【エッセイ】ののと心療内科

わたしは月に1回、心療内科に通っている。予約制ではあるけれど先着順みたいなところもある、地元の小さなクリニック。
ドクターと10分間くらい、今月はこんなだったあんなだったよく眠れてる眠れてない仕事があーでこーで、って話をして、まああんまり安定してる感じじゃないし薬は今のところ変えないでおこうねって感じで大体クローズして、お会計をして、薬局で1ヶ月分の薬をしこたまもらって帰る。そんな感じ。
わたしはかれこれ1●年、心療内科のお世話になっている。●で伏せたのはせめてもの抵抗であると受け取ってください。わたしはもうアラフォー、いろいろなんだか老いを感じるなあ。

これまでドクターと二人三脚で、どうにかこうにかやってきた。初めて会った時は少し気弱そうにしていたドクターが、最近白髪混じりになってきているのを見て、時間の経過を感じずにはいられない。

わたしの病名がなんだとか、どんな薬を飲んでいるのかとか、普段の暮らしはどんななのかとか、そういうのは追々エントリしてみたい。要望があればだけど。でも多分、書きたいからそのうち書くと思う。

実際のところ心療内科ってどんなところなのかわからない、みたいなのってあるのかなって思う。
「行ったら終わりだ」とか「よくわからん薬を処方されて依存症になる」とかたぶんそういうイメージがあるのかなとわたしは推測する。

まあ、間違ってはいない、とは確かに思う。
通い始めた当初は「わたしも遂にこういうところにお世話になることになったか……」と世を儚んだり、このままどうなってしまうんだろうか……と先行きの見えなさすぎる不安に脳内を支配されて、それこそ気が狂いそうになったこともある。

この薬飲んだら果たしてどうなっちゃうんだろ……とかはやっぱりあったし、ニュースとかドラマとかそういうのでめっちゃ見たり聞いたりしていたし、変な先入観もあったりした。
けれど、わたしは心療内科の門を叩くことに抵抗はなかったのだ。この理由も、追ってどこかでエントリしたい。

わたしは雨の日に家の前で転んで骨折したことがある。
生まれて初めての松葉杖。生まれて初めてのギプス。その経験も踏まえて少し書いてみるとする。
やべー!骨折したかも!って思った時にたぶん、わたしたちは、それなりの医者に行くでしょう。整形外科とか。
そこで湿布をもらったり、赤外線で温めてもらったり、時にレントゲンを撮ってもらって、あーここがアレですねってドクターに診てもらったりもするかも。
わりと自然な流れでは?おかしいことではなさそうな。
わたしにとって心療内科の距離感っていうのは、なんとなくそんな感じに似ている。

「なんだかおかしいと思ったら心療内科に行こう!」みたいな時代の流れもあって、ハードル自体は1●年前よりは低くなっているのかな。でもやっぱり先入観というものはどうにもこうにも消えないし、難しいところではある。
「やっぱりなんかこう、行っておいた方がいい気がする!」ってなってもなかなかすぐ予約が取れる科ではないので、そこらへんも難しいと思う。
ドクターとの信頼関係とかは一朝一夕では築けないし、薬だって自分の身体に合う合わないは絶対ある。
自分自身は「早くどうにかしたい、この苦しみを和らげてくれ」って思うのになかなか結果はすぐに出ないし。
「どうにか心療内科に行ってみたのに全ッ然よくならない」ってめちゃめちゃ焦る。すげーやばい。これは体験しないとわからないと思う。

門を叩くのも大変なのに、受診をするのも一苦労。
調子が悪くなりたての急性期なんて、日々倍々ゲームさながらに調子が転がり落ちていくのに、「初診まで4週間待ちですね〜」とかってなったらホント気がおかしくなってしまう。
幸いなことにわたしの周囲には健康な人(今のところね)が多いけれど、その人たちだって、いつ調子を崩すかわからない。

だからわたしは、わたしの見える範囲だけは、観察しているつもり。
「いいからアンタはさっさと医者に行け」って、お節介にも予約の電話をかけたりしたこともある。
それはやっぱり自分の経験があるからで、良くも悪くも「わたしみたいになって欲しくない」という思いがあるからで。
メンタルを折っちゃうと、わりと人生変わっちゃうし。
周りの人には笑っていて欲しいから。

わたしみたいなのは、わたしだけで十分なのです。

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