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ビンの蓋から生まれた思春期娘との会話

キッチンにいた長女がビンを持ってきた。
なんか香味料が入っているビンらしい。
「パパ、開けて」

くるっしゅぽんと簡単に開けた。
「ありがと」
長女はキッチンに戻っていった。

今年から和田家では週に一回ずつ娘たちが料理を作る。
小六の次女はカレーかシチューかハッシュドビーフ。
高一の長女はもう少し色々作る。

長女が香味ビンの蓋を開けてと持ってくるなんて想像もしていなかった。
いや、それ以前に家で妻以外の人に調味料のビン蓋開けを頼まれるなんで想像もしていなかった。
人生は想像を超える。よくわかっているつもりの家族間でも想像外のことが起きる。

思春期長女とはこの5年ほどあんまり話をしていない。
だけどこんな形の対話があるなんてことは想像外の喜び。
ひとまず固く締まってくれた香味ビンの蓋くんに感謝をしておこう。

あ、冷蔵庫のビン蓋を全部堅く閉めておこうか。アカン、迷惑や!
幸せはわざと作ろうとすると逃げていく。
想定外の幸せだから喜べる。

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