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あなたを幸せにしてくれるのは、誰?

ニュージーランド在住で、総合診療科医、ライフコーチ、Havening technique ®️プラクティショナーなどをしています。

最近、少し気持ちが沈んでいました。
まあ、そんなことは時々起こって、また気分は普段のレベルに戻るので、
いつもはそれについて、余り考えません。

ただ、今回は、最近頻度が少なくなっていた偏頭痛も起こったため
ちょっと自分の内面を覗いてみることにしました。

偏頭痛とセロトニンは関連しているので、
「気分が落ち込んでいる」=「セロトニンレベルが下がっている」 =「偏頭痛が起こる」という感じに繋がっている可能性がありそうです。

別に、特に最近ストレスフルな事があった覚えもありません。
でも、もう一度、最近の数週間を省みてみました。

思い起こしてみると、
いくつか小さな「がっかりする事」や、「ちょっとストレスを感じる事」がありました。

  • 「公立の医療システムの中でメンタルヘルスの職に就けるかも」と話を持ちかけられながら、結局は人事に「精神科医以外は要らない」と断られたり

  • 待ち合わせの約束を、連絡もなくすっぽかされたり

  • ニュージーランドは3月に税上の一年が終わるので、確定申告をしないといけなかったり

  • 自分のボランティアワークとして、捨てられる布をアップサイクルして作ったポット用のマットがあまり売れていないと知ったり

まあ、他にも、あまり気にかけなかったけど
小さな「ちょっとがっかりする事」を幾つか思い出しました。


そこで、(そうか、確かにこの数週間「嬉しい、幸せ」って感じた覚えがないなあ)
と思い、その時、気が付きました。

私はどれだけ自分の幸せを、自分以外の人や物に頼っているのか。

  • もしも、やりたい職を貰えたら

  • もしも、約束した人が現れたら

  • もしも、誰かが自分の確定申告をしてくれたら

  • もしも、誰かが自分の作ったマットを買ってくれたら

私は、幸せを感じたと思います。

私だけでなく、多分多くの人は

  • 宝くじに当たったら

  • 子供が「良い学校」に入ったら

  • 天気が良かったら

  • 誰かが自分を認めてくれたら

  • 自分の記事に「スキ」が付いたら

「嬉しい、幸せ」と感じる、と思います。

  • 病気にならなかったら

  • 配偶者がもっと優しかったら

  • 子供が手間のかかる子でなかったら

  • 自分の親が「毒親」でなかったら

  • 自分の会社が「ブラック」でなかったら

もっと「幸せ、嬉しい」と感じたかも知れない、と思う方もいらっしゃると思います。

自分を含め、こういう自分の周りで起こる事で「幸せ」や「不幸せ」を感じるのは、ごく普通の感情だと思います。

それが「良い」とか「悪い」という事ではありません。

ただ、自分の「幸せ」を全て「自分の周りの人や物事」に任せてしまう、のは危険ではないでしょうか

なぜなら「自分の周りの人や物事」は自分ではコントロール出来ないからです。

今、トラウマに於いては第一人者の1人と言われるGabor Mate氏が、トラウマに関して言った言葉があります。

Trauma is not what happened to you, but what happens inside you as a result of what happened to you.
トラウマは、あなたに起こった出来事でなく、その出来事が起こった結果、あなたの内面に引き起こされた事なのです。

Gabor Mate


私は、多分「幸せ」についても、似た様な事が言えるのかな、と思います。

「幸せ」は「自分や自分の周りに、運良く起こった事」ではない。

私が「自分や自分の周りに起こっている事」について
どれだけ自分の内面で「幸せ」を感じる事ができるか、が重要なのではないか。

小さな「がっかりした事」は思い出しやすかったけれど、
じゃあ、小さな「嬉しい事」はどうか。

よーく考えてみたら、ありました。

  • 美しい朝焼けを見た時

  • 猫が自分が寝ているベッドの上で、無防備に平和に寝ているのを見た時

  • 患者さんが、私が話した事がすごく役に立った、とか、普通なら知らない医者と話すのはすごく緊張するのに、全く緊張しなかった、とか言ってくれた時

  • こんな可愛い鉢植えの植物を見た時


「それ、無理やりポジティブ思考じゃないですか?」という方もいらっしゃるかも知れません。

そうかも知れません。
もしも、あなたが「こうやって考えるのは自分のためにならない」と感じれば
そうしない事を選べば良いのです。

私は、「小さな事の中に、自分で幸せを見出す」というのは意味があると思います。

人間の感情、考えは、神経のつながりと、それに関わる化学物質で変化しています。
ある事をすればするほど、それを起こすための神経のつながりは強化されます。

利き手が右手の人が、左手を使うのは大変ですよね。
あなたが幼い時に、片方の手が使いやすい事に気づき、何年もそちらの手を使ってきた結果です。
あなたの体の中で、その様に神経の伝達が行きやすい状態が、既に作り上げられているのです。

同じ事が、感情にも言えます。
多くの人は、自分で「幸せ」を見つけ出して、それを感じる事をしません。
多くの「幸せ」は他力本願です。

ただ、「不幸せ」を見つけて、それを感じることはよくやっているので
その神経のつながりは、まるで私達の利き手の様に、どんどん強く、器用になってきます。
その結果、どんどん「不幸せ」を感じていく。

最後に

あなたの今週を振り返って、「幸せ」を感じたのはどんな時でしたか。
その中で、他力本願でない「幸せ」はどのくらいありましたか。

どの位、自分で「幸せ」を見つけて感じ、どの位それを思い切り味わうか。
どれだけ、自分の幸せを人任せにしないか。

それが、「自分の人生」というバスの運転を、
他の人に任せず、自分で責任を取る、という事に強くつながると思います。

今日も長文を読んで頂き、ありがとうございました。

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