教員が、休職したらどうすればいいのか。休職して復帰するためになにをしたらいいのか。

現在、休職中である。
公立学校の教員をしている。息子がひとりいる。

私はだいぶ頑張りすぎていたと思う。色々なタイミングで、人生には、ホッとする時間があるのかもしれないけど、私はこのタイミングだったのだろう。休職を前向きに捉えようとした結果、このように考えるに至った。

自分はこの教職という仕事に魅力を感じるし、使命感みたいなものと情熱もあるが、ちょっとやり過ぎ、の部分もある。この仕事と長く付き合っていくために、立ち止まるいい機会なのかもしれない。迷惑をかけてしまっているのが本当に辛いのだけれど。
そしてその罪悪感から逃れるために、こうやって文章を書いている。

教員が、休職したらどうすればいいのか。休職して復帰するためになにをしたらいいのか。をテーマに書いていきたいと思う。
願わくばこの文章が、他の人たちの力になれば、と思って書いている。
何よりも今読んでいる貴方が、職場に復帰するためである。
(職場に復帰というのは、社会に参加し、仕事ができる状態、と定義する。その仕事は、教職だけに限らない。)

今相当辛い状態にあるのではないかと、想像する。思うように身体が動かず、頭がぼんやりして、何をするわけでもなく、日々を過ごしていることだろう。それがどれ程辛いことか。これは、今、貴方しか感じられていない。残念ながら、家族も、同僚も、経験者でも、今の貴方の気持ちやしんどさを、理解することはできない。だから、だからこそ、今貴方自身が己を労ってあげてほしい。「よく頑張った」「今、つらいよね」「大丈夫」「よくやってた、十分だよ」・・・と。

私は今2度目の休職をしている。そのようなやつが本当に大丈夫なのか?と疑問に感じることだろう。(それは私も感じていることである)
でも、そこで得た経験は、かけがえのないものであり、これを共有し、私の経験を個人のものだけに留まらせないようにしたい、という思いがある。
また、私は今まで、親の障害、宗教、兄弟の精神不安、自分の不登校の経験など、いわゆる普通の人生とは言えない人生を歩んできた。少しでも、私の経験を活かしてほしい。その思いでいっぱいである。

本題にうつる。

休職中にするべきことは、以下である。
1、休む(罪悪感を感じずに)
 睡眠 昼寝もしてよい。寝られないなら主治医に要相談である。診察時に1週間くらいの睡眠について報告するようにする。
睡眠は本当に重要である。だからこそ、睡眠薬など、投薬には慎重になるべきだが、相談はしてほしいと思う。
 食事 まずは食べられるものから。少し選択する元気や、これが食べたいなという気持ちが出てきたら、それに従ってみる。食べることが大事である。
 運動 まず最低限の家事をする。皿を洗う、洗濯物を干す、など。できなければ外注。散歩は次の段階である。
焦ってしまうと思うが、とりあえずこの3つができなければ、次の段階にはいけない、いってはいけない、と思った方がいい。

休職してすぐ、また一度ガクッとしんどくなることがある。正常の反応である。
しんどいときは、時をすぎるのを待つ。これのみである。
ぜったいに死なない。必ず良くなる。これを心に刻んでほしい。
おそらくここまでで、6ヶ月かかるひともいる。大丈夫である。必ず良くなるので、しっかり待ってほしい。

2、学ぶ
十分休養し、少し暇だな、なにかしようかな?と思ったら、意識してやってみてほしい。
まずは午後一時間、とかからやってほしい。
精神医療、心理学(臨床心理学)について学ぶことである。
自分分析レポート的なものを書いてみてもよい。
 いまはyoutubeで精神医学について勉強できる。自分の受けた診断のものや、それに関わるものなどの動画を2~3本みるとよい。おすすめは、早稲田メンタルクリニックの益田先生のやっているチャンネル。本を読むのは難しいと思うが、本でもよい。

3、書く
 文字に起こすことは非常に大きなリハビリテーションと思う。文字をうまく書くことができないひともいると思う。無理せず、気軽な気持ちで、思うままに筆を走らせてほしい。軽い日記でもいいと思う。毎日の様子や、今の気持ち、前しんどかったことを、文章にしてみる。すこし、すっとする状態を感じれるかもしれない。主治医にも日記を書き始めたことを伝えることも、良いとおもう。

ここまでを罪悪感なくできるようになるまでには、人によっては、1年~2年かかるかもしれない。
それほど、休職するまでに、色々な波があり、脳や神経が疲れはて、休養の時間が十分必要な状態だった、ということである。
必ず、良くなる。ただし、回復には時間がかかる。神経がすり減った状態で、正常な判断はできない。できたとしても、合理的ではない選択をしていることが多い。家族、主治医、心理士と確かめながら進んでいってほしい。また重要な判断を下すときは、信頼できるひとに話をしながら、判断してほしい。

カウンセリングは非常に有効だと思う。教職のものは、マル秘事項が多いが、専門職のひとに話せば、「秘密が守られている」中で、自分の思いを語ることができる。これは、非常によいと思う。

貴方の休職の1分1秒は、必要な1分1秒です。無駄ではない。
いやむしろ、無駄な1秒でもいい。10年後、貴方が社会復帰し、楽しく過ごしているなら、それでよい。その思いで、1分を過ごせばよい。焦ると思う。涙がでると思う。不安だと思う。でも大丈夫。とりあえず時を過ぎるのを待つのだ。

ここまでのことで、絶対に無理してはいけない。
疲れを感じたら、横になろう。
焦りを感じたら、動画をみよう。
不安なら、日記を書いて、自分の状態を客観視しよう。
休む、というと、なんだかわからないが申し訳ない気持ちになる、というひとが大半だと思う。
大丈夫。その申し訳ないという気持ちがあるだけで、いい。すてきです。

しかし、貴方が元気になり、復帰するには、今現在は、感じなくてよい気持ちなので、、、
その申し訳ない気持ちをイメージ(ずっしり、重いかもしれない)し、手でもって、自分の斜めうしろに置いてみてほしい。
ちょっと手を動かすと、さっと触れる程度の場所。そこに置いておこう。
たまにうしろをみると、ちゃんとある。
迷惑をかけている、申し訳ない、そういう気持ちは一旦は、見えない場所に。また向き合うことができるようになる。今ではないだけだ。

ここまでで、ようやく、第一段階、というかんじ。もし休職に悩んでいるひとがいるなら、思い切り休んでみることも大切である。

そして、第二段階の
4、仕事への準備
5、継続したメンテナンスと、治療の継続

というフェーズに入る。
一度メンタルダウンを経験すると、無理がきかなくなる。
それでも踏ん張って、日々のことをこなしていかなければならない。
その踏ん張りを効かせるために、自分のメンテナンスは必要である。
カウンセリングや、趣味、休養、適宜の治療、診察で、乗りきってほしい。

現在休職している自分がどういう状態かを、モニタリングすることは非常に大切である。
質問や不安は、主治医には言いにくいかもしれないので、あらかじめ紙に書いておく。診察時にそれを見せるという方法がよいと思われる。診察時間短縮にもなる。

第三段階は、
復職である。そして、治療の継続、再発の防止、という段階にはいる。

決して無理しないでほしい。
一旦終わる。