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ほぼ確定した未来1  「医師、弁護士はますます重要に」

AIのことも知らず、医師、弁護士の仕事の実態も知らない人が平然と「彼らの仕事は真っ先にAIに奪われる」などと主張します。私がAI専門家の代表として出演したTVタックル2019年1月13日放映の冒頭では、収録VTRで某エンジニアが、医師、弁護士の仕事がAIに取って代わられると断言。思わず眉を顰め、どう理路整然と、かつ、共感を得ながら反論するかに頭を痛めました。

 私には弁護士の友人知人が100人以上います。医師もそれに準じます。自ら東大病院所属の医学系研究科大学院の研究員を兼務し今年3月までは、教授からも先生と呼ばれつつ、彼らの仕事をつぶさに眺めてまいりました。米国でも交通事故にあってマサチューセッツ総合病院に通院し、女医と冗談かわしながら彼らの日常業務がどういうもので、どう頭をつかい、コミュニケーションして問題解決しているか一生懸命把握、理解に努めました。TVドラマにいたっては、1000数100時間以上見て、ポイントを頭にいれてきました。

 TVタックル冒頭の収録ビデオ氏はじめ、医師、弁護士の仕事の実態を知らない人たちが出鱈目を垂れ流しています。彼らはAIも知りません。原子力関係の工学博士ながら、AIを知らない著名人が、AIの本と称して、「今日のAIは論理が得意」などと、180度正反対の嘘を堂堂とベストセラー書籍に書いていたりもします。

 もっと酷いのは次の記事です。AIは頭脳の領域だから、高度な頭脳労働者が失業する、と。杜撰極まりない思考停止、何も考えていない御仁です:

 2019年1月に国立情報学研究所が主催した「AIによる法学」シンポジウムでは、AIに精通した、民事訴訟法の権威の東大法学部教授らのパネル討論で、AI裁判官ならまだ今世紀末に可能かもしれないが、AI弁護士はありえない、と説得力ある結論となりました。東大の電気電子情報の大学院を出て電機メーカーの中央研究所で19年間AI研究に従事した上で弁護士となったM氏も同感。自らの業務フローの一部を分解して構造化。
 訳の分からない日本語で要求を述べ、時に嘘もつくクライアントとのやりとりから、情報収集、方針検討を行う、高度に形式知と暗黙知を融合させた業務。上記引用先の著者や、TVタックル冒頭氏の仕事よりはるかに高度でAIに代替されない仕事をしているのが普通に優秀な弁護士です。

 「AIに勝つ!」p.326 に、弁護士業務の1側面を図解しています。これを眺めただけで、上記を納得していただけることと確信しています。医師についても同様ですが、また稿を改めたいと思います。

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メタデータ(株)の野村です。人工知能研究40年、WordNet活用研究への貢献から、言語学の深みを活かした自然言語処理応用で知識処理、文書分析、対話、要約を高度化へと研究開発を展開。産業、社会、行政、教育(特に芸術、人文科学)の様々な問題について、なぜ?と自問自答し続けています。

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