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ドラクエ1,2を久しぶりにプレイした話

 ドラゴンクエスト誕生35周年ということで、ドラゴンクエスト1のアプリをインストールして遊んでみた。小学生の時の記憶が蘇る。当時のファミコン版ドラクエの容量は512kbit(64KB)だったそうだ。ギガじゃないよ、キロだよ。それであれだけの物語が詰め込めるものなんだね。

 にしても改めて見てみると、主人公の属性に関する説明が全くと言っていいほどないことがわかる。伝説の勇者の子孫だということと、姫を助けて龍を倒すという行為だけが伝えられていて、結果神話的なモイスチャーが漂う。

 しかしよくできたゲームで、だんだん強くなっていくこと、アイテムが手に入っていく事、入れなかったところに入れるようになっていけること、パズル的謎解き、そして他のキャラクターからの賞賛。必要な要素が全部もうある。今われわれに当たり前のように普及しているRPGのリテラシーを行き渡らせたのがこのゲームなんだなと改めて思う。

 ドラクエ1に続き、スマホ版ドラクエ2もプレイした。改めて年取った目で見ると、これ、宗教戦争の話なんやな。ハーゴンが神官を務める教団があって、それがムーンブルクっていう国を攻め滅ぼして、ムーンブルクの同盟国が報復戦に出るっていうお話になっている。

 よく、「なんで王子様一人に旅立たせるの?」っていうツッコミがあるけど、あれはほら、「大阪城は豊臣秀吉が作りました」みたいなことと同じだと思うのよ。実際はたくさんの専門家や人足からなるプロジェクトチームでやったはずですけど、誰の名前でやってんの、っていうと、秀吉やん。ドラクエって神話的なお話なので、ヤマトタケルとかと同じだと思うのよ。あの人も遠征は実際には一人でやってなくて、軍隊連れてたと思うよ。そりゃ、渡すのは銅の剣一本でいいわけですよ。

 で、世界各国には、「教会」があって、そこが毒や呪いの治療をしてくれるんだけど、あそこが何の神を信じているのかは明らかではない。同じ意匠の、左右の肩が上に上がっている十字マークを使っている。三又の槍みたいだ。

 一方、ハーゴンのお城にあるのは、肩が上がっていない、十字なのよね。つまり、市中の教会とは異なる意匠を使っているんだね。なお、ザハンの神殿は十字マークで、ハーゴンとルーツを同じくする神を信奉している可能性がある。ただし、教会にいる神父めいた人々は、十字マークの帽子をかぶっていたりするから、誤差なのかもしれないが。

 ちなみに三叉の槍のようなマークは、ドラクエ11の勇者の紋章と似て見える。ドラクエ11の勇者と同じルーツなのかもしれない。

 勇者のルーツと言う意味では、主人公たちロトの家系には、氏神みたいに、一族をご先祖さまからずっと見守る神様がいて、ルビスを名乗っている。ルビスの聖地は海のど真ん中にあり、そのマークはやっぱり三又の槍だ。そういえばドラクエ6でもルビスは海底に城を構えていた。一応設定では大地母神みたいなことになっていたはずだけど、海にご縁がある神様なのかもしれない。あるいは三叉の槍は、このルビスのマークか。とすると市中の教会はルビス系の宗教団体のシマなのかもしれない。

 まあ、それを言い出すと、ハーゴン一派の神殿もドラクエ2では海底火山の中にあり、どっちも海由来ではある。

 で、宗教戦争という意味では、このドラクエ2というのは、ロト一族の守り神であるルビスと、ハーゴンの奉ずるシドーの対立だったといえる。そしてどっちも海から出てきた神様で、地上での覇権を争った。海の中の神というと、ポセイドンというより、ルルイエを思い出してしまう。人類より先にいた存在。

 ちなみに、ラストダンジョンである、ハーゴンの大神殿に行くと、あるフロアには「あくましんかん」しか出てこない。こいつらが魔物というよりも、妙に人間っぽいんだね。それをバッタバッタと薙ぎ倒して先に進む感じは、神同士の戦いに駆り出された人間同士が血を流す、宗教戦争の描写として、なかなかのものだった。ドット絵で抽象化されていたけども。

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