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授乳のときのスマホはダメって私には言えない

授乳のときは、赤ちゃんの顔を見て、幸せな気分になろう!

って30年前の私の子育てのときも言われた。

そうすると、そうよね、あんな幸せな時間はないわよね!
って、反応する人がいて、

ん~~~~~・・・・・・ってなってた。

だって、(元)パートナーは家事育児、何もできなくて、しなくて、
(頑張ろうとしていたんだけどね)
私には
家の中にはやらないとどうしようもない家事、
勤務先から持ち帰りの仕事が山ほどあって、
細切れの睡眠しかとれなくてっていう中で、

じーっと赤ちゃんの顔を見て幸せに浸っている、

なんてことは、神業だったから。

たとえ、そうでなくても、私は、

6畳二間の狭い2Kマンションで、
ベランダからわずかに同じ景色が見えるだけで、
部屋の中に目をやれば、洗っていない洗濯物の山と食器の山が目に入って、
ダメだなお前っていう天の声が聞こえてくる閉じ込められた場所で、
ぴたっと赤ちゃんにくっつかれて、
じーっと30分、を一日にトータルで3-4時間、
毎日、繰り返して、
毎回、赤ちゃんかわいい~~~って思ってニコニコ見つめていられる人

ではなかった。

でも赤ちゃんのためにはそうしてあげた方がいいっていうのは頭でわかってる、どうしよ~~って思ってた。
(産休中は子育てに何の問題もなく、余裕があったからできてた。
 だから、条件によってはそれができるっていうことも知っている)

辛~い気持ちが襲ってくるのをひたすら耐えている状況。
それってメンタルによくないでしょ?うつになるでしょ?

もっとも、当時はスマホはまだそんなに普及していなかったから
見るなら、テレビとか雑誌とかだったんだけれど、
実はでも、テレビや雑誌を見る余裕もなかったから、
ひたすら布おむつや洗濯ものを畳んだりしてた気がする。

でも、私みたいに、人前で胸をはだけて授乳するのも気にならない
(それでも見せびらかすのもなんだから(笑)、
 ちゃんと見えないように配慮していました、念のため)
っていう人にとっては、
ざわざわとみんながいろいろなおしゃべりしたり活動したりしている
生活の場所で、
それに参加したり見たりしながらおっぱいをあげるのは、結構楽しくて、
きっと赤ちゃんもその中で、いろいろなことを感じつつ、おっぱいを飲んでいたんだと思う。

2人目の子育てのときは、それができる環境が楽しかったのを覚えている。家の中では、上の子もいて3人だったし。

だから、そういうことができるときは、
スマホもテレビもいらない。
生活の一コマだから、「ながら育児」と呼んで責める人もいない。

でも、今は、外出先では、
トイレの個室みたいな、いわゆる授乳室という「スペシャルルーム」をあてがわれて、そこで授乳することがあたりまえになってて。

そうすると、
いくらかわいい壁紙が貼ってあって、きれいなお花が活けてあっても、
狭いところで2人ぼっちでずっと時間を過ごすのは、きついんですよ。
それも一日に何回も。

ましてや殺風景な箱、みたいな授乳室だったら、
息もできない感じ。
授乳したことがない方は、
トイレの個室に一回30分、一日3-4時間動けずに入っている
ことを想像してみて。

家の中でも、さっき書いた通り。
ワンオペでいつも同じ場所にずっと座っているのは、辛い。

・・・ていうことは、なかなか想像してもらえないんですよね。
私はその時間がとても幸せだった!!っていう人がいる以上、
どうしてあなたはそうならないの?って聞かれてしまう。

そして、理想の子育てを目指すお母さんは、
赤ちゃんのことをじっと見つめていられない自分はダメなんだって
自分を責めちゃう。

あるいは、割り切ってしまっている気丈なママは、
私はこれでいいんです!って開き直ってスマホをずっと見てることになる。
赤ちゃんが起きているときは、ゆっくり育児情報を読む時間もないし、
自分の時間なんてないからね。
それに、赤ちゃんは少し大きくなると、スマホを触ろうとするようになるから、授乳中くらいしか、ゆっくり見る時間が取れない。

赤ちゃんの発達にとっても、母親の身体にとっても、
スマホはきっとよくないけれど(そういう研究あるのかな?)、
じゃあ、母親のメンタル面を考えるとどうなのっていう話になるんだよね。
(でも、この投稿で、授乳のときのスマホはOKとか、仕方ないっていう結論にされてしまうのは困るので、全部を読んでくださいね。よくないって私は思ってる)

我が家は、2歳の孫にスマホを見せない、渡さないようにしているけれど、
これからまた2人目が生まれて授乳するだろう娘には、
スマホを見ないようにと言う代わりに、
授乳中にスマホなしでも楽しく過ごせる環境ができているように配慮したいなぁ、でもそれはどうしたらできるかなあと思う。結構大変。

縁側があって、移り変わる外の景色が楽しめるような広い家で、
たくさんの人がいてっていう環境を用意できればいいのだけれど。
子育て支援のひろばが、
胸をはだけて授乳してもいいよっていう感じの場だったらいいんだけれど。

・・・
親たちは、しばしば「赤ちゃんによくない」ことをしてしまう。
でも、それには事情がある。

赤ちゃんのことを知るために、
親御さんたちには、なぜそうなるのか?って赤ちゃんの身体や環境と同じ状態を作って身を置いてみることをお勧めしているけれど、

それだけでなくって、
今どきのお母さんの身体に「なってみる」、環境を想像してみることも必要なんじゃないかな。

そして、仕方ないね。じゃなくて、
地域のみんなで、親子ともにwinwinな子育てをするにはどうしたらいいか、知恵を絞って子育て環境を作っていくしかないんだと思う。

地道だけれど、「社会で子育て、地域で子育て、社会的親(コミュニティペアレント)がいる子育て生活」を作っていくための地ならしの活動を
私はしているし、みんなで取り組んでいきたい。
とても大変なんだけれど、とても大切なんだと思っている。

※ 写真:室伏淳史氏提供の写真の部分
     元の写真はこちら。



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#社会的マルトリートメント #一般社団法人ジェイス  

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