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青春18きっぷ旅が思い出させてくれた、己の特性や思考あれこれ

ここ最近、将来や進路のことで悩んでいた。

何かに追われているとき、またはやらねばならないことで渋滞しているとき、それを冷静に考えることは難しかった。多くの人に悩みを打ち明け、相談させていただいていたが、毎回自分と向き合い続けることにも疲れてきていた。

2か月前だっただろうか。12月に急遽東京で予定が入ることが決まった。

僕は安価で時間的にも都合の良い夜行バスで移動することが多いが、電車旅が好きであること、そして社会人の時分ではここまで余裕のある旅をすることが難しいだろうということから、今回は青春18きっぷを用いた14時間ほどの大移動を決意した。

結果としてこれが非常によいリフレッシュとなり、また、自分の思考も整理されたような気がしている。

1,

青春18きっぷとは、簡単に言えば全国のJR線の普通・快速列車自由席が5日間(回分)乗り放題になる切符だ。発売期間が定められており年中使えるわけではないが、1日(回)あたり2400円ほどで自由に乗車可能であるため、使い方によってはかなりお得に鉄道旅行を楽しめる。

さて、青春18きっぷを用いた鈍行旅行のメリット・デメリットは何だろうか。
分かりやすくするため、「贅沢な時間の使い方」の他の例として以前取り上げた昼行バスを比較事例として考えてみる。

昼行バスでは、SA、PAでご当地商品を購入できる点が魅力であった。しかし、逆に言えばそれ以外の場所での自由行動は難しい。基本的に一度バスに乗ればそのバスを変えることなく、スケジュールに従って目的地まで進んでいく。一方で18きっぷの場合、昼行バスと比較して時間は多く必要となり、また乗り換えの手間が生じるものの、自分の好きな場所で途中下車し、観光、もしくはご当地商品の購入が可能である点でより自由度が高いと言える。

しかし一方で、居住地から目的地まで一本で行けるわけではないからこその留意すべき点もある。それは乗り換え時間と遅延時のリスクだ。とりわけ地方部においては1日当たりの本数が少ない場合がある。僕が今回利用した線区では「2時間に1本」という場合が2度ほどあり、それ以外でも1時間に1本が主流だ。好きな場所で途中下車をできる反面、何も考えずに下車すると時間内に目的地に到着できず、最悪の場合道中でホテルを確保できない危険性もある。また、途中で車両トラブルや人身事故などにより遅延が発生した場合も同様に、その後の予定に大きく影響する場合がある。
だからこそ、予め目的地に余裕を持って到着できるだけのスケジュール設定が必要であり、それが可能、かつ18きっぷ販売期間内であるならば、昼行バスよりも18きっぷのメリットが最大限に発揮される。

青春18きっぷは以上のような特徴を持つため、時間に余裕がない(と考える)社会人生活では確かに難しそうだ。

2、

旅を進めていくうちに、次第に自分の特性に関して気付いたことがある。

第一に、地域特有の魅力に気付く機会の多さである。
僕はまちあるきが好きで、自分のまちでさえ路地や史跡、銅像や喫茶店などまちの様々なサインに注目してしまう。それが新たな土地であればなおさらだ。電車の乗り継ぎの数十分でさえ、駅前をふらっと歩き、そのまちのおもしろさを垣間見る。
よく「よそ者」は地域の当たり前を「当たり前」と思わない感性が大事と言われるが、それをできている自負がある。「まちの魅力を広めたい」「意外な面を知ってもらいたい」という思いは強いほうだが、その前提として自分自身も知りたい、楽しみたいという知的好奇心が僕の行動の源泉なのだろう。

第二に、考えが整理される時間の特徴である。
景色を見ている途中でも、車内で本を読んでいても、ふと頭をよぎるアイデアや考えがときたまある。それは刹那的ではあるが、ただ確信を持てる者でもある。今回の場合は上記のような特徴に気付けたことだし、こうした「思いつき」「思考の深化・振り返り」ができるのはは思い返せばこれまでにも「ぼうっとしている瞬間」「何物でもない時間」が多かった。すなわち、自分自身がリラックスしているからこその機会なのだろう。
自分自身が何かに追われていると、その「何か」に思考が固定化されてしまう。「何か」以外を考えられなくなる。だからこそ、こうした「余裕」が僕には必要だ。

これらに気付くことができたことは大きな収穫だった。

3,

執着する・されるものから離れて、景色を眺めながら何も考えない時間。
最近はめっきり離れていた小説を読み、感性が磨かれる時間。
見知らぬ土地を歩き、小さな発見から心躍る時間。
青春18きっぷは多くの時間を与えてくれた。

社会人になってからは難しいとは思うが、小さな規模でもいいから、たまにはこうした時間を取っていきたい。


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