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シリーズ・新しい教育を雑に考える【1】

例えば数学に絞って、次世代の双方向型授業とはどういうものか、すごく浅く考えてみる。

教師がすでに知っている情報や技術を、まだそれを知らない生徒に伝える、授ける、というのが今までの授業の基本スタイルであったと思う。
わからない状態で授業をうけはじめた生徒たちが、その時間内で、あるいは宿題などを通して、とある技術を「わかる」→「出来る」となれば成功と言えるだろう。
現在の教科書で言えば、中学2年で、連立方程式や、1次関数の基礎的な技術を習得する。
中1の頃には、y=ax+b、と言われても「?」だった生徒が、中2の学習を経て、中3のころにはスラスラと問題が解けるようになっている。

さてここで、これまでの授業の最重要目的、最優先事項、について考えてみる。

従来の「教師→生徒」型一方通行授業の最優先事項はなにか。
それはおそらく「ある単元の技術の理解と習得」である。
つまり「問題が解けるようになること」が最優先されていた。

そして、その技術習得を最もコスパよく満たす方法が、

教師が黒板に説明を書きながら話し、
生徒はそれを聴き、
ノートを取りながら考え、
例題を演習し、
答え合わせをしてミスがあれば修復し、
宿題でそれを反復して技術を定着させる。

という、いままでの学習スタイルであったのだと思う。

教師はこの最重要目的「理解と習得」のために、最短ルートで、いわゆる「わかりやすい」授業を行い、
生徒たちは集中して授業を「聴く」ことで、最短時間で技術を習得しようとする。

これまでの「優秀な生徒」とは、集中して説明を聴き、考えながらノートを取り、最も短い時間で(できれば授業中に)その技術を習得して、忘れない生徒のことである。

だから例えば
授業中にマンガを読む
授業中に寝る
授業中に隣のやつとしゃべる
授業中に携帯をいじる
授業中話を聴いてない
授業中ノートを取らない
授業中に『他のことを考える』
などは、学習姿勢としてはダメとみなされていたし、
実際の所、このような態度の生徒は、おおむね成績は悪くなっていた。

『他のことを考える』
とかっこ書きしたのは、このことこそが、次世代の授業の最優先事項ではないかと、ぼやっと思ったからである。

つづく

[2018.05.02 facebookから]

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