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15. 目標設定と評価を通じ、会社の期待と社員の行動をリンクさせる

■Keynote

目標管理の最大の障害になるのは、「どうせ無理」「そんなことをして何になるの」とささやいて足を引っ張る人です。こういう人の話に耳を貸していると、自分の中の言い訳の虫が反応して行動にブレーキがかかります。このタイプの人に余計なエネルギーを奪われないようにするためには、とにかく数字に集中することが大切です。自分で決めた数値目標だけを見て、それを達成すすることに注力するのです。それによって、目標達成の邪魔をする人たちを視界の外に追いやってしまうのです。
By 倉持淳子 (株式会社クラ・モチベーション代表取締役)

■Point

■人事評価制度を運用する目的は4つある

①組織目標の達成:
経営理念や組織目標の達成に適うように、一人ひとりに行動を促し、業績を向上させる。

②人材の育成:
一人ひとりに期待したい能力と現状の能力とのギャップを伝え、将来の成長に繋げる。

③納得性の高い処遇:
一人ひとりの組織への貢献度や能力の発揮度を正しく把握し、公正に処遇に結びつける。

④部下の動機付け:
部下の行動を観察し、褒めたり叱ったり、成長を実感させながら、部下のやる気を高める。

このうち①について詳述する。
会社として高い目標を掲げ達成していくには、組織目標を部下に示し、部下の目標に落とし込む必要がある。その際、その目標の大局的な意味と、各部門(従業員)にとっての意味を、受け手に分かるように伝える必要がある。各部門(従業員)の立場から見聞きして「心に響く、動機付けされる表現」で表したい。

目標設定のプロセスとして下記(A)〜(D)の順にステップを踏みたい。
(A)目標の達成(ありたい姿)の実現している状態を示す
(B)達成の為に乗り越えるべき障害を出し切り(問題の抽出)、具体的に特定する(課題の抽出)
(C)そのハードルをどのように乗り越えていくのかその方法を特定する(達成方法の定義)
(D)課題の解決に際し誰が、いつからはじめて、いつまでに、どのような状態に到達させるのか、を定める(達成基準の定義)

とはいえ時には、社長から各部門長へ個別に細かい指示を出し切れないこともあるかと思われる。その場合でも上記(A)〜(D)について確認を行う。

■必ず定量数値を目標に掲げる

なお、定量数値を目標に掲げない部門の目標設定で、定性目標の定量数値化が難しい、というケースが見受けられる。しかし本当にそうだろうか。「何を(行動)、どのくらい(量)取り組むか」程度は定量化できるはずだ。納得感ある振り返りと評価・処遇を実現するためにも極力、定量目標を掲げるべきだ。もちろんその定量目標は、大局的な目標に連動していることが肝心だ。

■Let's Think!

人事部の目標を定量数値にて掲げる場合、どのような指標があるだろうか?

顧客対応部門のように、仕事が問合せ受付から始まる部門ではどのような定量目標を掲げるべきか?


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