【ぶらり読書の旅】ワイズカンパニー<2021年11冊目>

こうさかです。(2021年1月-2月読書記録)
読んだ本の感想を、音声と合わせてお届けします。

2021年<11冊目>の読書。

<書籍名>
ワイズカンパニー
-知識創造から知識実践への新しいモデル-
(著者:野中郁次郎、竹内弘高)

手に取ったきっかけ

本の要約サイト「flier」にて紹介。

本の概要

現代の名著と呼ばれる『知識創造企業』、四半世紀ぶりの続編。
前著は「ナレッジマネジメント」という新しい分野を生み出し、「知識創造」の理論は数々の学者、そしてき企業のリーダーに受け入れられた。
本著では、その知識を絶えざる実践を通じて知恵にまで高める重要性と、その知恵を獲得・活用するための方法が示されている。
実践を積み重ねることで得られる実践知。その実践知を備えたリーダー【ワイズリーダー】に率いられた、日本を代表する数々の【ワイズカンパニー】の実例をもとに、これからの時代の新しい生き方の議論を深める。

印象に残った内容

①実践することで得られるもの

なぜ「実践」なのか。それは実践によって一人一人の知恵が磨かれるからである。(中略)  実践によって知識が習慣になるとき、知識は知恵に変わる。知識は身につけた瞬間から古び始めるが、知恵はいつまでも古びない。
【第1章 知識から知恵へ P39】

知識は実践されることにより、また新たな知識を生む。

企業がこれまで培ってきたものは「知識」として蓄積されているが、それを実践することで初めて組織に浸透する。自分自身が「知っている」ことを具体的な行動に移しているか。組織に自らプラスの変化を起こすために必要なこと。

書籍などでも「知識」はいくらでも身に付けられるが、行動に伴っていないとすぐに忘れ去られてしまう。実践することで自分にとっての気付きとなり、それが知恵となり自分に蓄積される。その知恵を自分にとどまらず、組織や社会に広げるため、また行動する。すると、また新たな知識を得る。

『行動する』ことの重要性を、本書の様々エピソードを通じて感じる。

②自発的に参加できる「場」をつくる

「場」の中で知識を創造するのは人間だが、知識は「場」に埋め込まれている。状況と、タイミングと、参加者のコミットメントが揃って、知識の創造は可能になる。他者の知識と自分の知識を統合しようとするところに、「場」の本質はある。
【第6章 「場」を創出する P252】

ワイズリーダーには「場」を創出する力が求められる。

集まる人によって、場の空気もそこで交わされる会話の内容も異なる。時に思わぬ方向に会話が進み、全く想像だにしない結果に導かれることも面白いところだ。

知識創造においては、参加者の主体的な姿勢が必要である。
様々なバックグラウンドを持つ者同士、参加者自ら知識を共有し合うが、自発的に参加できる「場」をつくるのはリーダーの仕事。状況を読み取り、何を求められているのかを理解し、タイミングを図ることも必要である。

リモート中心の環境になり、適切なタイミングを捉えることはより難しい。
しかし、場の空気を感じる機会が限られる今だからこそ、どう「場」をつくるか真剣に考える価値がある。

③矛盾を受け入れ、大きな飛躍をする

ワイズカンパニーでは、矛盾は克服されるべき障害とは見なされない。むしろ逆に、知識の創造と実践に不可欠なものとされる。ワイズリーダーは矛盾を受け入れるからこそ、成し遂げるべき善を見失うことなく、状況に応じた最善の判断を下せる。
【第8章 瀬磁力を行使する P376】

受動的に矛盾に対処するのではなく、積極的に矛盾を受け入れる。

順調に進んでいる時に、敢えて相反するような考え方を取り入れてみる。当然、対立する意見も出て、場は混沌とする。しかし、それを乗り越えてまた大きな飛躍をする可能性がある。

組織に属していると、上から矛盾したようなことを言われ反発したくなることがある。しかし、ただ不平を言うだけでは、自分はいつまでも蚊帳の外。そこに自ら飛び込み、矛盾を受け入れて変革を起こそうとする姿勢が、組織も自分も成長をさせる。

最近では、「効率」と「無駄」の両立を僕は考えている。効率的に物事を進め生産性を高めることが重視される一方、敢えて無駄を取り入れて、「一体何の役に立つのだろう?」と思えることに意味を見出すことが、また新たなものを生み出すきっかけになると思う。

感想

非常に重厚感のある本で、正直どこまで理解を深められたかはわからない。ただ一点、「行動を起こすこと」がいかに重要であるかを、数々のリーダーの実例をもとに、じっくりと教えて頂いたような感覚を抱いた。

現場で最善の判断を下せるか。
これは、自分がどの視点で仕事に向き合っているかに関わる。そして、普段から自分で判断をする癖をつけることが、いざという時の瞬発力にもなる。

今の現場を担っているのは自分であることを強く意識し、本書に紹介されているようなリーダーシップ(「何が善かを判断する」「場を創出する」「本質をつかむ/伝える」など)を実践したい。

知識を知恵に変えるプロセスを幾度となく経験し、これからの社会をつくるリーダーの一人となるために。

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