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そば粉の活用


そばがき

最も好きな食べ物の一つ
材料はそば粉と水、あとは熱するだけ。

作り方だけでは、とても簡単に思える。

でも蕎麦がきほど、
蕎麦だけの味を味わえるものは
ないと思っています。

一時期、蕎麦がきだけを求めて
お店で頼む、ということをしていました。

「そば・うどん」という業界の雑誌を読んでいた時期もあり、世界のそば、小麦、またモンゴル等の食生活等も垣間見れてとても興味深い
世界だと思っていました。

世間で言う粉の裏の世界、現実があるのも
おもしろいところです。

色々見ていて、蕎麦がきが最もそば粉の
味を味わえるもの、って感じました。

さすがに全国とまではいかないですが、
用事で行った都道府県では、そばがきめぐりしていました。

でも、京都のあるお蕎麦屋さんのそばがきで衝撃を受け、ここを超えるところはない、
という結論になりました。

そのお店で蕎麦がき巡りは終了しました。

しばらくたって偶然、
もう十年くらい前になりますが、
偶然レシピを見つけました。

誰かのブログで
その京都のお蕎麦屋さんから、
レシピを教わり、許可をとった上で
紹介されていました。

やはり秘密はありました。

作り方です。

そば粉の性質を知り尽くしたような
やり方でした。

温度によって混ざり方、
固まり方など違うわけです。

ある程度の温度でそば粉を溶かして
ただ練り上げていくだけですが、
細かいところでコツがありました。

ぬるま湯より少し熱い温度、約60℃程度で
お湯の中にそば粉を入れる。

そば粉にお湯を注ぐのでは
ありません。

一気に泡立て器で混ぜる。

この温度帯だと、そば粉がダマになりにくく、
仕上がりの時間が短い。

そば粉の風味を最大に
限活かせるらしい。

ぬるま湯で溶かして一気に
木べらで
練り上げる。

出来上がったら、形を整えて
お湯に浮かせる。

そうすると、食感がまるで、マシュマロのような、フワッとしたそばがきに
なるという。

久々でうまくいきませんでしたが、
極わずかな温度差が原因だったと思います。

また改めてやってみます。
お店で出す時は木の葉の形に
整えていたのですが、
自家用は省略しました。

実際に何度かその通りにやってみると、
本当にマシュマロみたいな蕎麦ガキが
できます。

ふんわり感が今ひとつ。
でも蕎麦がき自体は柔らかめです。

熱湯でスタートすれば、何やら硬いか
どこか粉っぽさも残る。

でもそば粉が良ければ、
それなりにおいしい。

水から練り上げた蕎麦がきも
もちろんおいしい。

要は、そば粉の品質、鮮度や製粉が良ければ
おいしいそばがきになるわけです。

ですが、あのマシュマロのような
感じならさらにいい、って思います。

そば粉が特徴的で、良質であれば、
それぞれの良さがでます。

そのお蕎麦屋さんは、
そばの味と温かいマシュマロのような、
食感があり、なおかつ、最も蕎麦の良さを引き出しているような味でした。

そば粉はオリジナルブレンドらしく、
他を完全に圧倒した感じさえありました。
理想はそこのそば粉、

水ももしかしたら、
ポイントかもしれません。

まぁ、でもとりあえず深く考えず、
やってみればわかることです。


良質なそば粉1kgくらい買って、何度もやる。

1キロあれば、約25回は蕎麦がき作りの
実践はできます。

それぞれの作り方(水から、熱湯からなど)で
やればよく分かります。

粉っぽいのか、
ヌメっとするのか、
硬めになるのか、

あるいは、マシュマロみたいになるのか。

水温や作り方を変えるだけでも、
同じそば粉とは思えない
仕上がりになります。

結果は明らかに、ホットなマシュマロみたいなそばがきが最高でした。

これ以来、そばがきをお店で頼むことは
なくなりました。

そば粉の性質を
知り尽くしたかのような
作り方ですね。

あとあと、その店主の方を
知りましたが、熱意と興味がハンパなく、
まぁ、そばの狂人とでも言えそうな(良い意味です)人でした。

北斎が画狂老人と
名乗っていましたが、
名乗らないけど、そばの狂人みたいな
感じでしょうか。

そばを求めて、
遠くからわざわざ来られる
お客さんも多いとか。

名店や老舗がある世界ですが、
狂人みたいな人、
変わった人、
あるいは、女の人が作るそばなど、
とても個性的で良いものが
たくさんありますね。

考えてみれば、お蕎麦屋さん一つにとっても、
真っ白な更科(サラシナ)そば、10割、二八、あらびき、超極太のうどんのような、
さらには、きしめんみたいな蕎麦を
出すお店もあるわけです。

懐石料理みたいなコースも
あって色々です。

言わば、好き勝手にやってよさそうな、
自由で個性が出る世界ですね。

ましてやクレープやおかゆ、
ピザのようにする国すらあるわけです。

個性ある人が、どんどんやるといい世界に
見えてきます。

その中でも日本の蕎麦がきほど、
そば自体の味を味わえるものはない、
と思ったわけです。

そば粉と水だけで、挑む世界です。

実際に蕎麦がきは、言わば素朴な味です。
そばの風味がまともに出るので、
味付けも不要。

特に自家製粉やそば粉に自信のあるところでは高い確率でメニューにあります。

蕎麦がきは、そばの風味豊かなものは、塩かワサビ、物足りなければ蕎麦つゆで
十分です。

意外にいいのは、少量なのに、
体がとても温まる。

そのため、特に冬場や軽食で済ませたい時、
蕎麦がきは家でよく作ります。

たった40gの蕎麦粉で、
そこそこの満足感や
満たされた感があるのは、
蕎麦がきの魅力の一つだと思います。


かつお節削ってかけるだけ。味噌を少しおいてもいいですね。こんな単純で、短時間でできる料理は体も楽。何より暖かい。



一度に使うそば粉は、わずか40g。

そばの実をミルで挽き、粗挽きや細挽きとミックスするものなかなかなもの。
暇な時はしますが、普段は手抜きです。

熱湯からスタートすると、簡単で
加熱期間が短いですが、ダマができやすく、
生地が固くなる。

でも決して悪いわけではありません。

要は材料は単調ながら、
作り方は色々あるわけです。

蕎麦がきは、
ちょっとした軽食になる。
これがいいですね。

柔らかくてふんわりとしたものはコツがありますが、まぁ深く考えなくても
いいわけです。

庶民的な食べ物ですので、
凝りすぎることもない。

ほどほどに新鮮なそば粉を使う、
どんな作り方であれ、
それなりの一品にはなります。

少量で空腹になりにくい、
不思議な食べ物です。
祖母もよく作っていたと聞いています。

しかし、あのお蕎麦屋さん、相当研究して
ふわっとした蕎麦がき作ってたんだろうな、と改めて想像してしまいます。

どこのレシピ本みても、見当たらなかったので、トライし続けていたかと思います。

シンプルが故に、答えがないのか、
追求してしまうのか、
魅了される世界ですね。

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