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【映画】ちひろさん PG12

昨日公開された映画とは知らずにNetflixで観た。最近どこかで有村架純さんの「最初は役を掴むのが難しかった。」というインタビュー記事を見て気になっていたからだ。有村架純さんの作品では、ドラマ「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」が好きだ。

<あらすじと主なキャスト>HPより改変
自分の過去を隠そうともせずひょうひょうと生きるちひろ(有村架純さん)は、港近くのお弁当屋さんで働いている元風俗嬢。色目で見る男性たちも、ホームレスのおじいさん(鈴木慶一さん)も、子どもも動物も誰に対しても分け隔てなく接する。彼らは皆それぞれに孤独を抱えている。厳格な家族に息苦しさを覚える女子高生・オカジ(豊嶋花さん)、不登校生べっちん(長澤樹さん)。シングルマザー(佐久間由衣さん)の元で愛情に飢える小学生・マコト(嶋田鉄太さん)。過去の父子関係に苦悩する青年谷口(若葉竜也さん)。そんな彼らとご飯を食べ、言葉をかけ、それぞれがそれぞれの孤独と向き合い前に進んで行けるよう、時に優しく、時に強く、背中を押していく。勤務していた風俗店の元店長(リリー・フランキーさん)、元同僚(van)、弁当屋の店長尾藤(平田満さん)、入院している弁当屋の店長の妻・多恵(風吹ジュンさん)、パートのおばちゃんを(根岸季衣さん)と脇を豪華俳優陣で固めている。心のままに生きるちひろと、ちひろと出会う人々―彼らの孤独と癒しの小さな物語。

<感想>
生きる基本は食、「まずはお腹を満たしてそれから考えよう。」って背中をさすりながら、言ってもらっているような暖かさがあった。みずからすすんでの孤立と、家族や、学校の中の望まない孤独が存在する。何不自由ないように見える家庭にも心安らかな居場所がなかったりする。家庭にも、学校にも居場所がない場合の第3の場所、利害関係のない関係ってやっぱりあるといいなと思った。そこでの癒し時間、関係があれば、その人たちを思い、その人たちの目で見守られながら、まっすぐに成長できるのではないかと思う。社会に埋もれている問題をギュッと集めた作品だと思った。

少し話がそれるが、子供が小さい頃、近くの保育園である女子大の学長さんのお話を聞いた事がある。
「毎日挨拶しても、挨拶を返してくれない子がいるとして、どうせ挨拶したって返してくれないんだから、もうこちらから挨拶するのをやめようと思ってしまうことがあると思う。でも、あきらめずに声をかけ続けてほしい。挨拶は返ってこないかもしれない。でも、もし、その子がこれから犯罪を犯そうと家を出たとして、近所の方に挨拶されると、自分を見ていてくれる人がいると我に返り、思い直して犯罪をせずにすむかもしれない。」そういうお話でした。昨今の治安の悪さゆえ、同じマンション内でも、挨拶は無視される事が多い。コロナ禍は声を発することさえ躊躇していた。でも、やはり声を掛け合う事って大事だと思っていて、そんなことを思い出させてもらう作品でもありました。

【注意】以下ちょっぴりネタバレあり
作品を観てから読んでほしいです。
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(ちょっぴり辛口)
・佐久間由衣さんが作る焼きそばが豪華すぎ。フライパンでジャッジャッと炒めていたあの具材のみの焼きそばの方が、オカジんちの豪華な夕食との落差が出てよかったと思った。
・おじいさんがちょっぴり下心が出てしまって「こぉらっ」ってたしなめられてもよかったかな。
・伏線回収とういか、あの秘密が表に出なくてよかったのか、ちょっともやもや。いや、うん。よかったんだけど。ね。
ーおしまいー



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