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2016年4月の記事一覧
TheBazaarExpress34、芸能界のドンと呼ばれる男~周防郁雄編(1997,02)
細川たかし、郷ひろみ、小泉今日子、長山洋子らを擁し、
傘下には約二十のプロダクションを抱える、芸能界屈指の実力者。
一方で、自分自身は一切マスコミの表面に登場しない
「陰の人」としても知られる男。
テレビ、新聞、週刊誌などの芸能マスコミにも睨みをきかす、
彼の業界での絶大な権力は、いかにして形成されていったのか————。
日本全体がオウム真理教事件と阪神大震災に揺れた平成六年。東京の
TheBazaarZxpress33、自分壊しの旅路~古舘伊知郎編、(2004,04,13)
――またこの人の性がでたな。
私はそう思わずにはいられなかった。
二〇〇三年の秋、「古舘伊知郎、久米宏に代わりテレビ朝日の新しい報道番組の司会者に」という報道が流れた時のことだ。
それ以降、世間では「ニュースステーション、久米宏解任か」「新しい報道番組のコンセプトは」といった話題がかしましかった。けれど私が着目したのは、あくまで古舘の言動だった。
インタビューの答えや行動の中に、彼
TheBazaarExpress32、己を信じる力~清原和博編(2005,09,01)
その夜、深夜の東名高速を東に向けて疾走する一台の高級外車があった。
――このまま事故で死んだとしても、それだけの人生だったいうことや。
名古屋ドームを出て高速に入り都内に戻るまでの間、運転席の清原和博は、いいようのないやるせなさを振り切るようにアクセルを踏み込み続けた。
一九九九年九月十六日。この夜、清原の打席の時にだけ左翼席の応援がやんだ。トランペットも鐘も太鼓も響かずに、異様な静
TheBazaarExpress31、夢の力、桜島7万5000人コンサート、長渕剛編(2004,09,01)
「オールナイト・ライブを発表してから二年間、いちからの整地から本番まで、長い気がしていたけれどいざその当日を迎えると、やはり短かった気もします。 オールナイトをやってみて、わいてきたのは心からの感謝の気持ちです。 はるか遠方からやってきて、朝まで拳を突き上げてぐさたファン、そしてブルドーザーで整地して汗を流してくれた人たち、桜島の皆さんの理解に本当に感謝します」
街に秋風が立ち始めた頃
TheBazaarExpress00、ぼくの見たアメリカ~14歳のホームステイ編(1974,09,01)
ぼくはこの夏、一カ月間アメリカへ行ってきました。といっても、観光旅行ではなく、田舎の農家にステイしたのです。今日はそこでぼくが感じたこと、経験したこと、などを話したいと思います。
ステイした場所ですが、ネブラスカ州という所です。その真ん中よりやや北によったブリュースターという人口900人の小さな街です。私の家には、同年齢の男の子とその両親の3人家族で、牛の放牧をやっていました。その面積は4000
TheBazaarExpress30、ミスチルはいかにしてナンバーワンになったか~ミスチル編(1995,05)
1 夜明け前
それは、夜明け前の光景だった。
東の空にはうっすらと光の帯が広がり始めてはいたが、まだ太陽はその姿を現していなかった。
’94年1月1日午前5時頃。大田区下丸子の路上に、7〜8人の若者たちが姿を現した。
「楽しい夜だったよ」
「また来年も集まろうよ」
「また鍋で盛り上がろうか」
「今年もお互い頑張りましょう」
元旦の早朝。寝静まった街にそんな会話を響かせながら
TheBazaarExpress29、吉田拓郎という名の孤独、吉田拓郎編(1999,12,12)
その文章には「吉田拓郎という名の孤独」がしたたかに刻まれている。昨年秋に発売されたアルバム「ハワイアン・ラプソディー」の初版にのみ添えられた、彼自身の手による自伝小説だ。
「若い頃は、それなりに無理をしてきた事を、彼(注・主人公)は酔った時に「俺にしかわからない苦痛」とよく親しい友人に話すようになっていた。40代の後半あたり、バハマへレコーディングに行った時、遥か南の島で初めてこのセリフを口に
TheBazaarExpress28、自分の名前で佐村河内名義の曲を超える作品をつくることが使命、新垣隆編(2016,04,13)
騒動後も自分の”仕事”は変わらない
―――ゴーストライターであったことを告白してから約2年がたちました。この間メディアへの頻繁な登場がありましたが、仕事としては事件の前後で変化はありますか?
いえ、自分としては仕事そのものは変わりませんし、変わりようがないと思っています。もちろん状況的にはいろいろな変化や出会いがありましたが、基本的に私は音楽家として音楽を通して様々な人々とコミュニケーションを
TheBazaarExpress16、このメールこそ、役者古田新太編(2001,02,22)
「役者は稽古ですよ。稽古すればうまくなるし、しなければ下手になって捨てられる。それだけのことです」
毎日新聞日曜版に連載している「芝居あやとり」の取材で、役者・古田新太のこの言葉に出会った。当たり前の事ではあるけれど、その言葉の裏にある「事実」に感じるものがあった。
劇団☆新感線といえばどれくらいの人がご存じだろうか。大阪芸大の学生劇団が成長し、今や東京と大阪で4、5万人を動員するまでにな
TheBazaarExpress3、アイドルを泣かせた男、それは私。奥菜恵編(1998,12,12)
それは、思いがけない光景でした。
何の言葉がきっかけだったのか、小宇宙を思わせる彼女 の二つの大きな瞳にピンク色のオーロラが掛かったかと思う間もなく、両頬にツーっと二筋の水滴が流れたのです。
「うれしいです、わたし。ここまで色々な方にお世話になって、 自分でも頑張ってきたと思います」
そう言いながら、彼女、奥菜恵は頬に光るものを拭おうとも せずに、真っ直ぐに僕を見つめてくれました。