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大学1年カルト宗教に勧誘されて

最近、カルトの話題が盛んになってきている。

大学新入生を狙うのは今でも常套手段だと聞いた。

そんな時勢に「自分を開いて」なんて安易に言っていいんだろうかという自分もいるので、カルト宗教のあたり、少し書いてみる。

1986年かな、大学1年のとき、駅前で若い女性からあるカルト宗教(その当時そういった認識もなかった)の勧誘があり、その寺院?についていったことがある。

ついていった理由は「宇宙の真理を教えてもらえる」ということだった。宇宙の真理を知りたかったが、自分の納得のいく推論のためで、その世界観をインストールして、その後、不明な点を議論したかった。

ところが寺院に着くと、最初の女性よりちょっと年上の男性が出てきて、まず祈りをするということで、お布施を用意しろとのこと。

手持ちのお金がなぜか999円しかなかった(笑)

それを伝えたら、その男性は「普通はお札なんですが」と言いながら舌打ちして「私が1000円札にして出しておきますね」と言った。

「これも真理を教えてもらうため」ということで有金全部渡した。その際、住所や名前、電話番号を書かされた。

祈りのために5,6人で建屋の中に入り、そこでなんか儀式のようなものを受け、そのあと、お経なようなものをみんなで斉唱した。

終わると、全員で別の部屋に連れて行かれ、そこでどのような体験だったかを尋ねられた。

「祈ってる最中、光が見えました!」的なことを何人か言っていた。偉そうな方が、「それは○○様がおいでなされて・・・」みたいなことを話していた。

そうして今日はこれで終わりですとなったので、僕は慌てて宇宙の真理は聴けないのか尋ねた。

そしたら、それは何回かこのような儀式?を経て、段階が上がると○○様のお話として聞けるような説明があった。

えらいお金と時間がかかるシステムだと思った。

仕方がないので、その日は帰ることにしたが、いくつか僕とは反りが合わないところがあるので、後から「もう行かない」とお断りの電話をした。

「もう一度、ちゃんと会って話をした方がいい」と粘られた。

「こういった宗教の勧誘みたいなのはしつこい」ということぐらいは頭にあったので、もう一度会ってお断りする方がいいだろうと会うことにした。

勧誘した若い女性とそれよりちょっと年上の男性(女性の上司風)のふたりとコンビニの駐車場で待ち合わせた。

最初、女性と話した。

「宇宙の真理を知りたくて行ったが、そこまでに時間とお金がかかりすぎる。お布施と祈りも、必要性がわからないまましたが、最後までわからなかった。考え方がそもそも僕と違うので、もう行きません。」と僕の理由を伝えた。

女性は泣き出し、「少し待ってください」と言って離れていた上司風の男性に話に行った。

次に男性が女性を連れて僕のところに来た。

男性が話し出した。

「私たちがこうしてお声かけして出会ったのは、○○様が救いの手を差し伸べているからです。あなたは、○○様の救いの手を振り払おうとしているんですよ!いいんですか?」

「その手を振り払うとどうなるんですか?」と僕。

「○○様の救いの手を振り払えば、罰がくだります。あなたはさらに不幸になるんですよ。」

「そうなんですね。」

僕は答えが出たと感じた。

「僕は、それが何かはわからないのですが、子どものときからずっと『神様』みたいなものがあって、よく話していたんです。その『神様』は、僕にいつも微笑んでいて、何度でも救いの手を差し出してくれるんです。僕が身勝手で何度手を振り払っても、手を差し伸べてくれる、心の広い『神様』なんです。

だから、あなたが信じている○○様と僕の『神様』はだいぶ違うことがハッキリしたので、もう行く必要はありません。」

その男性も脇にいた若い女性も、ポカンとした顔で無言になって立っていた

僕は、しばらく返事を待っていたのだけど、何の返事もないので

「あの、もう行きますね。気を悪くしないで、みなさんが幸せになりますように。」

とコンビニに停めていた車へと向かった。それきり、彼らから連絡はなかった。

ここまで書いて、何が言いたいか、自分でもよくわからないが、これは30年前のことで、カルト宗教の誘い込み方はさらに手の込んだやり方を駆使していると思う。

商売でも手の込んだ心理的なことをついたマーケティングとかあるわけだから。

ローン組ませるのにもカルト宗教勧誘にしても、大学新入生を狙うのは今でも常套手段らしい。

ひとつだけ大切だと思うのは、敵を知ることだと思う。

消費者相談絡みの手口やカルト宗教被害の手口などを学ぶことも大切だ。

それが不足しているなら、安易にどこへでも飛び込まない見識は持った方がいいだろう。

メキシコのシャーマニズムに『狩人』になる訓練がある(僕が熟読した本のひとつ『シャーマンズボディ』に詳しくある)。

世界には、狩る側と狩られる側しかない。生き残るとは、狩られないことである。

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