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脱線が少なく皇族問題が分かる良書

本書の概要

本書は皇室のうち、特に皇族に関して、最低限の知識とそれを補足する補遺の四章立てとなっている。それぞれの章本体はコンパクトにまとめられていて、脱線が少ない。これを読めば、女帝と女系天皇の違いや旧宮家の皇族復帰の議論も何を論じているかが分かる。

本書の詳細

1章は皇位継承問題を語るうえでの4つの前提を話す。人の家には口を出さないこと、皇位の安定継承は今の技術では難しい、皇室の判断基準は先例に倣うこと、元皇族というときの言葉の使い方の違いである。
2章は小泉政権下で女系天皇を容認した時代背景を読み解き、その後の時代での有識者会議の変移を説明する。女系天皇容認から男系天皇維持旧皇族の皇籍復帰という流れは見事。
3章は秋篠宮家バッシングについてである。小室眞子さんが皇籍を離脱する際のバッシングも酷かったが(ヤフコメ投稿不能が連発)、そもそもの発端は殿下の平成31年誕生日会見で大嘗祭りの公費負担に関するご発言だったようで、たしかに、平成の終わりあたりから雅子皇后バッシングから秋篠宮家バッシングに替わったような気がする。これ以外にも、秋篠宮殿下は公務の在り方にも言及していて、次代である悠仁殿下の負担を減らそうとしている印象を受ける。
4章は旧宮家の皇族復帰に関するよくある批判とそれに対する回答である。

本書を読んだ感想

色々と皇族関係の書籍はあるが、これは皇族の安定性に関する議論をする上でポイントが抑えられる良書。大半の日本人にとっては意識しようがしまいが日本といえば天皇となるので、これは読んでおいて損はない一冊。

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