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AI vs. 教科書が読めない子どもたち (新井 紀子)

(注:本稿は、2020年に初投稿したものの再録です。
   この投稿以降しばらくはあっさりとした内容が続きます。)

 著者の新井紀子先生とは、一昨年(注:2018年)、仕事の関係で竹橋の研究所にお伺いして1時間程度でしたがお話しする機会がありました。とてもユニークでフランクな方ですね。
 先生が推進している取組みにおける実務的な課題についての意見交換でしたが、それでも期待していたとおり久しぶりに楽しかったです。

 その時には、まだこの本は(話題にはなっていましたが)読んでいませんでした。読んでいたら、ちょっとでもこの本の先生の主張についてディスカッションしたかったですね。残念!

 さて、本書ですが、評判なのもさもあらんと感じる刺激的な内容です。

 AIはプログラムなので、そのベースは「数学」です。本質的な「意味」を理解することはできません。
 その点において、将来的にAIの適応領域がいかに拡大していっても “人間の優位性を維持できる分野” は十分に存続する、と考えたいのですが、なんと(人間サイドの)「現実」は、教科書の文章すら正しく理解できない中高生が多いとのこと。
 書かれている文章の意味が分からない・・・、“基礎的な読解力が決定的に欠如している”というのです。紹介されている実例には唖然とするものがあります。

 読み終わってはじめてタイトルの意味が分かりました。



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