野中幸宏

編集者とデザイナーによる覆面書籍レビュー・ユニット。日々喫茶店で珈琲啜りながら、読んだ…

野中幸宏

編集者とデザイナーによる覆面書籍レビュー・ユニット。日々喫茶店で珈琲啜りながら、読んだ本の話をしています。講談社BOOK倶楽部&講談社コミックプラスでブックレビュー連載中。https://goo.gl/uZ6HUo

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  • (ほぼ)毎日更新ブックレビュー【ふくほん】野中幸宏選01

    講談社BOOK倶楽部のブックレビュー「ふくほん(福本)」に掲載された野中幸宏レビュー分をまとめています。

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地道な努力では成功しない!? ハッカーと企業家の共通点を盗む本|『時間をかけずに成功する人 コツコツやっても伸びない人 SMARTCUTS』(著:シェーン・スノウ 訳:斎藤栄一郎)

・小さな成功を地道にたくさん積み重ね、大きな成功にたどり着こうとする。 ・自分の実力をひたすら磨き、一人でがんばる。 ・とことん考えた自分のアイデアを自分流に発表する。 ・何事も全力投球。どんな仕事でも「100点」を目指す。 ・どんな環境であっても、すべての案件について個別に努力する。 ・新しい商品やサービスで未知の市場を創る「ファースト・ムーバー」を目指す。 ・人脈を広げようと、いろいろな人とコンタクトを取る。 ・ネットワークができたら、どのような協力をしてもらおうか

    • 【恐怖】憲法はどこへ? 辺野古の人権侵害、権力の独裁、無謀な戦争|『憲法という希望』(著:木村草太 対談:国谷裕子)

      講演と国谷裕子さんとの対談で構成されたこの本は、深い内容を読みやすく語った憲法の入門書であり、また具体的な例で法構成(解釈)を解説していかに「憲法を使いこなす」かということを示した出色の1冊です。 講演は“立憲主義”とはなにか、から始められます。 ──立憲主義とは、ごく簡単に言えば、過去に権力側がしでかした失敗を憲法で禁止することによって、過去の過ちを繰り返さないようにしよう、という原理のことです。── 国家権力がやりがちな過ち(失敗)は3つ、「無謀な戦争」「人権侵害

      • 「独立国家」を0円で建てた男──日本を変える、支持率断然!の視座|『独立国家のつくりかた』(著:坂口恭平)

        以前紹介した『現実脱出論』が坂口さんの“原理=闘争宣言”だとすれば、この本はそこにいたるまでの坂口さんの“活動報告書”といえるものだと思います。 さて、自らを初代新政府内閣総理大臣と任じる坂口さんの考える“独立国家”とはどのようなものでしょうか。芸術家の考える“夢想”というようなものではありません。 たとえば以下のような疑問に正面から答えようというのが坂口さんが作り上げようとする“独立国家”です。 1.なぜ人間だけがお金がないと生きのびることができないのか。そして、

        • 【ヤバすぎる背景】日本の貧困問題・貧困事情はなぜ表面化しないのか?|『貧困世代 社会の監獄に閉じ込められた若者たち』(著:藤田孝典)

          総務省統計局のこのような統計数字があります。 労働力調査(基本集計) 平成28年(2016年)8月分 (2016年9月30日公表) (1)就業者数,雇用者数    就業者数は6465万人。前年同月に比べ86万人の増加。21安倍ヵ月連続の増加    雇用者数は5722万人。前年同月に比べ83万人の増加。44ヵ月連続の増加 (2)完全失業者    完全失業者数は212万人。前年同月に比べ13万人の減少。75ヵ月連続の減少 (3)完全失業率    完全失業率(季節調整値)は3

        地道な努力では成功しない!? ハッカーと企業家の共通点を盗む本|『時間をかけずに成功する人 コツコツやっても伸びない人 SMARTCUTS』(著:シェーン・スノウ 訳:斎藤栄一郎)

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        • 「独立国家」を0円で建てた男──日本を変える、支持率断然!の視座|『独立国家のつくりかた』(著:坂口恭平)

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          現自民党の本心はヤバい。安倍政権「反知性主義」で起こる悪影響まとめ|『偽りの保守・安倍晋三の正体』(著:岸井成格/佐高信)

          スキャンダラスというか時事的すぎるようにも思える書名ですが、中味は堂々たる保守論、自民党論です。 佐高さんによれば、かつては自民党には二つの大きな流れがありました。 ──安倍の祖父の岸信介に始まって、福田赳夫、小泉純一郎、そして孫の安倍と続く国権派の流れがあり、それに対して、石橋湛山、池田勇人、田中角栄、河野洋平、加藤紘一とたどられる民権派の系譜がある。前者に中曽根康弘を加えてもいいが、国権派は、まず国家ありきで、市民という言葉を極端なまでに嫌う。市民を嫌うということは

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          西郷、信長、内蔵助、そして天皇。理想のリーダーから「日本国」を読み直す|『日本人の肖像』(著:葉室麟/矢部明洋)

          歴史上の人物を論じる荻生徂徠の言葉に「いり豆をかじりつつ古今の英雄豪傑を罵倒するは人生最上の快事である」という有名なものがありますが、「罵倒」はさすがに徂徠ほどの学識がないと……とは思いますが、「歴史上の人物」は良きにつけ悪しきにつけ私たちの“鑑”ではあるのかもしれません。 この本は、壬申の乱後の「女帝の世紀」から明治の「西南戦争の西郷隆盛」まで10数人の歴史上の傑物を縦横に語った第一部、さらに大坂の陣から天皇、憲法問題など、専門家6人と熱い論議を重ねた第二部で構成され

          西郷、信長、内蔵助、そして天皇。理想のリーダーから「日本国」を読み直す|『日本人の肖像』(著:葉室麟/矢部明洋)

          【あなたは大丈夫?】他人の苦しみに快感のサインが出る「モンスター脳」|『ゆがんだ正義感で他人を支配しようとする人』(著:梅谷薫)

          「こちらの行動に問題があるわけでもないのに、なぜか理不尽な攻撃を仕掛けてくる」、そんな危険な隣人が増えている……。ストーカーだけではありません。なかなか止むことのないハラスメント、モンスターペアレンツ、モンスタークレーマー……。身に覚えのないことで責められる、誤解を解くこともできず一方的な悪口・ウワサに悩まされる、一言いうと逆ギレされる、息苦しいことが増え安心できる場所がどんどん狭くなっていく……。 この本は、そのような「危険な隣人」がなぜ生まれたのか、そしてそれから身

          【あなたは大丈夫?】他人の苦しみに快感のサインが出る「モンスター脳」|『ゆがんだ正義感で他人を支配しようとする人』(著:梅谷薫)

          【150年風俗史】明治からずっと、女子大生には「バカ」でいてほしかった!?|『百年前の私たち 雑書から見る男と女』(著:石原千秋)

          2018年に明治維新150周年を迎えます。福沢諭吉は「一身にして二生を経るが如く一人にして両身あるが如し」(『文明論之概略』)と記しましたが、それにならってみれば近代日本はこの150年で三生も四生も経たように思います。 近代に憧れ“坂の上の雲”を追った時代、日清・日露の戦勝(後者は危ういものでしたが)を経て第一次世界大戦で大国となったのが1918年、ちょうど明治維新後50年にあたります。その後、軍国主義、帝国主義の道をひた走った30年弱、そして戦後曲がりなりに民主主義国

          【150年風俗史】明治からずっと、女子大生には「バカ」でいてほしかった!?|『百年前の私たち 雑書から見る男と女』(著:石原千秋)

          超高齢化社会の模範解答──埼玉県は80%! PPKは3%! 何の数字か?|『超高齢社会の基礎知識』(著:鈴木隆雄)

          少し前の9月21日アメリカ・ニューヨークで安倍首相は、金融関係者らを前に講演し、日本の高齢化や人口減少についてこう発言しました。 ──重荷ではなくボーナスだ。(略)日本は高齢化しているかもしれません。人口が減少しているかもしれません。しかし、この現状が我々に改革のインセンティブを与えます。日本の人口動態は、逆説的ですが、重荷ではなくボーナスなのです。── 金融関係者を前にしての講演で、日本への投資を呼び込むためのリップサービス的なものもあるかもしれませんが、それでも“

          超高齢化社会の模範解答──埼玉県は80%! PPKは3%! 何の数字か?|『超高齢社会の基礎知識』(著:鈴木隆雄)

          ドイツ、ユーゴ、中国人。世紀の大問題「ナショナリズム」の正体|『ナショナリズム入門』(著:植村和秀)

          ナショナリズムほどやっかいなものはありません。植村さんによると日本語に翻訳するのもかなりやっかいなもののようです。 ──おおまかに言って、国家主義、国民主権、民族主義、国粋主義などと訳せるように思います。しかし何か一つの日本語で、これらのイメージをすべてを代表させることはできません。そのように便利な日本語は、まだ発明されていない、ということです。作ると便利になりますが(略)。── 「争いのイメージ」がつきまといやすい“ナショナリズム”を決して「便利」(=安易)でない方

          ドイツ、ユーゴ、中国人。世紀の大問題「ナショナリズム」の正体|『ナショナリズム入門』(著:植村和秀)

          あなたはトランプを笑い飛ばせるか?──実は心に響く「放言集」|『ドナルド・トランプ、大いに語る』(編:セス・ミルスタイン 編・訳:講談社)

          いよいよアメリカ大統領選挙も最後の山場、テレビ討論を迎えています。ケネディ対ニクソンでケネディに逆転勝利をもたらして以来、一躍注目されるようになったテレビ討論ですが、そこでは政治的主張のやり取りだけでなく、外見的インパクトも重要になっていることは否めません。ケネディが服装でニクソンに勝り、またテレビに不慣れなニクソンの困惑と(怪我の痛みによる)冷や汗が敗北に繋がったといわれています。またブッシュ(息子)とゴアでのゴアのしかめ面やため息がブッシュに好印象を与えたこともよく知

          あなたはトランプを笑い飛ばせるか?──実は心に響く「放言集」|『ドナルド・トランプ、大いに語る』(編:セス・ミルスタイン 編・訳:講談社)

          東北を外国人に売り渡して復興? 「経済成長」は誰得か考えてみた|『経済成長神話の終わり 減成長と日本の希望』(著:アンドリュー・J・サター 訳:中村起子)

          誰もが疑いもなく望んでいる“経済成長”というもの、これが達成できればすべてが解決できる、といわんばかりです。まるで“ジョーカー”のように変幻自在で万能のように思われているようです。 でもこれは確かなのでしょうか。成長を達成するとその“果実”として、貧困や格差の拡大が本当に解決するのでしょうか。あの名ばかりでまったく実現できない“トリクルダウン”、この嘘にまみれたものと同型のものをこの“成長神話”に感じてしまいます。 サターさんはこう問題を立て直します。 ──もしかした

          東北を外国人に売り渡して復興? 「経済成長」は誰得か考えてみた|『経済成長神話の終わり 減成長と日本の希望』(著:アンドリュー・J・サター 訳:中村起子)

          日本はベトナムに「ブラック国家」だと気づかれている!|『ルポ ニッポン絶望工場』(著:出井康博)

          “絶望工場”とは何か? それは日本そのものを指しています。増加する海外からの来日者は観光客だけではありません。「留学生」や「実習生」、さらには「労働者」として滞在する人も増加しています。この本は海外から希望を持って日本へやってきた人たちがどのような“生活”を強いられているのか、そしてその結果、抱いていた“夢”が“絶望”へと変容させられていくさまを追いかけた力作ドキュメントです。 安倍政権が成長戦略の一つとして掲げている政策に「留学生30万人計画」というものがあります。「

          日本はベトナムに「ブラック国家」だと気づかれている!|『ルポ ニッポン絶望工場』(著:出井康博)

          月給100円、戦前はエグい格差社会! 「戦争歓迎」も納得の民衆史|『「月給百円」サラリーマン 戦前日本の「平和」な生活』(著:岩瀬彰)

          “戦前”とはどのような時代だったのか……政治・経済・国際情勢など、いわば大文字とでもいえるような分析・研究は(立脚点の違い、視点の違いはありますが)数多くあります。この本はそのような大文字ではなく、小文字のビビッドな生活情景・環境を、それもサラリーマン生活を中心に描いた世相史、民衆史とも呼べるものだと思います。 この本をなによりユニークにしているのは岩瀬さんが、 ──戦前社会を現在とまったく継続性のない「別世界」扱いにするということは、やはり大きな間違いだろう。「別世界

          月給100円、戦前はエグい格差社会! 「戦争歓迎」も納得の民衆史|『「月給百円」サラリーマン 戦前日本の「平和」な生活』(著:岩瀬彰)

          【宗教と政治】左右など越えた理想国家。優れた保守とは何か? レビュー 政治 野中幸宏|『証言 村上正邦 我、国に裏切られようとも』(著:魚住昭)

          ──安倍政権は、旧態依然たる経済発展至上主義を掲げるだけでなく、一内閣による憲法解釈の変更で「集団的自衛権」を行使できるとする“解釈改憲”を強行し、国会での優勢を利用して11本の安全保障関連法案を一気に可決しました。これは、同政権の古い歴史認識に鑑みて、中国や韓国などの周辺諸国との軋轢を増し、平和共存の道から遠ざかる可能性を生んでいます。また、同政権は、民主政治が機能不全に陥った時代の日本社会を美化するような主張を行い、真実の報道によって政治をチェックすべき報道機関に対し

          【宗教と政治】左右など越えた理想国家。優れた保守とは何か? レビュー 政治 野中幸宏|『証言 村上正邦 我、国に裏切られようとも』(著:魚住昭)

          【衝撃】戦場生活の24時間──シリア政府軍に銃殺された女性記者の遺作 レビュー 国際 野中幸宏|『世の中への扉 戦争を取材する──子どもたちは何を体験したのか』(著:山本美香)

          「シン・ゴジラ」が大ヒットしています。その中でゴジラの防衛出動の仕方がネット上で話題になりました。石破茂さんも自身のブログにこう書いています。 ──「シン・ゴジラ」も映画館で観る機会があったのですが、何故ゴジラの襲来に対して自衛隊に防衛出動が下令されるのか、どうにも理解が出来ませんでした。いくらゴジラが圧倒的な破壊力を有していても、あくまで天変地異的な現象なのであって、「国または国に準ずる組織による我が国に対する急迫不正の武力攻撃」ではないのですから、害獣駆除として災害

          【衝撃】戦場生活の24時間──シリア政府軍に銃殺された女性記者の遺作 レビュー 国際 野中幸宏|『世の中への扉 戦争を取材する──子どもたちは何を体験したのか』(著:山本美香)