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地域のパン屋さんで感じた、「何事にも代えがたい幸せ」な時間

ふと立ち寄りたくなる、焼き立てのパンの香り。
パン屋さんのある街が好きだ。
お気に入りのパンは、それだけで幸せな1日にしてくれる。

日常使いできるお手頃なパン屋さんもよいし、こだわりの食材を使ったちょっと特別なパン屋さんも好きだ。スーパーで買うよりちょっと高いけれど、格別に美味しいと感じるのはパン屋さんで買うという「体験価値」のためだろうか。

今日、前から気になっていたパン屋さんに初めて行くことができた。店内で購入したサンドイッチを食べていると、やはり幸せな気分で満たされた。
「地域のお店でパンを食べる」そんな何気ない日常の行動が、僕にとっては非常に大切で、有意義で、明日からの活力を与えてくれるような、癒しの時間であるということに改めて気づかされた。

パン屋さんが、この街にあって本当に良かった。

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今住んでいるまちには、複数のパン屋さんがある。どのパン屋さんも気になるのだが、その中でも特にお勧めな「名店」があると聞いた。その正体は、たまたま歩いているときに見かけた、賑わいのあるパン屋さんだった。いろいろな媒体からも取り上げられており、地域外からこれを目的に来る方も多いという。

気になって調べてみると、店内でもテイクアウトでも可とのこと。テイクアウトもできるけど、せっかくなら最初は素敵な店内で食べてみたい。そう思っていたのだが、引っ越し後のバタバタでなかなか時間が取れなかった…。

今週、ちょうどバタバタも落ち着き、まとまった時間が取れた。
ちょうど商店街で抽選会も行われており、行くのは今しかない!そう思って、そのパン屋さんを目指した。

朝10時に到着する。すでにイートインは満席。しかしながら、意外にも店内利用者の「行列」は少なかった。オーダー時に名前と電話番号を伝えておけば、座席が空いたら電話していただけるとのこと。待ち時間をまちあるきに充てることで、長い行列でしんどい思いをすることもなく、地域外から来た方にもまちの魅力を知ってもらえる。店の前で長蛇の行列ができ、細い道を占領して車が通れないなんてこともない。双方Win-Winな関係で良いなと思うと同時に、そのパン屋さんの地域への愛着も感じる。

別のお店で明朝のパンを買い、またさらに別のお店でスコーンを買い(抑えきれなくなった)、公園で桜を見ながら食べる。そんな充実した「待ち時間」過ごしていると、座席が空いた旨の連絡が来た。目的地まで2分、期待に胸を躍らせながら、自然と速足で向かう。

案内頂いたカウンターで待つこと数分、ついに注文の品とのご対面の時間だ。ハード系のパンズで挟んだサンドイッチとハンドドリップコーヒーのセット。期待していた通り、いや、期待以上のおいしさだ。味わいたいと思いつつも、無心でサンドイッチにかぶりつく。その時間は、何事にも代えがたい幸福の時間に感じた。

と、同時に感じた。今、自分が行っている行為は、言ってみればただ、「地域のお店でパン(今回はサンドイッチだが)を食べる」ただそれだけのこと。決して超高級なフィレステーキを高層ビルの最上階で食べているわけではないし、遠方の温泉旅館でゆったりと温泉に浸かっているわけでもない。日常の中にある非日常。ちょっと手を伸ばせば手が届く幸せ。いつものご飯よりちょっとだけ贅沢をする。手作りでこだわりのものを食べる。そんな幸せが、自分にとっては代えがたい時間のだと気づく。

これまでも似た経験があった。例えば、「カフェでコーヒーを飲む」という行動。家でもコーヒーを飲むことはできるし、なんならそのほうが安い。しかし、あえてカフェでコーヒーを飲む。それは、「コーヒーを飲む」という日常の行為を、あえて「非日常」の空間で飲むからこそ、ちょっと特別で幸せな時間になるのかもしれない。そこに友人との会話が加われば「楽しかった」という思い出になるし、一人で本と向き合う時間でも、いつもよりなぜか集中して読めたり、「良い時間だった」と思えることが多い。

仕事で落ち込んで、リフレッシュしたいと思うとき。そうでなくても、ちょっと気分転換をしたいと思ったとき。時間とお金が十分にあるのなら毎回旅をしたいのだが、なかなかそうもいかない。

そんなときには、地域のお店で「ちょっといいもの」を食べてみる。ちょっと「非日常」を感じてみる。小さな行動だが、その行動一つが、明日からの自分をちょっと、前向きにしてくれるのかもしれない。

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