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第68回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む

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【第68回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】その8 山田佳奈『剥愛』

【第68回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】その8 山田佳奈『剥愛』


候補者について山田佳奈[やまだ・かな]
1985年生まれ。神奈川県相模原市出身。□字ック主宰、劇作家、演出家、映像監督。初の最終候補。

候補作について昨年11月、□字ック第十五回本公演としてシアタートラムにて上演。その後、愛知、大阪でも上演。

■時代、場所
 現代、地方の集落にある剥製師の工房。
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 【2】翌日
 【3】3日後
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■登場人物
 

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【第68回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】その7 メグ忍者『ニッポン・イデオロギー』

【第68回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】その7 メグ忍者『ニッポン・イデオロギー』


候補者についてメグ忍者[めぐにんじゃ]
1988年生まれ。千葉県出身。多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業。オル太メンバー。劇作家。初の最終候補。

候補作について昨年12月、YPAM2023にてオル太の公演としてBankART Stationで上演。今年1月にはロームシアター京都ノースホールにて上演。

■時代、場所
 第一章 Dreamの意義
  第一場 路上、教室、皇居
  第二場 駅

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【第68回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】その6 蓮見翔『また点滅に戻るだけ』

【第68回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】その6 蓮見翔『また点滅に戻るだけ』


候補者について蓮見翔[はすみ・しょう]
1997年生まれ。東京都東久留米市出身。日本大学芸術学部映画学科卒業。ダウ90000主宰。第66回以来2度目の最終候補。

候補作について昨年5月、ダウ90000の第五回演劇公演として本多劇場にて上演。

■時代、場所
 現代。埼玉県所沢市の国道沿いにあるゲームセンター「サーカス」。

■登場人物
 杉原美緒  芸能事務所所属
 中野淳   美緒の元恋人

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【第68回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】その5 菅原直樹『レクリエーション葬』

【第68回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】その5 菅原直樹『レクリエーション葬』


候補者について菅原直樹[すがわら・なおき]
1983年生まれ。栃木県宇都宮市出身。桜美林大学文学部総合文化学科卒業。「老いと演劇」OiBokkeShi主宰。劇作家、演出家、俳優、介護福祉士。青年団所属。初の最終候補。

候補作について昨年9月〜10月、「老いと演劇」OiBokkeShiにより岡山芸術創造劇場「ハレノワ」小劇場並びにロームシアター京都ノースホールにて上演。

■時代、場所
 現代。

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【第68回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】その4 池田亮『ハートランド』

【第68回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】その4 池田亮『ハートランド』


候補者について池田亮[いけだ・りょう]
1992年生まれ。埼玉県春日部市出身。東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。ゆうめい所属。劇作家、演出家、俳優、造形作家。初の最終候補。

候補作について昨年4月、ゆうめい本公演として東京芸術劇場シアターイーストにて上演。

■時代、場所
 現代(2021年/2023年)。観光地から離れた山奥にある店ハートランド。
 シーン・0(開演前)
 シーン・1

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【第68回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】その3 安藤奎『地上の骨』

【第68回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】その3 安藤奎『地上の骨』


候補者について安藤奎[あんどう・けい]
1992年生まれ。大分県出身。岡山県立倉敷商業高等学校卒業。劇団アンパサンド主宰、劇作家、演出家。初の最終候補。

候補作について昨年9月、MITAKA "NEXT" Selection 24thに選出された劇団アンパサンドの本公演として三鷹市芸術文化センター 星のホールにて上演。

■時代、場所
 現代。事務の職場(恐らくは東京)。

■登場人物
 高木

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【第68回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】その2 升味伽燿『くらいところからくるばけものはあかるくてみえない』

【第68回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】その2 升味伽燿『くらいところからくるばけものはあかるくてみえない』


候補者について升味伽燿[ますみ・かよ]
1994年生まれ。東京都出身。早稲田大学法学部卒業。果てとチーク主宰、劇作家、演出家。初の最終候補。

候補作について昨年8月、果てとチークによりアトリエ春風舎にて上演。『紙背』2023年11月号に収録。

■時代、場所
 6月〜9月。関東近郊の山間の村、神社、林、カフェ、タカサコ家、ウツミ家など
 シーン1  集合体の幸福
 シーン2 暗がりより
 シー

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【第68回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】その1 金子鈴幸『愛について語るときは静かにしてくれ』

【第68回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】その1 金子鈴幸『愛について語るときは静かにしてくれ』


候補者について金子鈴幸[かねこ・すずゆき]
1992年生まれ。東京都出身。明治大学文学部英米文学科卒業。コンプソンズ主宰。劇作家、演出家。初の最終候補。

候補作について昨年8月、コンプソンズ第11回公演としてOFF・OFFシアターにて上演。『紙背』2023年11月号に収録。

■時代、場所
 2052年。下北沢の古いアパートの一室。
 0 小春がいる。VRのゲームをしている。
 1 VRのコン

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【第68回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】序

【第68回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】序

第68回岸田國士戯曲賞最終候補作が発表されました。今年もやりまっせ。
ちなみに昨年の予想は大外れ(大穴で金山寿甲さんは挙げていたけど)。この時はまさか鎌田順也さんがお亡くなりになるとは想像すらしていませんでした。

選考委員は市原佐都子さん、上田誠さん、岡田利規さん、タニノクロウさん、野田秀樹さん、本谷有希子さん、矢内原美邦さんの7名で3月1日に選考会が行われます。
岩松さんとKERAさんに替わり

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