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Youtubeで視聴できるカナダ発アニメーション Interface がすごい

Youtube上ですごいの見つけた。今のところインターネットに日本語で読める情報はほとんど無いようだったので、私なりにまとめてみることにした。
Interface(2017-2021)カナダ、モントリオールの Justin Tomchuk が u m a m i (日本語のウマミに由来?)名義で作成しYoutube上で公開している連作アニメーション(全24話。前後半に分かれた長いバージョンも公開されており、ここには長いバージョンへのリンクを貼っておく)。

前半: https://youtu.be/b_V-VJQT6pM

後半: https://youtu.be/BHqY2KsghjU


劇中では主人公Henrikは一言も喋らないし、一番台詞が多いキャラクターであるMischiefはボイスチェンジャーを通した声なので、英語としてかなり聞き取りづらい。この作品の魅力はなんといっても映像と音楽であってストーリーは添え物のようなものとはいえ、簡単なあらすじを知った上で観た方が分かりやすいと思うので、以下に概略を記す。

あらすじ

物語は1943年のフィラデルフィア実験(以下、実験と称する)* によって超常現象が常態化したパラレルワールドの地球を舞台とする。不老の男Henryk(マルグリット「人の子」のヴィジュアル)が実験で生まれた異形の存在Mischief(フォルムが変幻自在なところや性格は『アドベンチャー・タイム』のジェイクに似ていなくもない)に伴われて家族に会いに行く。2人はHenrykがかつて家族と暮らした海辺の家に到着し、そこからさらに想い出の場所である灯台へと向かう。一方、実験のもう1人の生存者Greetingは各国政府や巨大資本の支援を受けて、超常現象を撃退するためのシステムKAMI(漢字ではっきり「神」と表記されている)を開発し、超常的な存在を次々と撃退していく。やがてHenrikとMischiefもKAMIの標的となる。灯台にてGreetingはHenrikに接触し、赤いスイッチを押して世界を正常化するよう迫るが……みたいな話。

画面は640x480ピクセル** で、往年のpaintソフトのような質感だが、20世紀の西洋絵画(ポスト印象主義、ロシア・アヴァンギャルド、シュール・レアリスムなど)が随所に引用されている。特にインスピレーション源となった作品は最終話のエンドロールで確認できる。あと日本アニメ、特に押井守の『Ghost in the Shell』や『パトレイバー2』あたりから影響受けてると思う。その辺好きな人はぜひ観てみてほしい。

*フィラデルフィア実験:日本ではフィラデルフィア計画とも。1943年にアメリカ海軍がフィラデルフィア工廠で強力な電磁波を発生させて駆逐艦を不可視化させる実験を行ったが、当該駆逐艦が瞬間移動する、多数の乗組員が死傷するなどの怪現象が発生したという都市伝説。

** “Exploring the bizarre world of Justin Tomchuk’s ‘Interface.’” by Manu Sharma (Jan 06, 2021) https://www.stirworld.com/see-features-exploring-the-bizarre-world-of-justin-tomchuk-s-interface 参照。u m a m i および Interface についての、現時点でおそらく最も充実した記事(英語)。

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