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数学物語 (矢野 健太郎)

(注:本稿は、2021年に初投稿したものの再録です。)

 図書館で予約している本が切れたので、だいぶ以前にダウンロードしていた電子書籍のコンテンツを読むことにしました。

 矢野健太郎氏と言えば高名な数学者ですが、私の中では「高校参考書の著者」としての印象が強いですね。お世話になったのは、もう40年(注:初投稿時)以上前になりますが。

 本書は、その矢野教授による数学の初心者を対象にした軽い読み物です。1936年に書かれた著作とのことで、今読むとかなり「時代」を感じるところもありますね。

 内容は、数の概念の成り立ちに始まって、数学の発展の歴史を、ターレスを祖とするギリシャの哲人からパスカル、デカルト、ニュートン、オイラーといった有名な科学者・数学者・哲学者にまつわるエピソードを紹介しつつ辿ったものです。
 幾何と代数との関係に触れているくだりやいくつかの証明問題は、何となく懐かしかったです。

 とても面白い本ですが、小学生を相手にしているような記述もあれば、文系高校生に理解して欲しい程度の解説もあって、読む人によってはちょっと戸惑うかもしれませんね。



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