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詩│心の蕾はさくらいろ

きみの詩を読んだらこころが膨らんだ

自分の弱さを受け入れられた

何かが解けていくように

穏やかな川をみているみたい
昨夜の話の続きがあって
飲み会の帰りの話ね
川橋を渡ると
桜の並木道になってるところを歩いたんだ
川の向かいにはいとこの家があって
何年か前に
桜の季節に彼女が子供を連れて
お花見をする姿をみた

彼女には弟がいて、まあその子も
わたしのいとこだけど
彼は小さな頃から女の子のような男の子だった
逞しく美しく成長して結婚した矢先に
若くして亡くなった

姉である彼女から聞いて彼がこの川でよく釣りをしていたのは知っている

わたしはそれからここの桜が咲くと

彼女が桜に語り掛けるように笑顔でみていた姿を思い出すんだ

その時は何故か

声は掛けたくなかった

笑っていた彼女の優しい笑顔を

そっとやきつけたかった

まるで姉と弟が楽しげに話しているみたいだったから

弥生三月はね、実は

いつか話たように

お別れの季節なんだ、わたしにとっても

でも、それと同時に花も咲き出す季節

花と人々の笑顔が出会える季節だね

そんな桜の並木道をきみと手を繋いであるく
夢をみながら昨晩は歩いたよ

さくらいろのしあわせが今、

わたしの心に咲いていく

きみの優しい微笑みで癒やされていく
不思議だ
きみという人にはあの頃の話だって出来た

今までぎゅっと
痛いまま握り締めていた氷が

きみに出会えてから

いつのまにか溶けていたんだ

「生きてきてよかったよ、わたしはしあわせだよ」

そう

川の向こうにあるいとこの家と

目の前にある桜の木をみつめながら

つぶやいた

わたしの心は桜並木沿いの

優しい川の流れにのって

硬い蕾が開くように 

きみの手のぬくもりで

手のひらの氷は溶けていったんだ

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