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半年ぶりに

髪の毛が抜けて
収拾がつかない
髪型ものびのびで
気にくわない

そうだ美容院へ行こう
何にもしたくないけれど

意を決して予約を入れる
こんなことにも重い気持ち
前回は半年前

生きているのが苦痛である
朝が来るまた目覚める
わたしは身体の中に戻っている

毎日毎日その繰り返し

美容師さんは五十代、おじさん
母も昨年までお世話になっていた

「毛が抜ける」というと
「それはストレス」と間を置かず返される

「仕方がないよ」
いろんなことがのし掛かるわたしの話しを聞いてくれる

「ああ、さっぱりした。ありがとう」

気分よく店を出る

でもそのあとは必ず気持ちがふさぐ
母がいなくなってから
何時もそう
人と話しをしたあとは必ず落ち込む

普通なの、普通じゃないの
わたしの感情

ひとりで堪える
限界なんかとうに越えている

「やっぱり、髪の毛は薄くなっているから、今日はすかないでボブにしたよ」

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